本稿、あるテレビドラマを見て、得られたヒントから、シナリオ化を試みたもの。半分妄想だと思って構わない。が、起こり得る可能性は十分にある。
それは、安倍首相という人物が、政治家としてファジーかつソフトランデイングスキルに長けていること、小池百合子が政治家として表も裏も見え戦略眼かつ度胸もある平成極道の女であるからだ。
この二人なら、テレビドラマの放送作家も書けないようなシナリオでのやり取りがあっても不思議ではない、私はそうみている。
安倍晋三という男、とことん選挙に強い。
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http://military38.com/archives/50959286.html
2012年総選挙 3分の2超圧勝 安倍総裁 石破幹事長
2013年通常選挙 3分の2超圧勝 安倍総裁 石破幹事長
2014年総選挙 3分の2超圧勝 安倍総裁 谷垣幹事長
2016年通常選挙 大勝参院3分の2 安倍総裁 谷垣幹事長
2017年総選挙 3分の2超圧勝 安倍総裁 二階幹事長
安倍晋三 憲政史上最強の男
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総裁選挙を含め、連戦連勝、とても偶然とは思えない。
選挙のスペシャリストがいて、投票動向を一早く正確にキャッチ、適切な選挙戦略を選択、戦術的にも間違いのない方策を実施し、選挙に臨んだ結果ではないかと思う。
今回の選挙戦、安倍首相は勝敗ラインを233議席だとした。
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http://www.sankei.com/politics/news/170925/plt1709250085-n1.html
安倍晋三首相、衆院選勝敗ラインは「与党で過半数」
安倍晋三首相は記者会見で、衆院選の勝敗ラインについて「与党で過半数だ。233議席以上を取りたい」と述べた。
http://www.sankei.com/politics/news/171023/plt1710230276-n1.html
安倍晋三首相が記者会見「目標大きく上回る力強い支持得た」
安倍晋三首相(自民党総裁)は23日、党本部で記者会見し、自民党が大勝した衆院選の結果について「目標を大きく上回る力強い支持を得られた」と語った。政権課題に関しては「少子高齢化への対応がアベノミクス最大の挑戦だ」と述べた。
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この233議席が勝敗ラインであるという話を聞いた時、誰もが意外な低さに驚いたはずだ。
が、この見立ては間違っていない。都議会選挙のように投票率が上昇した場合、自民党の獲得議席は過半数スレスレと読んだと私は解した。
よって、拙ブログは、今回の選挙の最大の注目点は、投票率にあるとの仮説を立てた。
―― 参考情報 ――――――――――
衆議院選挙「希望の党」の獲得票予測 投票率がすべての鍵を握る?
http://sokokuwanihon.blog.fc2.com/blog-entry-675.html
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結果は、低投票率となったので、安倍自民党は改選前の議席を維持できた。
この結果について、各自民党候補者が頑張った結果であると多くの人は思ったに違いない。
ここで、選挙前の政治情勢を振り返りたい。
・解散決断直前の精力的な首脳外交の実施(特に9月)
・北朝鮮問題で事態が逼迫する前に総選挙を敢行、国難選挙と名付けた
・対する野党は、総選挙の準備に入っておらず、不意打ちを喰らった様子
総選挙の時期の選定については、投票日に小池百合子が日本にいない日を選んだ?
・自民支持層は、首相の解散決断、国難選挙だとする意図を好意的に受け止めたものの、唯一の懸念材料は、都議会選挙で圧勝した小池百合子の動き
政権中枢は、こう想定したに違いない。
・投票率が都議会選挙の時のように、前回よりも上がれば、自民党の獲得議席は前回よりも大幅に減少すると予想。
・他方、前回並かそれ以下になれば、自民党の獲得議席は改選前と同レベルと推定
案の上、首相が解散決断した途端、小池百合子とその周辺の動きが活発化、メデイアはその動きに釘づけとなり、小池百合子発のワンフレーズのひと声が連日、新聞・テレビを賑わした。
この時点で、安倍首相として選挙の勝敗ラインは過半数越えとしたのは妥当な判断となる。致し方ない。
その後、希望の党への失望感が日を追う毎に拡大、保守からも左翼からもマスコミからも攻撃対象となり、希望の党は完全失速状態で投票日を迎えた。
その状態で、投票日に何が起きたか?
(当初の予想からの)投票率の低下である。
都知事選挙並みに、投票率が上がれば自民党の獲得議席は減少することは避けられない。
が、幸運にして、希望の党が失速したので、(当初の予想よりも)投票率が下がった。
この希望の党の失速現象は偶然起きたのであろうか?
希望の党の候補者の公認基準が二転三転したこと
小池百合子自身の出馬騒動
中山成彬候補の、意味不明な安倍自民党批判
などは、希望の党の保守色を薄れさせ、保守層からの希望の党への失望感を生んだ。が、これらは、投票率を下げるために、左翼政党やマスコミから希望の党への一斉批判を呼び込む目的で行われた可能性はないのか?
そして、投票日に小池百合子はパリに居た。淡々と敗戦の弁を語る小池百合子であるが、小池百合子は本心で敗戦したと思っているのであろうか?
私はそういう疑問を抱いている。
安倍自民党は、危機感を以て選挙戦に臨んだはずだ。
下手をすれば過半数割れになる。
自民党側からみて、投票率が下がればなんとかなると考えたはずだ。
手段は一つ。
希望の党へ批判が集中するように、動き、世論を導くこと。
官房長官による、希望の党の首班指名云々の話は、見事に炸裂した。
こういうネタが次々と投下されることで、有権者の選挙に対する関心は失われた。
希望の党への失望感が増すたびに、投票率が下がることを政権中枢は予想したに違いない。
さて、当事者である小池百合子はどう仕掛け、対応したのか?
