「悠仁天皇と皇室典範」(中川八洋)のあとがきにて、憲法学界が「皇位継承学」の学者を絶滅させることに成功したと書いてある。
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330~331頁
あとがき『皇位継承学概論』を書き終えて
日本の憲法学界は、天皇制廃止を絶対信条とする共産党学者が過半を占め、これらの学者たちが、憲法学説と出版とを独裁的に「検閲」する、そのような情況下にあります。このため、皇位継承に関する適当な教科書が一冊としてありません。
皇位を未来に安定的に護持していく”皇位継承の学”の存在は、皇位が連続せず切断されてその廃絶をきたすようにする天皇制廃止のドグマにとって、逆行する障害物となるから、断じて許さない、というわけです。実際にも、正しい”皇位継承の学”の研究は、学界では徹底した妨害の嵐を招き、発表の機会すらありません。こんな情況では、当然、若手研究者、このテーマを選択することがありません。
このため、皇位継承学の専門家が、戦後六十年間、ついに一人も育つことがありませんでした。
中略
私が、皇位継承学の概説的な教科書を書こうと思うようになったのは、このような極度に偏った憲法学界の異様な現実に抗して、僅かでも正常かつ学術的な知見を復活させたいとの願いからでした。昭和天皇の崩御(一九八九年頭)から今上陛下のご即位の大礼(一九九〇年秋)にかけての頃でした。
この概説的な教科書は、必然的に、(伊藤博文の名前で出版された)井上毅の『皇室典範義解』を二十一世紀の日本人にも読めるように書き直したものでなければなりませんから、どうしても、井上毅という、明治日本随意つの碩学の前に、自分の非力と浅学を懼れて、たじろいでしまいます。いつしか、のびのびになってしまいました。
しかし、コミュニストの園部逸夫が、”天皇制二○四五年廃絶学”ともいうべき、共産党の新しい天皇制廃止の公式理論を『皇室法概論』という名で出版した二○○二年四月、そのひどさに、その洗脳力の高さに、学なかばでも剣を抜く時と覚悟して『皇位継承学概論』の執筆を決意しました。ただ、本格的に開始したのは、二○○四年十一月、奇しくも、この園部逸夫が座長代理を務める「皇室典範有識者会議」が設置された、その一ケ月前でした。この「会議」設置の報を聞いたとき、園部の『皇室法概論』の全否定を世に問うことなくしては、皇統の断絶が不可避に至る”日本の危機”が、この「有識者会議」によって確実に到来すると、一層つよく痛感しました。
以下略
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「悠仁天皇と皇室典範」が刊行されたのは2007年。
中川八洋の説が事実とすれば、学問的に根絶させられたことを意味する。
ちなみに「皇位継承学」で検索しても、専門学者的記述は見当たらない。
(専門ではない)中川八洋が検索のトップでヒットしてしまうのである。
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https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%AD%E5%B7%9D%E5%85%AB%E6%B4%8B
中川 八洋(なかがわ やつひろ、1945年1月20日 - )は、日本の政治学者、保守主義者。筑波大学名誉教授。外交史・戦史を含む国際政治学、英米系政治哲学および憲法思想、“皇位継承学”など。
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https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1290076867
現代日本における皇位継承学の碩学は誰だと思いますか? 私は中川・新田両先生だと...
ftl66glqergさん2012/7/219:30:03
現代日本における皇位継承学の碩学は誰だと思いますか?
