ビジネス界において、その業種において戦力足り得る人材はどれくらいの比率かと聞かれると、せいぜい10%であろうと思っている。
学界において、まともな大学の教官、どれくらいの比率でいるのかと聞かれると、こちらも10%と答えるようにしている。
官界においては、おそらく1%。
ジャーナリストの世界においても同様との認識である。
たとえば、以下のブログ記事で紹介される産経記者は、「叩くスキル」しか有しないようである。
―― 参考情報 ――――――――――
産経新聞よ お前もか! 辞任した稲田前防衛相を叩いて何の得がある
http://ponko69.blog118.fc2.com/blog-entry-4478.html
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拙ブログは、「批判文しか書けない(書かない)言論人」の原稿は読む必要がないことを指摘してきた。
一方、拙ブログは、稲田大臣辞任に係わっている防衛監察機能と権限から分析を試みた。
―― 参考情報 ――――――――――
防衛省日報問題 防衛省監察本部機能と権限が今のままでいいのか?
http://sokokuwanihon.blog.fc2.com/blog-entry-555.html
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防衛監察本部に取材すれば、もっと書けたかもしれないが、彼らが、朝雲や産経の記者には語っても、民間人の私に多くを語ることはないだろう。記者倶楽部制度の弊害を指摘せざるを得ない。当該記者は、調べようと思えば調べられる立場にいるのに、調べないで印象操作的な作文に走ったようである。
極東アジア情勢が戦争前夜の状況に刻一刻と近づいているという前提に立てば、防衛監察本部機能が、今のままで良かったのか、周辺状況を探りつつ、日報問題に係わる核心、将来起こり得る「避けて通れない問題」に迫れた、私はそう見ている。
さて、中川八洋は、櫻井よしこを批判している。
―― 参考情報 ――――――――――
安倍晋三に媚びて媚びて媚びまくる、祖国無き“エロス売女(ばいた)”櫻井よし子の売笑婦型オピニオン
http://nakagawayatsuhiro.hatenablog.com/entry/2017/07/28/130123
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櫻井よしこは、ジャーナリスト出身の言論人である。ビジネス社会での実務経験はない。
私は、中川八洋の過激な批判手法を好まないが、よくよく読んでいくと、櫻井よしこは、法律を知らず、法律の概念を知らない、と指摘している。
実際、櫻井よしこの原稿において、法律を引用しその条文の解釈について言及したものをあまり読んだことはない。それでいて、心構え的な文章が目立つ。テレビ受けする言論人ではある。
心構え的発言が多いのは、錯乱保守において目立つ現象である。愛国保守、真正保守、武士道、大和魂、特攻散華などなど。また、この分野では、オリジナルでないネタで一稼ぎを目論む、初心者向けのビジネス保守が最近増えている。
経験的に言えることだが、愛国者であればあるほど、自ら愛国者だと名乗るケースは稀である。私は、次世代の党支持者だったが、「日本の心」を語れる人、語っていい人は、厳選されるべきであり、三流以下の言論人の話を聞かされるのはたまったものではないという認識である。「日本のこころ」という党名、続けるべきではないと思う。
見方を変えたい。「齋藤充功」というノンフィクション作家がいる。経歴的には、ジャーナリストではないが、取材活動中心で歴史もの(昭和史)も手がけている。歴史学の本を読んでいる人には、インタビュースキルだけで歴史書を書こうとしているという評価となるだろう。
インタビュースキルだけで歴史書を書いている学者に竹前栄治がいる。天皇陛下の靖国参拝復活、宮中祭祀復活、男子宮家復活などに関心ある方は、竹前栄治が取材したアメリカ人たちの(帰国後の)言動について確かめておくべきだろう。
ここで、インタビュースキル偏重の弊害を指摘したい。インタビュースキルだけで色眼鏡で記事を書こうとすると何が起きるか?
