第二次安倍政権にて外交力が飛躍的にアップしたことは間違いないところだが、当事者だったはずの岸田外務大臣からは、その痕跡を見出すことは難しかった。
岸田大臣は何を遠慮しているのか、当時、何度もそう思った。
後任の河野太郎外務大臣は違った。
とにかく、タイムリー、そして歯切れよく、ズバズバ言う。
外務大臣がここまで振る舞えるのか?正直驚いた。
ただ、日本にとって鬼門みたいな外交官とどう渡り合うか、気になっていた。
かつて駐日大使だった王毅である。
さて、「『こんな日本に誰がした』ー日本の危機と希望ー」という本にて、渡部昇一は王毅とのやりとりについてかく記述している。
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101~102頁
渡部昇一
日本にシナ事変改変の責任はない
実は先週の日曜日、われわれのつくる研究仲間六人ぐらいのところに、中国大使の王毅さんをお招きして、食事をふくめて三時間ぐらいお話と討議をしました。その時、王毅さんは「とにかく小泉さんは靖国神社に参拝しないでください。参拝さえしなければ、もう中国と日本のわだかまりは何もなくなる」と言うのです。そんなことは何度も聞いた話ですから、こちらはのらない。天皇陛下の訪中のときも同じことでした。私は「清瀬弁護人が言ったよううにポツダム宣言は、どこの先進国の法律にも国際法にもなかったことです。だからA旧戦犯はその意味でも存在しないし、それを東京裁判が認めて無理やりやったけれども、それはあとでないことになりました」と言ったのです。それでも彼は「小泉さんが参拝をやらないと言ってくれれば、中国はなにも言わないのです」。聞いているうちに、「この人、かわいそうだな」と思ったのです。胡錦濤から「それだけを言え」と言われているのがありありとわかるからです。
ついでだから王毅さんと話をした時のことで、ぜひ知っておいていただきたいことをご紹介します。「中国の大陸で戦争があって、犠牲があったのです」ということを王さんはおっしゃる。それに対して日本ではみんな「悪うございました」と言うのですが、私は言いません。というのは、盧溝橋事件の時、日本兵は鉄兜をかぶっていないのです。だから、鉄兜をかぶっていない軍隊のほうから戦争を仕掛けることはありえないのです。戦火はすぐ上海に飛び火しますけれども、上海には日本の陸軍は一人もいませんでした。そこに三万五千とか五万とかいわれる中国正規軍が押しかけてきたのです。そこにいる日本人は皆殺しにされるおそれがありました。それで日本は出兵したのです。それから盧溝橋のほうでは、現地で話がついて、戦争は終わったはずなのにそれから二、三週間後に日本の一般市民が通州で二二〇人殺されました。いまアメリカ人の市民を二百人殺したら、アメリカはすぐ攻めます。同じことです。しかしシナ事変の開戦責任については、東京裁判は日本を裁くための裁判ですから、日本にその開戦責任を問おうとした。そして関係者もみな裁判所に呼び出されているのです。しかしすぐ帰されました。調べ始めたら、向こうが仕掛けたという事実がわかったからです。「シナ事変の開戦責任は日本にはないのです。東京裁判でもそうはできなかったのです」と言ったら、王毅さんは反論しませんでした。このことはよく覚えておいてください。
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渡部昇一が、「王毅さんは反論しませんでした。このことはよく覚えておいてください」と書いた理由、お気づきであろう。
日本政府に対し、一事が万事指図調で語る王毅に対し、あなたはあの時こう言いましたね!ということを我々が記録し、王毅対応メモとして共有化しておき、王毅が指図調で語った時、反論するのである。
デイベート的切り返しとして、こういう論法が考えられるのである。
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尖閣問題に関して、中共が領海、領空侵犯行為をやめないことについて、王毅に対し、王毅さんあなたは「とにかく小泉さんは靖国神社に参拝しないでください。参拝さえしなければ、もう中国と日本のわだかまりは何もなくなる」と言ったではありませんか?
今や、領海侵犯、領空侵犯をくりかえして日中のわだかまりをつくりだしているのは中共ではありませんか?
その後、日本の首相が、靖国参拝することは控えています。つまり、あなたの言ったとおり日本の首相が対応した期間があったので、わだかまりはないはずなのです。違いますか?王毅さん、あなたは、嘘をついているのですか?
それともあなたは、常に身勝手、常に自己中心的な主張をしたがる外交官なのですか?
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なぜ、こう具体的に書くのか?