私は中川・新田両先生だと思います
閲覧数:167 回答数:1 違反報告
dotukiyadaさん 2012/7/800:12:43
中川八洋氏と、新田均氏にございますね。主様がおっしゃるならば、否定は致しませんですが。
ただ、私個人としましては、当事者の一人であり、旧皇族であり、著名人でもある竹田恒泰氏も、捨てがたいものがあるとは思いますですが。
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https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%96%B0%E7%94%B0%E5%9D%87
新田 均(にった ひとし、1958年6月19日 - )は、日本の歴史学者・神道学者。皇學館大学現代日本社会学部教授。専門は日本近代政教関係史。
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ということは、現時点において、皇位継承学専門の学者は、存在せず、それ以外の領域の学者が「皇位継承学なる学問を支えようとしていることを意味する。
つまり、中川八洋が、小泉政権時代、皇室典範改正の検討作業に際して、危機感を持ち、皇位継承に係わる本
「皇統断絶―女性天皇は、皇室の終焉」2005
「女性天皇は皇室廃絶―男系男子天皇を、奉戴せよ」2006
「悠仁天皇と皇室典範」2007
以上三冊を相次いで刊行したのはやむにやまれぬ動機からのものであったことであることを意味する。それから少し遅れて、竹田恒泰が著作活動を開始
「語られなかった皇族たちの真実 若き末裔が初めて明かす「皇室が2000年続いた理由」」2006
があったのは、皇室廃絶の危機に対抗しようとするものであったことを示している。
「語られなかった皇族たちの真実」には、旧宮家の方々の皇籍復帰意思についてこう書いてある。
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232~233頁
もし旧皇族といわれる十一の宮家の子孫が皇族に復帰することと、皇統断絶が直接結びつくような状況が生じたならば、皇室の尊厳と存在意義を守り抜くために、旧皇族の男系男子は責任を感じなくてはならない。
男系継承の可能性がある現状において女系天皇を議論するというのは、余りに時期尚早であり、万世一系を冒涜する考え方である。今は男系継承の可能性を模索する時期であり、女系天皇を誕生させるための制度の改革に着手してはいけないと私は考える。
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つまり、竹田恒泰は、この一文をこの本に紛れ込ませることによって、小泉政権時代の有識者会議での女系天皇容認の結論の一撃粉砕を試みたのである。
―― 参考情報 ――――――――――
「女系天皇」白紙へ・安倍首相・有識者会議に疑念 第一次安倍政権
https://blogs.yahoo.co.jp/deliciousicecoffee/10672793.html
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その皇室典範改正作業、そう簡単ではない。テクニック的には、かなり難渋する作業であるようだ。
―― 参考情報 ――――――――――
皇室典範はガラス細工だった! 称号は? お住まいは? 一つ変えれば玉突きで… 法改正作業は難航も
http://www.sankei.com/premium/news/161010/prm1610100021-n1.html
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皇位継承学専門の学者が絶滅している状況で、皇室典範改正することは、まかり間違えば、(学問的に間違っていることでも)政治主導で如何ようにも書き換えられることを意味する。
ちなみに、「悠仁天皇と皇室典範」にはこう書いてある。
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19~23頁
皇室典範については、GHQは寛容で、日本側が九九%の自由度をもつ改正となった。ところが、現・皇室典範は、GHQ案の強制であった現・憲法と同様に、さも「GHQ案」を飲まされたかのように、想像上の虚偽を吹聴する民族系論客がいる。反米感情からの、法制史を無視した”歴史の偽造”である。現・皇室典範に関しては「GHQ案」など、幽霊だからどこにもない。
中略
このような”歴史の捏造”は、ささいな無知として看破してはいけない。それが、日本側の共産主義者やマルクス・レーニン主義者たちが、戦中・戦後に、全力を掲げて実行してきた日本共産化革命のおぞましい活動の歴史事実を完全に隠蔽しているからである。民族系論客は、日本の共産主義者たちがなした「日本の共産革命」の策謀の全てを、GHQ(米国)に転嫁して、彼ら極左の”悪の所業”を不問とし、彼等の「犯罪」を擁護することにおいて、日本の共産主義革命勢力の温存に多大に協力した”共産党の別動隊”である。
中略
天皇制度の廃止への動きは、GHQよりも日本側の方がはるかに露骨で激しかった。
中略
「昭和天皇の戦争責任」問題でも、GHQはすぐに不問とした。が、日本側には戦後六十年以上、今でもなお追及し続けているものがいる。
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戦後の皇室典範改正が、皇室解体を狙う共産主義の学者によるものだったと仮定した場合(おそらくそういうことではあろうが)を想定したい。
彼らは、皇室破壊の目的のために、共産主義者の学説による皇室典範改正作業をGHQに頼まれてもいないのに強硬に実施、改正することに成功、その後は、そのとんでもない学説を維持するために、憲法学界関係者が結託して、その後における皇位継承学の学問的根絶を狙い、学問的に根絶したことを確認?した後に、皇室典範改正を小泉政権時代に仕掛けたと考えれば、どうであろうか?
