本稿の目的は、いまだ、保守政界の黒幕と思われる中曽根元首相について、過去の謎めいた行動について時系列的に並べ・分析、中曽根元首相のこれまでの政治的決断の動機を解明することにある。
私は、中曽根元首相は、今でも第二次安倍政権に強大な影響力を行使していると推測している。政権で度々発生する不可解な首相判断、異常にソフトランデイング路線が選択される現象、言い換えると安倍首相がやりたいと思っていることにブレーキをかけ続けている正体が中曽根元首相ではないかと、推定している。
本稿では、中曽根元首相の不可解な行動の謎について、分析を試みる。
■謎その1 愛国者で昵懇だったはずの三島由紀夫に対する自決後の掌返し
1970年の三島事件、当時、中曽根康弘は防衛大臣。中曽根大臣と三島由紀夫は親交があったことが知られている。
「田母神「自衛隊問答」 国防の「壁」を打ち破る!」(田母神 俊雄、拳骨拓史)にて、こういう指摘がある。
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120頁
三島事件で抱いた猪木校長や中曽根さんへの違和感
拳骨
三島事件が起きたとき、中曽根康弘さんが猪木さんに「三島を否定しろ」という指示を出したともいわれます。それまで中曽根さんも三島由紀夫を仲が良かったのに、いきなり手のひらを返した。それに対し、「何で手のひらを返すんだ」とクレームをつける人もいたけれど、自身はそんなことは気にしなかったと、中曽根さんは回顧録で誇らしげに語っています。
田母神
まあ、あの人は自分が何をやったかもわかっていない人ですから。
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三島由紀夫生前時は、愛国者を装い、防衛大臣のポストを得、三島由紀夫が自決すると、掌を返したようだ。掌を返す意味おわかりであろう。防衛大臣になるために、、、
■謎その2 どの政治家ともまんべんなく付き合う
「軍国主義が日本を救う」では倉山満は、政治家中曽根康弘はどの政党とも仲良くしていたとある。
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147頁
親中派政治家の正体
一口に親中派政治家と言いますが、どのような人たちのことを言うのでしょうか。実は彼らは一枚岩ではなく、三~四派に分かれます。
第一に、台湾と国交を結んでいた時代から北京の代弁者になっていたような、LT貿易の高崎達之介とか、日中記者交換協定を結んできた古井喜美、松村謙三のようなグループがあります。彼らは筋金入りの親中派です。
第二に、三木武夫、小坂善太郎ら、アメリカがソ連と対抗するために中国に接近しようとしているから、その流れに乗ろう、ただし台湾を無下にする気はない、という人たちです。
第三に、田中角栄、大平正芳のように、後からやってきて、第一の北京の代弁者グループとくっつき、そこの利権を全て奪っていった人たち。
第四に、福田赳夫、岸信介、賀屋興宣といった親台湾タカ派のグループ。この領袖が福田赳夫でしたが、田中と大平に福田政権をいいようにされて、福田が辞めた後も一度も政局で勝つことができませんでした。
そして、この全てのグループと仲良くしていたのが中曽根康弘でした。
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中曽根首相は、風見鶏とあだ名がついたことはご存じであろう。話のタネに、神戸にある風見鶏の館を見に行ったことがある。
どのグループとも仲良くする意味、それは、政治家として、正体を隠したい者が使う常套手段である。
■謎その3 中曽根元首相がそれまで続いていた首相の靖国参拝をなぜやめたのか?
