まず最初に、拙ブログは、一応親米である。そして、公開されている情報に限定した分析であることをことわっておきたい。
今回は2つの事例から読み取れることについて、客観的スタンスで読み取れることを記述する。
■事例1 ウイキーリークスの暴露情報に係わる、産経報道から読み取れること
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米政府が日本企業、官庁の電話盗聴か 日銀、三菱商事、三井物産… ウィキリークスが機密文書を暴露
http://www.sankei.com/world/news/150731/wor1507310044-n1.html
内部告発サイト「ウィキリークス」は31日、米国家安全保障局(NSA)が日本の内閣官房や経済産業省をはじめとする中央省庁、日銀など35カ所を対象とした盗聴で得たとする機密文書の一部をインターネット上に公表したと発表した。
ウィキリークスによると、機密情報は電話を盗聴する手法で収集され、盗聴活動は少なくとも第1次安倍政権時代にまでさかのぼるという。盗聴の対象には、菅義偉(すがよしひで)官房長官や黒田東彦・日銀総裁、三菱商事や三井物産など民間企業の電話も含まれていた。
公開された機密文書は5つで、うち3つが気候変動問題、2つが農産物などの貿易交渉に関する報告書。このうち07年の報告書は、同年4月の安倍晋三首相の渡米に際し、日本側が打ち出そうとした「温室効果ガス排出量を50年までに半減する」との目標を事前に米側に伝達するかどうかをめぐる政府内の検討状況が記録されていた。経産省や外務省の盗聴情報を基にまとめられたとみられる。
ウィキリークスは、報告書の一部をオーストラリア、カナダ、英国、ニュージーランドの4カ国が共有していた可能性があると指摘している。
一方、日本政府は事実関係の確認を急ぐ方針だ。政府高官は31日、「(公開された文書の)中身を精査してから対応を考える」と語った。別の政府高官は「情報の世界では、首相や閣僚は盗聴されていることが当然だと思って対応するのが普通だ」と述べ、殊更に問題視しない考えを示した。
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一見何の変哲もない記事だが、CIA東京支局の活動について、読み取れる部分、推測しうる部分がある。
まず、電話盗聴であるが、電話会社の協力なくして不可能であることだ。あるいは、総務省かNTTの研究所にそういうスキルに長けた人がいるということなのだろう。
アメリカ政府が、三公社五現業について、一時期、政府調達にこだわった時期があったが、ひょっとすると、盗聴しやすい電話交換機の日本への輸出を考慮したものだったのかもしれない。
あるいは、こういう見方ができよう。国際電話回線の一部が完全に、そういう用途目的で設計・使用されている可能性がある。アメリカの電話会社は、そういう会社と思った方がいいだろう。
そして、我々が気づくべきことが一つある。なぜ、NTTが民営化されたか、民営化されなければならなかったのか、についてである。民営化されたので、盗聴のためのエージェントが確保しやすくなった、という意味である。それ以前は、ガードが堅く、できなかった可能性があるのだ。
次に、日銀が盗聴対象とされていたのは、国際金融資本からの要請、すなわち金融政策に先行して投機活動を行うためであった可能性を指摘する。もし、そうだった場合、CIA東京支局は、国際金融資本の私兵という顔を持つことになる。
また、三菱商事、三井物産が盗聴対象とされていると書いてあるが、もともとこの二社については、業務の性格上、エージェント要員がいるはずだとみており、エージェントからの情報に基づいて、エージェントが配属されていない部署の特定の人物を対象に盗聴が仕掛けられた可能性を指摘する。
なお、気候変動事案については、国際石油資本が知りたがっていた重要情報である。日本がどの程度、エネルギー源を原発シフトするのか、そうでないのか、彼らは政府発表前に知りたがっていたはずだ。すなわち、陰謀論的シナリオで考えると、東電福島原発の事故発生のかなり前に、彼らは地震兵器の活用を検討し、世界各地で試し、その仕上げを東北沖で行ったかもしれない動機があるのだ。目的は、日本を犠牲にして、世界中を脱原発政策に移行させるためであろう。
なお、「報告書の一部をオーストラリア、カナダ、英国、ニュージーランドの4カ国が共有していた可能性がある」と書いてあるが、情報が販売されたことを意味すると私は理解する。情報を販売することで活動資金を得たということである。
次に、春名幹男というジャーナリストが書いた、「秘密のファイル CIAの対日工作 下」という本の中から、CIA東京支局に係わる、客観情報に直結しそうな記述を、分野別に整理し直して、列挙させていただく。
■事例2 「秘密のファイル CIAの対日工作 下」から読み取れること
(秘密活動)
CIA東京支局の機構や活動は極秘で、明るみに出ることはほとんどない。(351頁)
CIA要員は「影の戦士」とも呼ばれ、素顔を見えることはめったにない。(355頁)
CIA要員は、その存在自体が秘密であり、何らかの形で偽装する。それを、「カバー」と呼ぶ。主として、(1)外交官カバー、(2)軍人カバー、(3)民間人カバーの三種類がある(358~359頁)
(秘密活動について、読み取れること)
なぜ、敢えて秘密活動するのか?
