有能な官僚 お馬鹿な官僚 どう違うのか?

本稿では、有能な官僚の仕事ぶりと対比する形で、放置してはならない無能な官僚組織について指摘させていただく。




■有能な官僚

私は、有能な官僚がたくさん働く官界の緻密さをこう理解している。

第二次安倍政権において、さしたる実績がないと思われている、国土強靭化、女性の活用、地域創生、働き方改革において、相当レベルの緻密な文書が作成され、意思決定され、実施決裁されていると推定している。




たとえば、国土強靭化計画などの目玉政策については、こういう手順で意思決定、最終的に以下のような資料構成になっていると推定する。

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・まず大臣か事務次官が、国家レベルの大規模土建プロジェクトを発案、指示
・発案者の指示を受けて、最初に国土開発・防災ビジョンみたいな位置づけで、A4で100頁レベルの資料集を作成、大臣稟議決裁後、省庁内で共有化
・次に、長期計画ベースで、分野別にプロジェクト集が定義、予算枠の大枠が設定された後、大臣稟議決裁後、省庁内で共有化
・続いて、年度予算にて、実施計画が策定、概算要求された後、国会で予算案が審議、承認
・個別予算統制事案毎に、現業機関大で実施稟議決裁後、工事開始

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プロセスとしては、国家プロジェクトとしてのビジョン、長期計画資料(主要プロジェクト別に分類)、年度予算資料(予算、工事仕様、技術基準等)、実施稟議資料(予算、工事仕様、技術基準等)、決裁上は、少なくとも四つの段階を経ていると推定。

本稿読まれた方は、一つのプロジェクトを実現するのに、四つもの段階で決裁手続きを必要とすることに驚かれるかもしれない。私は、民間人であるが、社内で仕事上は、これら四段階を消化し、一つ一つ決裁書類を残し(会議の議事録等を含む)、記録文書化した。

記録され、10年以上は保存される文書として残したという意味である。

このビジネス感覚を官界に当てはめると、官界において官僚たるもの、国家レベルのプロジェクトを企画、調整、実施するために、これら四種類の稟議書を起案、決裁できるだけの専門性、構想力、文章力が求められているはずである、と推定するのである。

実態面で、たとえば、とある護岸工事、とあるダム工事等、とある団体幹部が、耳に留め、時に社会問題化するのは、実施段階の場合のことが多い。しかし、現実には、よほど杜撰な計画でない限り、実施稟議前に膨大な検討文書、精緻な比較検討文書が存在している。そのことを知らない人が多い。社会問題となった時点でマスコミは、杜撰な、、、と報道したがるが、官界はそれほどいい加減な仕事をしていないように思う。

この種の国家プロジェクトにおける重層的な行政手続き、意思決定を前提とすると、保守系団体において陳情実績がほとんどないのは、官界で当たり前のように流通しているこれら重層構造の文書をまったく読んだことがないか、存在すら知らず、あるいは読んでも理解するレベルに達していないか、各省の法律、業界法を知らないためであろうと、推定する。

なお、私自身は、官庁文書で読んで理解できない場合、当該官庁に電話で問合せることにしている。(特にパブリックコメント事案。)

論理的飛躍はあるかもしれないが、こういう流れで官界の重層的な文書作成と意思決定を理解すると、実務的に重層的でない職種である、学者、ジャーナリスト、小説家、放送作家出身者に、保守系団体を主導し、官界を動かすスキル、ポテンシャルがあるとはとても思えない。
過去10年間、在特会、頑張れ日本、日心会(徳育的なものを指向?)が、成果的に皆無だったのは、官界が受け入れるレベルの陳情文書が作成できなかったためであろう、と推定する。
日本会議はどうか?国会議員、地方議員が中枢に居るので、実現したいことは実現できたということ。





■無能な官僚

無能さという視点で言うと、環境省が最も無能と私はみている。
国立公園満喫化プロジェクトを読めば、自然環境対策上、後回しにされてきたことがはっきり書いてある。

||||| ここから引用開始 |||||||||||||||||||||||||||||||||||

http://www.env.go.jp/guide/budget/2019/19juten-sesakushu/040.pdf
国立公園満喫プロジェクト.jpg


||||| ここまで引用 |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||

何が後回しにされてきたか?読めばわかるはずだ。

環境省が本来、全力でやるべきことを後回しにして、レジ袋の有料化に傾注するのは、この官庁の力量の無さの証左である。
環境省は、他人のふんどしで相撲を取りたがるという省癖がある。これを治さない限り、環境省の評価は上がることはない。目の前にある最大の懸案を見てみぬふりをして、やっつけやすいレジ袋、、、笑わせるなと言いたい。