―― 参考情報 ――――――――――
官房長官の記者会見が荒れている! 東京新聞社会部の記者が繰り出す野党議員のような質問で
http://www.sankei.com/premium/news/170729/prm1707290016-n1.html
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東京新聞社会部記者は、記者の職務上の役割とスキルを逸脱、インタビュースキルと色眼鏡だけで記事を書こうとしているようである。
冒頭で、まともな記者は、百人に一人いるかいないかと書いたが、朝日、毎日、中日、東京、信濃毎日、北海道や沖縄の二紙の記者のほとんどがそうなので、記者の大半は人間の●という評価にならざるを得ない。
そういう視点で、読売の以下の記事を眺めたい。
||||| ここから引用開始 |||||||||||||||||||||||||||||||||||
http://www.yomiuri.co.jp/national/20170728-OYT1T50185.html
陸自、日報データを組織的に隠蔽…特別防衛監察
2017年07月28日 23時16分
南スーダンの国連平和維持活動(PKO)に派遣された陸上自衛隊部隊の日報を巡る問題で、特別防衛監察の結果が28日公表され、防衛省が日報のデータを組織的に隠蔽いんぺいしていたことなどが明らかになった。
最大の焦点だった稲田防衛相(58)の関与については、陸自側からデータ保管に関する報告があった可能性に言及。ただ、関係者の説明が一致せず、明確な事実認定には至らなかった。稲田氏は一連の混乱の監督責任を取って辞任した。
稲田氏は同日の記者会見で、「防衛省・自衛隊の信頼を揺るがしたのは私の監督責任だ」などと述べ、給与1か月を返納するとともに、安倍首相に辞表を提出した。また、監察結果を受けて同省は、黒江哲郎・防衛次官(59)や岡部俊哉・陸上幕僚ばくりょう長(58)ら防衛省幹部計5人の懲戒処分を発表した。
(ここまで354文字 / 残り563文字)
2017年07月28日 23時16分
||||| ここまで引用 |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
この記事に書いてあること。単純に書くとこうなる。Aさんはこう言った。Bさんはこう言った程度の情報のみである。ただ、余計なことも書いていない。
が、記者倶楽部記者の特権として情報が配信され、伝聞情報であなたは満足するのか?稲田大臣は、安倍首相後継者と目された人物である。重要人物だと考えるなら、「なぜ組織的に隠蔽していた」という報告書になるのか、他に調べようがないのか、他に報告書の書きようがないのか、取材、調査すべきだった。
ここで、ブロガーとして、私がイメージしている調査分析活動を書いておく。
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調査分析活動の一例
・問題事象発生
・事実関係確認(インタビュー、報告書)
・問題分析
・周辺状況調査(法律、組織、経緯他)
・情勢分析、将来予測
・対策立案
・実施計画
・政策提言
・陳情活動
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
拙ブログは、物事をすべて否定的に考えず、建設的視点から改善点がないか、という視点を出稿してきた。
本稿で紹介したジャーナリスト・言論人たちが、如何に狭い視野で、取材調査活動にあたっているか、上記の項目を満たす、一気通貫で書かれた記事を読んだことがほとんどない。
では、産経阿比留記者についてどう思っているか?
その評価を知りたい方が多いと思われるので書いておく。
講演を一度拝聴、記事も何本か読んだ。講演の話ぶりから、年齢の割りに子供っぽい人という印象がある。慰安婦問題については、問題意識があったようで、切れ味鋭い記事を読まさせていただいた。
私の評価は、こうなる。勢いで文章を書いてしまう印象が強い。それは講演の際の話しぶりからも判断しうる。が、特段優秀な記者という評価ではない。が、新聞記者としてごく普通の職業上求められる記事を書いているという評価である。要するに、朝日、毎日、中日、東京、信濃毎日、北海道、沖縄の二紙の記者たちが、インタビュー中心、色眼鏡で当該事象を記事にしようとしているのと比較し、極めてまともに見える、そういうことなのである。
高校時代の一時期、男子クラスに居た関係で男女クラスの女の子が美人に見えたことを経験したことがあるが、朝日、毎日、中日、東京、信濃毎日、北海道、沖縄の二紙に棲息するトンデモナイ記者たちのせいで、普通の水準の記者が「記者の鑑」の如く崇められ、ジャーナリストに本来求められるスキル、見識までも歪められているとしたら、残念なことである。
以上
この記事へのコメント
Suica割
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そもそも、出すべきだったのか?(野田政権の問題。自民党にもその当時の意見と照らし合わせ、問題があるかどうかの検討が必要。)
撤退について、判断が遅かったのでは?
国連の活動への参加の際は、武力攻撃への反撃の範囲を広くとるべきだったのではないか?(反撃は容認するが、撤退行動をすぐにとる。撤退表明している友軍は助けることができる。その程度は出来るべきだったのではないか)
日報より大事な問題にはどこも触れていませんね。
通りすがり
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保守陣営に対して歯痒い思いをされているのを感じます。
ではどうするか。
効率よく品質の高い陳情書を誰でも作成できるようにするには、スキルを保有する人が作業内容と文書構成を定型化し、それを真似てもらうことではないかと思います。
保守陣営のスキル向上を待つのではなく(待っても変わらないことは現状が証明済み)、フォーマットを提示するというのは如何でしょうか。
保守陣営の現状を変えたいとお思いとの前提でコメントさせていただきましたので、違っていればスルーしてください。
管理人
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> そもそも、出すべきだったのか?(野田政権の問題。自民党にもその当時の意見と照らし合わせ、問題があるかどうかの検討が必要。)
>
> 撤退について、判断が遅かったのでは?
>
> 国連の活動への参加の際は、武力攻撃への反撃の範囲を広くとるべきだったのではないか?(反撃は容認するが、撤退行動をすぐにとる。撤退表明している友軍は助けることができる。その程度は出来るべきだったのではないか)
>
>
> 日報より大事な問題にはどこも触れていませんね。
そういうことになります。
そもそも大臣は、就任直後、そして南スーダン訪問の時から、注意を払っていなかった、印象があります。
もしかすると、安倍首相は、事情を掴んでいて、最悪の事態を避けるべく稲田大臣を指名したかもしれません。
稲田大臣にとっては苦い経験ですが。
管理人
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> 保守陣営に対して歯痒い思いをされているのを感じます。
> ではどうするか。
> 効率よく品質の高い陳情書を誰でも作成できるようにするには、スキルを保有する人が作業内容と文書構成を定型化し、それを真似てもらうことではないかと思います。
> 保守陣営のスキル向上を待つのではなく(待っても変わらないことは現状が証明済み)、フォーマットを提示するというのは如何でしょうか。
> 保守陣営の現状を変えたいとお思いとの前提でコメントさせていただきましたので、違っていればスルーしてください。
ご指摘のとおりだと思います。
ブログにて、まとめ的に再掲してあるのは、どなたか陳情文書作成する際の参考になればとの意図によるものです。