マトリクス的に考えるとどうなるか

前稿では、トランプ政権の対中制裁、個別企業ファーウエイに対する処置は、ヒト、モノ、カネ、情報、組織など、戦略的かつ体系的視点から入念に考案、準備されたうえで実施されたものであることを示した。

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手順と方法  言論界が担うべき役割
http://sokokuhanihon.seesaa.net/article/465807860.html

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アメリカはファーウエイに対し追加措置を実施した。

―― 参考情報 ――――――――――

【速報】クアルコム、中国ファーウェイ社員との会話を禁止
https://hosyusokuhou.jp/archives/48850372.html

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人、モノ、カネ、情報、組織の点で見ると、こうなる。

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人:経営中枢の人物訴追、接触禁止
モノ:5G施設の不採用(締め出し)、部品の供給制限
カネ:関税
情報:OS、ソフト等の供給制限
組織:未実施?

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トランプ政権が実施した対中・対中国個別企業への制裁措置と比較すると、我が国が行っている対北朝鮮制裁は抜け道がまだあり、対韓国に対して予定?されている制裁措置については、政府は日韓協定に基づく条約上規定されている手順として踏んでいる段階にある。つまり、政権として、韓国に対する制裁措置は、当面やらないと言っているに等しい状態にある。



そこで、こう考えてみたい。

人、モノ、カネ、情報、組織の扱いについて、①一般論的措置、②我が国の法規制上可能な措置の限界、③北朝鮮に対するあるべき措置、④韓国に対するあるべき措置に区分するとどうなるか?

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朝鮮半島の二国に対し、我が国がとるべき措置のイメージ

■人 ①一般論的措置、②我が国の法規制上可能な措置の限界、③北朝鮮に対するあるべき措置、④韓国に対するあるべき措置

■モノ ①一般論的措置、②我が国の法規制上可能な措置の限界、③北朝鮮に対するあるべき措置、④韓国に対するあるべき措置

■カネ ①一般論的措置、②我が国の法規制上可能な措置の限界、③北朝鮮に対するあるべき措置、④韓国に対するあるべき措置

■情報 ①一般論的措置、②我が国の法規制上可能な措置の限界、③北朝鮮に対するあるべき措置、④韓国に対するあるべき措置

■組織 ①一般論的措置、②我が国の法規制上可能な措置の限界、③北朝鮮に対するあるべき措置、④韓国に対するあるべき措置

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すなわち、これは、朝鮮半島の二国を含め、マトリクス的な措置検討をイメージしている。

詳細検討前にしておくべき、前提条件としての検討作業はこうなるだろう。



①我が国における、朝鮮半島の位置づけと扱い(長期、短期、当面)
②北朝鮮、韓国の外交的順位付け
③北朝鮮、韓国それぞれについて、敵国、仮想敵国、断交(完全断交、不完全断交)、無視とするのかそうでないのか?
④人、モノ、カネ、情報、組織面からの個別検討




しかし、現在、政権中枢がおかれた安全保障上の検討課題を眺めてみると、これら検討課題に対して、コツコツ検討している言論人は果たしているのか?
櫻井よしこ率いる、国家基本問題研究所は、この問題について機能しているのか?
保守系団体を率いデモ行進の先頭に立った、桜井某は、日韓断交を最初に唱えたのは自分だと言うかもしれない。



私が言っているのは、①日韓断交は抽象論では済まない次元になってきていること、加えて、②日米共同で主導する北朝鮮制裁、米朝首脳会談の動向によっては、韓国の扱いが大きく変わりつつあること、などから
北朝鮮、韓国の扱い(長期、短期、当面)について、人、モノ、カネ、情報、組織の扱いが変わることを、図示してわかるレベルでマトリクス的に方針設定しなくて大丈夫なのか?ということなのである。



その比較・検証、保守世論の共有化、国民的合意形成のために、産経の論説記事、雑誌「正論」の誌面が存在しているのである。

壊れたテープレコーダーの如く、「日韓断交」を叫んでも、何の解決も進展ももたらさないのである。



以上

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