法律の不備 犯罪被害者遺族を傷つけるマスコミ過剰取材問題 

通り魔的殺人事件の被害者側が、取材自粛を呼びかけているのに対し、これを無視し取材、被害者遺族を傷つけるマスコミの行為が、近年問題視されるようになった。

―― 参考情報 ――――――――――

校長がマスコミ自粛要請→TBS「Nスタ」が会見中継の音声絞り中断しCMへ→謝罪・川崎殺傷事件
http://deliciousicecoffee.jp/blog-entry-7511.html

【川崎通り魔事件】会見で学校側がマスゴミへ「子どもたちへの取材自粛を」と要望した瞬間にTBSが音声を絞り炎上…TBS「俺たちの時間の都合で音声絞っただけ」
http://hamusoku.com/archives/10051596.html

加害者じゃなく被害者を守れよ
https://ttensan.exblog.jp/27622091/

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行き過ぎた取材は、被害者遺族の人権問題であり、一種の嫌がらせ行為と解することもできる。

―― 参考情報 ――――――――――

ハラスメント規制法、禁止規定は見送り 実効性に疑問符も
https://special.sankei.com/f/economy/article/20190529/0002.html

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見方を変えたい。

「犯罪被害者等基本法」なる法律があること、ご存じであろうか?

関連する説明文書から引用、転載させていただく。

||||| ここから引用開始 |||||||||||||||||||||||||||||||||||

https://www.npa.go.jp/hanzaihigai/kuwashiku/kihon/kihon.html

犯罪被害者等基本法

平成16年秋の臨時国会(第161回国会)において、「犯罪被害者等基本法」が成立しました。

 同法は、犯罪被害者等(犯罪やこれに準ずる心身に有害な影響を及ぼす行為の被害者及びその家族又は遺族)のための施策を総合的かつ計画的に推進することによって、犯罪被害者等の権利利益の保護を図ることを目的としており、その基本理念として、犯罪被害者等は、個人の尊厳が重んぜられ、その尊厳にふさわしい処遇を保障される権利を有することなどが定められています。

 国・地方公共団体が講ずべき基本的施策としては、例えば、
1.相談及び情報の提供

2.損害賠償の請求についての援助

3. 給付金の支給に係る制度の充実等

4.保健医療サービス・福祉サービスの提供

5.犯罪被害者等の二次被害防止・安全確保

6.居住・雇用の安定

7. 刑事に関する手続への参加の機会を拡充するための制度の整備

といった項目が掲げられており、これらを犯罪被害者等の視点に立って実現することによって、その権利や利益の保護を図ることとしています。


https://www.npa.go.jp/hanzaihigai/kuwashiku/keikaku/pdf/dai3_basic_plan.pdf

第3次犯罪被害者等基本計画

〔基本法により求められる事項〕
① 国の行政機関相互の連携・協力
② 地方公共団体との連携・協力
③ その他様々な関係機関・関係者との連携・協力
④ 犯罪被害者等の意見の施策への適切な反映
⑤ 施策策定過程の透明性の確保
⑥ 施策の実施状況の検証・評価・監視等
⑦ フォローアップの実施
⑧ 犯罪被害者等基本計画(以下「基本計画」という。)の見直し