「田母神「自衛隊問答」 国防の「壁」を打ち破る!」(田母神 俊雄、拳骨拓史)にてかく指摘がある。
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120~124頁
拳骨
そうですね。靖国問題や国産戦闘機導入問題をはじめ、いろいろなところで波風を立てました。
田母神
実際、靖国問題は中曽根さんが現況です。戦後四十年間、総理大臣はずっと靖国参拝をやっていました。四十一年目に中曽根さんが靖国参拝をやめた。それが今日の靖国問題の発端です。
拳骨
中曽根さんが八月十五日に公式参拝して、それを中国が問題視して、以後、首相の公式参拝ができなくなりました。
田母神
中曽根さんは、第三次中曽根内閣で藤尾正行文部大臣の解任もしています。昭和六十一年に『文芸春秋』誌上で、歴史教科書問題に関する話題で「戦争で人を殺しても殺人(罪)には当てはまらない」「韓国併合は合意の上に形成されたもので、日本だけでなく韓国側に責任がある」などと発言したのを理由に文部大臣を解任した。
それまで歴史認識については、いろいろな人がいろいろなことをいっていましたが、それが原因で大臣を解任される、などということはなかった。この解任こそ、閣僚をはじめ要職にある人が「日本はいい国だった」とさえいえなくなった元凶です。
中曽根さんというと、マスコミでは軍事大国化を推し進めようとした保守政治家であるかのようにいわれることもありますね。
拳骨
そうですね。中曽根内閣も「戦後政治の総決算」をアピールしていました。
田母神
実際は、左翼が利用するのに、ちょうどよかったんです。だからマスコミも中曽根さんを保守の政治家みたいに持ちあげたり叩いたりしましたが、あの方は保守とはいえないと私は思っています。
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この一文を読んで、中曽根元首相が田母神俊雄について激怒した可能性はあるだろう。誰かが、中曽根元首相にご注進した可能性もある。つまり、この本は、タイミング的に田母神事件の、、、と言いたいのである。
中曽根元首相については、政治信条的に靖国参拝したくなかったので参拝するのをやめたと私は解している。
安倍政権になってからも、終戦記念日の首相参拝が実現しないのは、中曽根元首相が存命であるので、敢えてしにくいのではないかと。
中曽根元首相が逝去した直後の年の終戦記念日に首相が愛国派であれば、、、と予想するのである。
■謎その4 首相辞任後の、首班指名に係わる助言、意味不明な投票行動
「公明党・創価学会の真実」にて、平野貞夫は、中曽根元首相は、首尾一貫しなくても影響力を確保するために意味不明な決断、投票行動を辞さないという趣旨のことを述べている。
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209~210頁
謎だったのは、中曽根元首相の動きである。羽田首相が解散の判断を総辞職に変えた背後に、中曽根さんの動きがあったようだ。
中曽根元首相は、派閥を渡辺美智雄さんに譲ってからも政界に大きな影響力を持つ政治家であり、その影響力を持ち続けようとする人物だった。四月の渡辺さんの離党騒ぎのときには、離党をしないように、すなわち改革連立政権に参加しないように動いている。羽田首相が迷っているとき、「次の首班指名で改革政権に協力するから、今回は解散をやめたほうがいい」というような助言をしたのではないかと私は推測している。
二九日の首班指名のとき、中曽根さんは改革派が擁立した自民党離党後の海部俊樹さんに投票した。このときは中曽根さんが突然記者会見で海部指示を表明してくれたが、これが海部票を増やしたのか、減らしたのか、なんとも判断に迷うところだった。社会党の若手改革派の中には、海部さんへの投票を避けた人たちがかなりいたことは事実だ。
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■謎その5 なぜ自民党憲法改正推進イベントで岸井成格に司会させたのか?
自民党党本部主導での、今から十数年前に開始され、自民党党本部主導の憲法改正の全国行脚の中心的人物が中曽根元首相だった。中曽根元首相はイベントにて、憲法改正推進を呼びかけていた。その自民党集会、私は動員で参加することとなり、話を聞く機会があった。
このイベントの司会、なんとあの岸井成格であった。中曽根元首相主宰するイベントの胡散くささの証左となるであろう。
私が思うに、当時の中曽根元首相は、憲法改正をする気などなく、それなりの年齢となった関係で、政界の影響力を維持・確保するために、憲法改正イベントを利用していたのではないかと推測している。
岸井成格を司会に採用したのは、マスコミ受けするためのパフォーマンスであろう。
■謎その6 なぜ与謝野馨が民主党政権入りしたのか?