出来の悪い部下と同じ挙動なのである。新米の大臣がセクシー云々、語って許される状況にはない。




無能な仕事ぶりは、他の省庁でも露見した。

最近下火となったが、原子力全廃騒動を振り返りたい。
東京電力福島原発災害に際して言うと、菅首相に煽られ、エネルギー長期需給見通し(ビジョン的なもの)、供給計画(長期計画的なもの、年度計画的なもの)の前例を無視、目先示された首相指示を追いかけ過ぎ、長期的視点に立つのではなく、目先太陽光発電のみを最優先で扱い、結果、杜撰な管理実態の太陽光発電設備が各地で激増することとなった。
今からでも遅くはない。杜撰な管理実態の設備は、各自スマホで撮影、各地の資源エネ庁の出先に通報、対処を求めるべきと思う。私はそうしている。

加えて、同時期、資源エネルギー庁にて再生エネルギー担当課が新設され、固定価格の再エネコストを負担するために、庶民が再エネ賦課金を支払うこととなった。実は、この再エネ賦課金、深夜電力消費分についても負担させられている。
再エネの大部分が、昼間しか発電しない太陽光発電であるのに、なぜ深夜電力消費分に賦課金が課せられるのか、偏差値40レベルのお馬鹿官僚が考えた賦課金制度と言うしかない。
昼間しか発電しない設備の賦課金なのだから、消費者負担は昼間分だけであるべきはずだが。
従って、行政措置上の矛盾から、我が国の省エネ政策が破綻したことを意味する。
それでも、資源エネルギー庁は、省エネ予算を確保、例年の如く予算支出している。教育・研修関係の予算も含まれている。省エネとは高コストのエネルギーを消費しないことを前提としていたはずであるが、なぜかKWH40円もの太陽光発電を固定価格で買い取りしている時点で、省エネ政策など無意味なものとなった。
加えて、以前なら、深夜電力は、負荷平準化目的で国家規模の省エネ手法と位置付けられてきたはずだが、深夜電力の賦課金設定により、深夜電力の位置づけが、エネルギー政策上不明確となった。
高コストの再エネ賦課金を深夜電力消費分に課し、深夜電力の省エネ上の位置づけを曖昧にし、それでも省エネ教育・研修予算は必要なのか?

笑わせないで欲しい!

教育・研修が必要なのは、これらエネルギー政策に係わる官僚たちの方ではないのか。
最終的に、再エネ賦課金単価が下がり、再エネの大部分が入札対象となった時点で、再エネ担当部署は一旦廃止すべきである。これ以上、エネルギー政策上の矛盾は発生させてはならない。菅首相は、我が国のエネルギー政策の根幹をぶち壊し、官僚は従わざるを得ず、その結果、頭の悪い保身しか考えない官僚たちが、エネルギー政策を破綻させたのである。




一方で、原子力規制委員会は、ありもしない許認可上の法律的根拠により、事業者に強権発動する事態(許認可上提出義務が明確に示されていない、原子力規制委員会委員が求める技術説明文書を完璧なレベルで提出しない限り、再稼働を認めない)が続いている。

原子力規制委員会委員たちは、自らの許認可行政の不明さを恥じるべきである。

―― 参考情報 ――――――――――

【櫻井よしこ 美しき勁き国へ】原発、規制委は猛省せよ
https://www.sankei.com/life/news/191007/lif1910070004-n1.html

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原子力規制委員会委員たちは、自身が国会で1カ月くらい缶詰で証人喚問されるか、行政訴訟提起されても文句は言えないくらいの異常な許認可対応していることに気づいているのか?

こうなってしまったのは、原子力行政・規制・プラント全体を俯瞰できる人を原子力規制委員会委員に任命しなかったことが原因である。櫻井よしこが問題視している委員は、有識者会合レベルに参加することが求められる程度の特定の専門分野のみに精通した人材であり、広く原子力行政・規制・プラント全体を理解している人材ではない。

許認可上の規定のない事項を事業者に対して説明義務として押し付ける、許認可行政の実務を知らない馬鹿(この場合は、原子力規制委員会委員を指す)を、原子力規制委員会委員に選んでいいのかということなのである。

明らかに、原子力行政の汚点である。

行政手続法のパンフレットを一読したところ、一国民として、行政手続法の手続きに沿った許認可対応なのか、そうでないのか、原子力規制委員会に対し、下記4項目について問合せることくらいは可能との結論に達した。

問合せ事項は以下の4点。

①原子力再稼働不許可は、法律的にみて行政指導なのか、そうでないのか
②原子力規制委員会としての行政指導ならば、当然規制上の根拠があるはずだが原子力規制上どの法律のどの条項が該当するのか
③原子力規制委員会委員による(再稼働許可に係わる)技術調査要求について、原子力規制に係わる法律上の根拠はあるのか
④事業者が行政手続法に基づき、異議申し立てした場合はどうするつもりか


―― 参考情報 ――――――――――

改正行政手続法リーフレットPDF
http://www.soumu.go.jp/main_content/000349829.pdf

http://www.soumu.go.jp/main_content/000349830.pdf
行政手続法.jpg

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行政手続法に詳しい方、チャレンジする価値はあると思う。しかるべき団体名で問い合わせると、政治的効果絶大と考える次第。


以上


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