基本方針
犯罪被害者等が直面している困難な状況を打開し、権利利益の保護を図るという目
的を達成するために、個々の施策の策定・実施や連携に際し、実施者が目指すべき方
向・視点として、第3次基本計画においても、第1次基本計画及び第2次基本計画と
同様、基本法に定める基本理念等を踏まえ、以下の4つの基本方針を設定することと
する。
〔4つの基本方針〕
① 尊厳にふさわしい処遇を権利として保障すること
基本法第3条第1項は、「すべて犯罪被害者等は、個人の尊厳が重んぜられ、その
尊厳にふさわしい処遇を保障される権利を有する。」と規定している。
犯罪被害者等のための施策は、例外的な存在に対する一方的な恩恵的措置ではな
く、社会のかけがえのない一員として、犯罪被害者等が当然に保障されるべき権利
利益の保護を図るためのものである。施策の実施者は、犯罪被害者等はその尊厳が
尊重され、その尊厳にふさわしい処遇を保障される権利を有していることを視点に
据え、施策を実施していかなければならない。
② 個々の事情に応じて適切に行われること
基本法第3条第2項は、「犯罪被害者等のための施策は、被害の状況及び原因、犯
罪被害者等が置かれている状況その他の事情に応じて適切に講ぜられるものとす
る。」と規定している。
犯罪被害者等のための施策は、個々の犯罪被害者等が直面している困難を打開し、
その権利利益の保護を図るために行うものである。施策の実施者は、個々の犯罪被
害者等の具体的事情を正確に把握し、その変化にも十分に留意しながら、個々の事
情に応じて適切に施策を実施していかなければならない。
そして、性犯罪や児童虐待等の被害に遭ったにもかかわらず、自ら声を上げるこ
とが困難なため被害が潜在化しやすい犯罪被害者等や、自己が直接の犯罪被害者で
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はないものの、兄弟姉妹が被害に遭ったことなどにより、その心身に悪影響を受け
るおそれがある子供等についても、そのニーズを把握し、適切に支援をしていかな
ければならない。
③ 途切れることなく行われること
基本法第3条第3項は、「犯罪被害者等が、被害を受けたときから再び平穏な生活
を営むことができるようになるまでの間、必要な支援等を途切れることなく受ける
ことができるよう、講ぜられるものとする。」と規定している。
犯罪被害者等のための施策は、犯罪被害者等が直面するその時々の困難を打開す
ることにだけ注目するのではなく、犯罪被害者等が再び平穏な生活を営むことがで
きるようになることに視点を置いて行うべきである。そのためには、中長期的な視
点を持って、犯罪被害者等のためだけに設けられた制度以外の制度や民間の取組等
も十分に活用しつつ、犯罪被害者等の生活の再建を支援するという観点が必要であ
る。そして、施策の実施者は、制度や担当機関等が替わっても連続性をもって当該
犯罪被害者等に対する支援等が行われるよう、また、犯罪被害者等の誰もが、必要
なときに必要な場所で適切な支援を受けられるよう、途切れることのない支援等を
実施していかなければならない。
④ 国民の総意を形成しながら展開されること
基本法第6条は、「国民は、犯罪被害者等の名誉又は生活の平穏を害することのな
いよう十分配慮するとともに、国及び地方公共団体が実施する犯罪被害者等のため
の施策に協力するよう努めなければならない。」と規定している。
犯罪被害者等のための施策は、犯罪被害者等がその名誉又は平穏を害されること
なく、共に地域で生きていけるよう国民が総意で協力する社会を形成していくとい
う視点を持って実施されなくてはならない。同時に、国民の総意が形成されるよう、
犯罪被害者等のための施策の策定・実施は、国民からの信頼を損なわないように適
切に行われる必要がある。

||||| ここまで引用 |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||



一通り熟読された方なら、現行法の不備に気づかれたはずである。
犯罪被害者等の二次被害拡大、防止のために、法的に取材規制が認められるべきではないのか。

この問題について、広く共感を得る目的なのだろうか、リツイート活動されている言論人がおられる。しかし、感情論レベルの活動である。オピニオンリーダーたる言論人が、そんな程度の次元の活動でいいのか。言論人としての自覚あるなら、法律を調べ、官庁に問い合わせするなど、リーダーシップある行動をとるべきだ。

「犯罪被害者等基本法」において、「マスコミの過剰取材を被害者側から要請があった場合、一定期間取材活動を禁止できる条項」がないことが、被害者遺族が過剰取材でひどい目に遭わされる根本原因と考える。

要するに、「犯罪被害者等基本法」において、マスコミ取材規制条項(罰則付き)追加することを提言するのである。


以上




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