推測となるが、違法な活動が含まれていること、情報提供先に、知られては困る組織(例:国際金融資本、国際石油資本)が存在すると、私は理解している。
秘密活動するということは、世界支配層の私兵であることが知られては困ると、私は理解している。
(要員の素性)
最も人数が多いのは、(2)の軍人カバー(360頁)
在京要員の中で、最も機密度の高いのは民間偽装要員(NOC)だ。NOCとは、米企業や団体、研究所の日本駐在スタッフを装ったCIA要員のことである。(360頁)
ハリントン(CIA東京支局長になった人物)は一九七〇年代、ワシントンの在米日本大使館に、「嘱託」として勤務していたのである。(357頁)
CIA東京支局長の人事異動は常に、ひそかに行われる(355頁)
(要員の素性から、読み取れること)
軍人カバーが多いことは、接触したい日本人ターゲットの性格からそうなっていると理解する。あるいは、日本在住の共産スパイ摘発を意図した配置かもしれない。
ハリントンなる人物がいたせいで、日本が、貿易交渉の場で、アメリカ政府にしてやられたことが理解できそうである。
(要員数)
東京支局は冷戦時代から、ドイツのボン、メキシコ市の各支局と並ぶ最大級の勢力を誇る(352頁)
CIA要員は日本国内では東京のほか、大阪総領事館、横田、横須賀の基地などにも配置されている。(352頁)
「ケースオフィサー」と呼ばれる、CIAのキャリア要員は一九八〇年代初めまで、百人以上いた。(352頁)
ベトナム戦争が激しかったころは、日本に総勢二百人程度いたかもしれない(352頁)
冷戦終結に伴う予算削減で、現在の在日CIA要員数は、約六十人と推定されている。(353頁)
在日NOCは、冷戦時代には1ダース(十二人)程度、現在では半ダース(六人)程度に減っている。(361頁)
(要員数から読み取れること)
少なく見積もって、エージェントOBで1000人くらい、現役エージェントで500人くらいはいそうな感じである。
(ノーマーク)
日本国内では、CIAはまさにノーマークなのだ。(351頁)
日本は、CIAが最も自由な活動を展開できる国なのだ(351頁)
(ノーマークから読み取れること)
ノーマークとしたい理由があって、ノーマークが継続されているのであろう。直観することは、カネ儲けの手段という意味においてノーマークでありたいのでろう。
(エージェントの素性)
ハリントン、ヘラルドら「分析畑」の東京支局長が続き、「工作畑」の要員を募っていた。(358頁)
工作担当の各要員は、一人当たり五人程度のエージェント(情報協力者)を抱えるのが普通だ。(361頁)
エージェントには日本の政治家、官僚、商社員らが含まれる。(361頁)
エージェントには、自民党の議員もいれば、社会党の議員もいる。(362頁)
(エージェントの素性から読み取れること)
分析と工作、両面の意味を持つ組織であることがわかる。工作とは何を意図していたのか、推定したいが、情報がなく、書けない。(残念)
社会党議員のエージェントがいるということは、逆に言うと、現時点において、中韓になびく左翼勢力がエージェントである可能性があるということだ。つまり、CIA→KCIAチャンネルが存在し、慰安婦問題をこのチャンネルでけしかけた可能性を予見するのである。
(情報収集項目)
日本在住のアメリカ人ビジネスマンからも情報を得ている。(361頁)
党の方針などに関する情報を得た。(362頁)
一九七〇年代以来、日本の技術や経済交渉の態度に関する情報も重要になった。(362頁)
米中央情報局(CIA)は在京要員に対して、日本のハイテク技術調査、貿易交渉での日本側の交渉態度を探るよう命じた。(365頁)
「技術情報では、各種新素材、半導体、高品位テレビ(HDTV)、ロケット、通信、原子力など、企業としては、セラミックスの京セラ、シャドーマスク技術を持つ大日本印刷のほか、人工衛星技術を持つ宇宙開発事業団や三菱重工、石川島播磨工業なども調べた」(365頁)
一九八〇年代の牛肉・オレンジ自由化交渉では、農林水産省内部の情報提供者から最終譲歩リストを入手していた、と元米政府高官は認めた。(365頁)
一九九五年の日米自動車交渉でもCIAは、「盗聴技術も駆使して日本側の情報を集めた」とニューヨーク・タイムズ紙は報じた。(366頁)
(情報収集項目から読み取れること)
アメリカ軍事産業への情報提供目的で、軍事転用技術を収集した可能性がある。それによって、アメリカCIA本部は、報酬をアメリカ軍事産業から得て、活動資金としたかもしれない。
同じことは、牛肉、オレンジ自由化交渉、自動車交渉にも当てはまる。情報組織なのであるから、表向きの予算とは別に、組織を維持するための金づるを必要とし、工作機関という性格を持つ以上、当然である。
しかし、それを日本の国富に求め、日本を弱体化させる結果をもたらしてきた可能性があることに、日本人は敏感に反応すべきだったかもしれない。
(エージェントが受け取る報酬)
給料は、CIA本部→NOC受け入れ企業→東京事務所という形で受け取る(361頁)
報酬は八〇年代当時で月二十万~三十万円だったという(361~362頁)
(エージェントが受け取る報酬から読み取れること)
報酬額としての額から、エージェントとなった人が、奥さんに内緒で自由に使える小遣いを入手したことがわかる。
次稿では、本稿での推測を積み重ね、まとめとして推定できることを記す。
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