そう考えると、生前譲位に関連して、殊更、皇室典範改正が必要だと主張する政治家たちは、そういう目論見に乗っかっている、ということになる。
―― 参考情報 ――――――――――
民進党・枝野幸男氏、譲位特例法案採決を棄権「典範改正が筋」
http://www.sankei.com/life/news/170602/lif1706020048-n1.html
生前退位について 皇室典範改正の議論をすべき 細野豪志
http://www.huffingtonpost.jp/goshi-hosono/emperor-abdication_b_12463996.html
石破茂氏、譲位の法整備で皇室典範改正を主張 女系天皇の追求も
http://www.sankei.com/politics/news/170131/plt1701310038-n1.html
天皇の退位等についての意見 西田昌司
http://showyou.jp/free/index.html?id=2518
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石破茂、西田昌司両議員は、保守偽装議員ではないかという疑いをどう説明するのであろうか?ただ、石破茂が保守偽装議員であろうことは、最近の言動から、確定的である。
これら議員の皇室典範改正発言は、皇位継承学が学問的に絶滅状態にあること、現皇室典範がGHQに頼まれてもいないのに共産主義者たちが勝手に改正(改竄)したことを知っているうえでのものなのであろうか。
彼らは、ひょっとすると、政治的配慮によって、現皇室典範が改悪されることを期待しているかもしれない。
見方を変えたい。
学問的に絶滅させられた状況にあっても、市井の方々の努力で、明治時代の文献が読める。復刊したものもある。
―― 参考情報 ――――――――――
皇室典範義解 呉PASS出版で販売中
https://www.kure-pass.com/%E5%BE%A9%E5%88%BB%E5%87%BA%E7%89%88/
伊藤博文の皇室典範義解を読んでみよう
http://nikkojuku.com/category12/
■□■□■ 伊藤博文著『皇室典範義解』現代語訳(HISASHI)■□■□■
http://www.asahi-net.or.jp/~xx8f-ishr/tempan_gikai.htm
憲法義解
https://ja.wikipedia.org/wiki/憲法義解
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ここで、反撃の狼煙をあげたい。
憲法学界の総意を以て皇位継承学を絶滅させたことを知れば、我々も、報復措置として憲法学界を完全リストラを主張する権利くらいあっていいだろう。
憲法学界は報復されるに値することをしてしまったのである!
皇室解体を学界ぐるみで意図する憲法学者が国立大学に必要とは思えないのである!
国立大学文系学部リストラ論はかく補強されたのである。
そして、皇室が我が国国体、文化、伝統の核心であることを知っている前提で考えると、政治ブロガーであれば、皇室問題を扱うことは当然のこととなる。この時期、皇室系ブログのランキングが相次いで急上昇、トップ20に3件存在していること偶然ではなく、皇室問題の本質について覚醒しつつある保守層が激増している証左である。
かくいう私は、ノンポリ、にわか保守、3年前までは皇室問題に無知ではあったが、本稿を書き終えた時点で、今は亡き名ブロガー「花うさぎ」さんが皇室問題のテーマで警鐘を鳴らし続けた意味がやっと理解できたことを告白し、本稿を終える。
以上
この記事へのコメント
比企のおばあ
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水間政憲先生のブログで知りました。女性宮家反対、旧宮家皇籍復活を願う請願書を安倍首相に郵送すれば首相は天皇陛下に報告するシステムになっているそうです。現皇室の自堕落さはまことに憂慮すべきこと、日本の一大事です。国民の声として、女性宮家反対の請願書を作成し安倍さんに郵送するしか、庶民には方法がありません。100万を超える請願書が安倍首相にとどけば、この事案はかわるかもしれません。
管理人
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> 水間政憲先生のブログで知りました。女性宮家反対、旧宮家皇籍復活を願う請願書を安倍首相に郵送すれば首相は天皇陛下に報告するシステムになっているそうです。現皇室の自堕落さはまことに憂慮すべきこと、日本の一大事です。国民の声として、女性宮家反対の請願書を作成し安倍さんに郵送するしか、庶民には方法がありません。100万を超える請願書が安倍首相にとどけば、この事案はかわるかもしれません。
情報ありがとうございます。
近々、拡散原稿として転載予定です。