王毅は、駐日大使時代から、一事が万事指図調で日中友好を語る、傲慢な外交官という印象があった関係で、過去の発言を記録しておいて論争をふっかけ、あの時こういいましたね式の情報を拡散させ、失脚に追い込めば、中共の外交力を低下させることにつながるからである。
王毅さん、あの時、あなたはこう言いましたね!式で追い詰める手法を提言しているのである。
ここで、日中外相会談時の河野太郎外相と王毅との写真を参照したい。
―― 参考情報 ――――――――――
王毅外相に潜水艦潜航で抗議 対北安保理決議を完全履行で一致 李氏に早期来日を要請
http://www.sankei.com/politics/news/180128/plt1801280011-n1.html
河野太郎大臣は、例によって、ズバズバ言ったようである。
河野太郎の目線がしっかりとしたカメラ目線であるのに対し、王毅の方は隠居じいさんみたいな雰囲気が漂っている。
王毅は現実を直視したくないのかもしれない。
たかが、外交対応上の写真に過ぎないことであるが、日本の政府首脳が相手国よりもカッコ良く映ることはとても大切なことだ。
私は河野太郎をハンサムと思ったことはない。
が、一生懸命やっていれば、多少不細工でもカッコ良く映ることがあるのだ。河野太郎にとっては一生の記念となる写真だろう。
以上
この記事へのコメント
やまと路
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いつも有用な内容で勉強させて頂いていますが、時々首を傾げる内容を書かれるのでコメントします。
河野太郎の秘書は韓国人です。今もそうなのか未確認ですが、日本の国会議員でしかも政権与党の重鎮の秘書が外国人ですよ。由々しき問題です。
私には河野氏の一連の「カッコイイ」パフォーマンスは父親の汚点や韓国人秘書などの恥部を覆い隠す為のもの、という風に見えます。
彼の大袈裟で一見強気でカッコイイパフォーマンスは注視する必要があるでしょうね。
いつどこで豹変するか解かりません。強い物に付く日和見主義とも見れます。
管理人
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> いつも有用な内容で勉強させて頂いていますが、時々首を傾げる内容を書かれるのでコメントします。
> 河野太郎の秘書は韓国人です。今もそうなのか未確認ですが、日本の国会議員でしかも政権与党の重鎮の秘書が外国人ですよ。由々しき問題です。
>
> 私には河野氏の一連の「カッコイイ」パフォーマンスは父親の汚点や韓国人秘書などの恥部を覆い隠す為のもの、という風に見えます。
>
> 彼の大袈裟で一見強気でカッコイイパフォーマンスは注視する必要があるでしょうね。
>
> いつどこで豹変するか解かりません。強い物に付く日和見主義とも見れます。
河野大臣のことを取り上げたことでご立腹のこととお察しします。
政権運営のため、安倍政権は、二つのタイプの政治家を扱わざるを得ない事態に直面しています。
①一応、愛国保守であり、態度的に立派であるものの、批判スキル中心で、情報発信力、政策提言力かつ外交対応力に乏しい政治家
②出自的に愛国保守かどうかは怪しいものの、情報発信力、政策提言、外交対応力を有している政治家
岸田前大臣、稲田前大臣は、残念ながら①に属しているように見えます。
河野大臣は②です。
やまと路さんが拙ブログの見解に「首をかしげる」と書かれたのは、スキル的に稚拙でも愛国政治家であれば、擁護すべきだとのスタンスから来るものであろうと思います。
しかし、政治的に稚拙でお行儀だけ立派な政治家だけで、政権維持できるのでしょうか?安倍首相は第一次政権での失敗に懲りて、一定のスキルと経験を有する議員について、大臣として登用しているのではありませんか?
やまと路さんは、拙ブログが過去において、岸田元大臣、稲田元大臣を意識し、政治家としてより存在感を見せるべく、いろいろ現実的な提言記事ていることを読まれていると思います。当然のことですが、拙ブログはある手法にて、直接これら①に属する政治家について、お立場的にこうすべきだ式の建設的な提言を行ってきました。
しかし、その点について、都度、やまと路さんから「賛同する、しない」の見解をいただいてはおりません。
そこで、やまと路さんに申しあげます。拙ブログは、一応、①と②の政治家どちらもテーマとして取り上げます。
が、①のような愛国保守であるものの、政治家スキルとして稚拙な政治家にどうスキルアップいただくか、どう意識改革いただくか、ご自身が直接、岸田元大臣や稲田元大臣に提言書、要望書を提出するイメージでご検討いただきたい訳です。
拙ブログにコメントいただき、管理人である私が参考になりそうと判断すれば、ブログ原稿の中で引用させていただきます。
①と②の政治家のうち、スキル的に見劣りする①にテコ入れするなら、そういう提案を必要としています。
やまと路さんも、拙ブログについて、一部批判的なお気持ちで読まれていることは理解しますが、管理人である私は、受け身の立場で読まれる読者の方が大部分で、提言者が決定的に少ない現状に強い危機感を抱いております。
拙ブログは他にない、分析もの提言もの中心です。これからも提言もの中心で出稿します。なぜなら、批判することだけでは何も改善しないからです。
そこで、やまと路さんにお願いしたいことがあります。
やまと路さんが、個々の私の提言、分析にご不満なら、こういう点については気にいらない、だけではなく、次に外務大臣に就任させたい愛国議員について(仮に稲田議員だとして)、その議員のスキルアップ、意識改革等のために提言的スタンスでコメントいただきたいのであります。
ご理解いただけましたでしょうか?
管理人
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やまと路様
「時々首を傾げる内容を書かれるので……………………」とありましたので、先に回答したコメントに追加し、以下についてもご一読いただけます様、お願いします。
発信力・政策提言力・外交対応力なき与党議員の問題
http://sokokuwanihon.blog.fc2.com/blog-entry-875.html
河野太郎議員の秘書がそういう素性であることは前から知っております。
それが問題だというなら、問題だの次元では済ませず、公設秘書に係わる国籍条項について、提言書を準備されるべきと思います。
そして、その提言書は、小沢一郎の秘書が韓国籍であることが判明した数年前に用意され提出されるべきだったのではありませんか?
やまと路さんは、何度かコメントいただてますが、批判的コメントは今回が最初だった関係で、少なくとも、やまと路さんは、政治的立ち位置含め、どういう主義主張の方でおられるのか、もう少し説明されるべきだったのではありませんか?
管理人
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やまと路様
やまと路さんがコメントされ問題提起された件について、さまざまの視点から検討、対策の方向性について以下にまとめました。
ご一読お願いします。
外国人秘書を抱える政治家を首相にしていいのか(スパイ防止法法制化の必要性)
http://sokokuwanihon.blog.fc2.com/blog-entry-883.html