意思決定に必要なスキル

本稿は、陳情書を提出した経験に基づき、気がついたことを述べるもの。




政治ブログの世界、一言で言うと百花繚乱。
目的、意識、スタイルさまざま。その一つ一つについて論評する気はない。

ただ、批判することだけで政治活動した気になっている方が多いことが気になっている。
当然のことだが、批判だけでは何も実現しない。

何が足りないのか?




まず、スキル的な面から述べさせていただく。

以下の原稿では、公の論理を見い出し、陳情書にて述べれば、手応えは得られるはずであると書いた。

―― 参考情報 ――――――――――

「保守・愛国」よりも重要な政治的概念
http://sokokuhanihon.seesaa.net/article/465452375.html

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要望・陳情文書に必要なのは、①公(おおやけ)の論理、②シナリオ、③読みやすい文体、④言葉(用語や意味のわかりやすさ)、④事実情報である。




櫻井よしこが評価されるのは、スキル的に③、④が突出し、一般受けしやすいからである。
ただし、①は素人受けする論理。不可解なのは、陳情文書を出せる立場にいるのに、あまり具体的事案に係わろうとしないことである。斜に構えて眺めると、評論活動とは、いささか功利的な世界に見えるのである。

百田尚樹が小説家として評価されるのは、出版社の営業PRの他に、②、③の組み立てのうまさであろうと思う。しかし、ベストセラーとなった歴史書のまえがき、あとがきを読んでみると、①にはあまり関心がなさそうである。池袋のご老人の起こした交通事故についてのツイッターコメントを読んだことがあるが、問題意識が浅すぎ、官界が対応を変えるとは思えない。(稟議書の提案理由に相当する論理が示されていないという意味)
中川八洋については、他の言論人との比較となるが、政治思想面で①が突出している。②、③は水準以上。エキセントリックな言論はあるが、論理の点では圧倒的存在と思う。
小坪しんや議員は、外国人扶養控除問題など、④を重要視した活動を行っている。事実情報を押さえているがゆえに説得力ある主張が多い。

拙ブログ管理人は、皆様お気づきのとおり、稟議書文書審査の視点で陳情書のあり方について何度か述べてきた。




政界では、このスキルに突出していると思われる議員に磯崎陽輔元議員がいる。議員になる前(退官前)に以下のような官界向けのノウハウ本を出した。

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https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A4%92%E5%B4%8E%E9%99%BD%E8%BC%94

『公務員のための公用文の書き方』(良書普及会、2002年)
『分かりやすい公用文の書き方』(ぎょうせい、2004年)
『武力攻撃事態対処法の読み方』(ぎょうせい、2004年)
『国民保護法の読み方』(時事通信出版局、2004年)
『分かりやすい法律・条例の書き方』(ぎょうせい、2006年)

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文章がスラスラ書けるから、かようなノウハウ本を出せるということ。稟議書を書くこともお手の物。文章力では、故人では、官房長官を務めた町村信孝議員の議員ブログの文章は凄かった。(今は公開されていない)水が自然に流れるが如く、スラスラ書いていた感じである。




ここで、首相スピーチ原稿を担当した方の見解を参照したい。

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安倍晋三の真実
谷口智彦

少し前までは秘書官直属の、とある若手官僚が主ととして担っていて、その彼があまりにも優秀なので、異例の人事として秘書官に抜擢されてからは、彼と、今度その彼の下について別の女性少壮官僚とが主に担う、というように、やや流動的だからです。
秘書官は、慣例的に政務担当1人、事務担当5~6名で構成されていますが、彼らは総理官邸の5階の、総理大臣執務室に隣接する部屋に控えており、内閣総理大臣を常に「形影相伴うごとく」付き従って、総理の所用にいつも先回りして備え、仕事を円滑にしています。

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首相業務を首相の立場になって影武者として代弁、行動しているやり手官僚たちは、「総理の所用にいつも先回りして備えている」としている。

行間から読み取れることだが、これら秘書官たちは、各省庁に対し、日常的かつ、個別具体的に指示を出している可能性が非常に高い。各省庁に対して、こういう趣旨の稟議書を起案し決裁して欲しいと述べるくらいのことは朝飯前だろうと思う。



すなわち、公(おおやけ)の論理についての、文章がスラスラ書けるということは、意思決定できるスキルを保持している(成果が出る確率が高い、陳情書が書ける)と解することができるのである。

以上

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