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https://ttensan.exblog.jp/26917313/
しかしこの翌年に中曽根康弘が総理に就任すると、
自ら韓国に行って巨額の援助を提供してきました。
さらに民主党政権においては
民主党政権を守ろうと裏で動き回っていたナベツネと組んで
自分の子分であって与謝野馨を民主党へ寝返らせる工作を行いました。
自民党があまりの大敗で与党から転落したことで
そちらに媚びるつもりだったのだろうと思います。
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私は、財務省の黒幕が実は中曽根であろうと睨んでいる。
財務省が欲する消費税増税を実現できれば、中曽根元首相は財務省の黒幕として君臨できるとふんでいるのではなかろうか?
そのために、意図する政策を実現するために、政策通の与謝野を民主党政権に敢えて送り込んだと解する。
政治家与謝野馨の政治的手腕は高く評価しつつも、中曽根とナベツネは政界支配の中枢の座にあることは素直に認めざるを得ない。
■謎その7 なぜ安倍晋三は逆転で自民党総裁に返り咲けたのか?
安倍晋三の自民党総裁返り咲きは、政界の奇跡と噂されているが、私は、自民党の黒幕による指示がありそうなったと解している。もちろん、それなりの上納金も水面下で動いたであろうと推定する。
■謎その8 安倍談話、生前譲位等の審議会委員になぜ変な人物が採用されるのか?
誰とは名指ししないが、変なのばかり審議会委員に採用され続けているような気がする。理由は、安倍晋三が自民党総裁選に返り咲く際に、差配した、自民党の黒幕が審議会委員を指名しているのではないかと推定する。(審議会委員になりたくてうずうずしている、保守を装う?言論人が、こっそり中曽根元首相に会いに行っている?ということ)
■総括 中曽根元首相の正体
「軍国主義が日本を救う」にて倉山満は、中曽根康弘という政治家を親ソ・親中派とみているようだ。
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154頁
中曽根内閣というのは最大限、親米を装った親ソ・親中政権と見ないといけません。中曽根内閣時代、闇将軍として政界に君臨していたのが田中角栄で、内閣を取り仕切っていたのが後藤田正晴、ブレーンが瀬島龍三と、中枢にはことごとく親ソ・親中派が入り込んでいます。
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状況的にそれを裏付ける証拠は、一つある。安倍首相とプーチンとの首脳会談の回数と時間の異常な長さである。
大して成果のないのに、なぜ延々と会談し続けるのか?
日英首脳会談、日印首脳会談の精緻な覚書等の外交文書と比較すれば、不自然であると言わざるを得ない。奇跡の逆転劇により総裁に返り咲いた、安倍首相は、親ソ派中曽根元首相に忖度、プーチンとの会談に臨んでいるような気がするのである。
以上から、中曽根元首相が自民党各派と仲が良いのは「その正体」を隠すためであり、首相辞任後も政界での影の動きを取りざたされるのは中曽根元首相が影響力を維持・行使した結果であろうと推測する。
そういう意味で、中曽根元首相の心のふるさと○連K○Bから見て、中曽根元首相や瀬島某は、生涯に亘って忠誠を尽くした、すばらしく優秀な〇パ●という評価になるのではあるまいか?
以上
この記事へのコメント
中原
SECRET: 0
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つたないコメントをお許しください。
戦後の歴代総理大臣に日本人は二人しかいないとの説も、あながち妄想とも言い切れません。二人の日本人とは、田中角栄と小渕恵三。あとは全て○○系とのこと。
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GHQによる帰化人支配 | 中杉 弘の徒然日記
https://ameblo.jp/nakasugi-hiroshi/entry-12081169423.html
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失礼ですが、誤変換を1箇所指摘。渡辺惣樹美智雄→渡辺美智雄
管理人
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> つたないコメントをお許しください。
> 戦後の歴代総理大臣に日本人は二人しかいないとの説も、あながち妄想とも言い切れません。二人の日本人とは、田中角栄と小渕恵三。あとは全て○○系とのこと。
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> GHQによる帰化人支配 | 中杉 弘の徒然日記
> https://ameblo.jp/nakasugi-hiroshi/entry-12081169423.html
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> 失礼ですが、誤変換を1箇所指摘。渡辺惣樹美智雄→渡辺美智雄
中曽根元首相、ナベツネが在命中は、「GHQによる帰化人支配」は変わらないということになりそうです。
中杉説は極端な部分はありますが、概ねそのとおりであろうと思われます。