小池百合子は、民進党の分割を仕掛けるところまでは本気だったが
民進党の残党に抱きつかれ、首班指名騒動に巻き込まれた以降は手を抜き
投票率が下がる方の決断をし続けた可能性はないのか。
小池百合子は、自ら風を起こし、自ら火消ししたのではないか…………………
首相が解散決断した直後、風を起こし暴風雨状態になったのを確認した後
誰よりも早く引き時を察知
その後はなるように任せ
(当初の予想よりも)投票率は低下した。
目的は何か?
希望の党が失速すれば投票率が下がることが確定し、自公政権が勝利することが見えているからである。
今回は、安倍自民党に勝たせて恩を売るためである、可能性はないのか?
が、小池百合子のような平成極道の女ならやりかねない。
WOWOWで放送されている「法廷を操る男 BULL」というテレビドラマをご存じであろうか?
まだ、この番組を知らない方のために、番組紹介文を転載する。
||||| ここから引用開始 |||||||||||||||||||||||||||||||||||
http://www.wowow.co.jp/detail/110423
実在の人物をモデルにした新感覚法廷ドラマ。ドクター・ブルを中心とした6人のスペシャリストが人間の心理を利用して裁判をコントロールし、クライアントを勝利へと導く。
||||| ここまで引用 |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
この番組で示される、一種の世論操作スキルが今回の選挙戦に用いられた可能性を私は指摘する。
小池百合子は2通り考えたかもしれない。
・本気でやれば100議席は取れる。が、今回は時間がない。金も足りない。
・仕方がないので、わざとに負けて、負けたふりをして、裏で取引する。今回は背伸びしてまで勝つ必要はない。次善の策として、政権に恩を売るための取引を首相とする、そう考えた可能性はないのであろうか?
ということなのである。
「法廷を操る男 BULL」という新感覚ドラマの視点で、衆議院選挙の全貌を眺めると、こういうシナリオが見えてくるのである。
以上
この記事へのコメント
Suica割
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本気でやれば、三桁はいける。
ただし、異端分子まで抱えると面倒だから、異端分子なしの形で政党を作りたい。
私がやるとしたら、希望の党スカウト組、民進党現実派、大阪維新現実派を糾合し、憲法改正第二勢力として、自民連立も視野に三桁を目指す。
その上で、自民よりもより、低所得階層に寄り添うような政策を打ち出す。
今回は希望の党の中身が出来てなかったことも含め、準備不足であるので、今回の結果になるようにしたと思う。
時間と人材の不足、構想能力の差で安倍晋三に小池は今は勝てなかったといえる。
Suica割
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まず、野党がダメ過ぎ。
自民しか選びようがない。
私なら、いくら、憲法改正反対でも、円高放置の民主党系列には任せたくない。
自民党議員への協力な働きかけなどで、上手く自民党議員を操作して、アベノミクス継承の憲法現状維持路線に持っていく方がなんぼもマシと思う。
次に失業率改善は定年退職者補充のための後継人材の募集の積極化の影響で底上げされている分もあり、その分、自民党の政策が良く評価され過ぎな分を差っ引く必要がある。
小選挙区制度のため、実際の得票率よりも議席数が増幅される効果が中選挙区制度の時より大きく、議席獲得数ほどの力があるか疑問である。
それがあるため、最強の総理とは簡単には認定出来ないが、強い総理なのは確か。
管理人
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> 本気でやれば、三桁はいける。
> ただし、異端分子まで抱えると面倒だから、異端分子なしの形で政党を作りたい。
>
> 私がやるとしたら、希望の党スカウト組、民進党現実派、大阪維新現実派を糾合し、憲法改正第二勢力として、自民連立も視野に三桁を目指す。
> その上で、自民よりもより、低所得階層に寄り添うような政策を打ち出す。
>
> 今回は希望の党の中身が出来てなかったことも含め、準備不足であるので、今回の結果になるようにしたと思う。
>
> 時間と人材の不足、構想能力の差で安倍晋三に小池は今は勝てなかったといえる。
Suica割さんの見立てでいいと思います。
リベラル保守、どういう政策がありえるのか、他党との比較において、マトリクス的に示せるものがあれば、説得力が出てくるのではないかと考えます。
管理人
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> まず、野党がダメ過ぎ。
> 自民しか選びようがない。
> 私なら、いくら、憲法改正反対でも、円高放置の民主党系列には任せたくない。
> 自民党議員への協力な働きかけなどで、上手く自民党議員を操作して、アベノミクス継承の憲法現状維持路線に持っていく方がなんぼもマシと思う。
> 次に失業率改善は定年退職者補充のための後継人材の募集の積極化の影響で底上げされている分もあり、その分、自民党の政策が良く評価され過ぎな分を差っ引く必要がある。
> 小選挙区制度のため、実際の得票率よりも議席数が増幅される効果が中選挙区制度の時より大きく、議席獲得数ほどの力があるか疑問である。
> それがあるため、最強の総理とは簡単には認定出来ないが、強い総理なのは確か。
戦後どの内閣も為し得なかった、政権与党で一度だけでなく何度も改憲議席を確保、改憲方針と改憲時期を表明した点において、最強と書いていいのではないでしょうか?
Suica割さん指摘のとおり、野党がダメ過ぎた部分はあるでしょう。
ファジーでソフトランデイングな安倍首相だから改憲を政治日程に乗せることが可能となった、と私は評価します。
が、私は無条件安倍政権支持派ではありません。