首脳会談の切り貼り報道問題

産経は、保守層受けを狙った記事が多い。
それが産経の特徴でもある。



しかし、以下の記事はどういう評価となるか?

―― 参考情報 ――――――――――

フィリピン、福島産水産物の輸入停止を解除 ドゥテルテ大統領が首脳会談で表明
https://www.sankei.com/politics/news/190531/plt1905310028-n1.html

―――――――――――――――――



フイリピン、よくやってくれたと思うだろう。
産経報道は、韓国を意識した書きぶりである。嫌韓を煽りたい気持ちが記者にあるのかもしれない。



しかし、外務省HPの情報を読むと、フイリピン大統領の来日には、フイリピン側からみて他に重要な意味が数点あることがわかる。

||||| ここから引用開始 |||||||||||||||||||||||||||||||||||

https://www.mofa.go.jp/mofaj/s_sa/sea2/ph/page4_005024.html

日・フィリピン首脳会談

1 冒頭,安倍総理大臣から,昨年11月に会談して以来,再会できて嬉しい旨述べるとともに,今月行われたフィリピンの中間選挙での圧倒的勝利に祝意を述べました。

2 本年2月にバンサモロ暫定自治政府が発足し,新たな段階に入ったミンダナオ和平に関し,安倍総理大臣から,ミンダナオの人々が一日も早く平和の恩恵を実感できるよう,日本は和平の進捗に応じて支援(PDF)別ウィンドウで開くを強化していく旨述べました。これに対し,ドゥテルテ大統領から深い感謝が述べられました。また,日本は,ドゥテルテ大統領による積極的なインフラ整備政策「Build,Build,Build」を支える最大のパートナーであり,引き続き,フィリピンの期待と信頼に応えていく旨述べました。これに対し,ドゥテルテ大統領から,これまでの日本による支援はあらゆる支援の最高の基準(gold standard)であるとして謝意が表明されました。

3 両首脳は,戦略的パートナーである日・フィリピン両国が,安全保障の分野で共同訓練や能力構築支援など協力を進めると同時に,本年6月に開催予定の日フィリピン外務・防衛当局間(PM)・防衛当局間(MM)協議及び海洋協議を通じて政策面での議論も深めていくことで一致しました。

4 安倍総理大臣から,フィリピン政府が東日本大震災後の福島県産水産物の輸入停止措置の解除を決定したことを歓迎し,検査報告書等の要求も含め,科学的根拠に基づき早期に撤廃されるよう要請しました。また,安倍総理大臣から,本年3月に諸外国に先駆けてフィリピンとの間で新しい在留資格「特定技能」に関する協力覚書が作成され,マニラにて介護分野の試験が既に2度行われたことを歓迎する,今後,労働者の保護にも十分留意しながら,円滑な受入れを進めるため,緊密に協力していきたい旨述べました。

5 また,両首脳は,法の支配に基づく自由で開かれたインド太平洋の実現や,北朝鮮の非核化に向けた安保理決議の完全な履行,拉致問題の早期解決,南シナ海問題といった課題で連携を強化していくことを確認しました。

||||| ここまで引用 |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||



要約すると

①フイリピンの現政権は、選挙に強い。長期政権化ほぼ確定。
②フイリピンの政情は安定期に入り、投資拡大しやすい状況にあるとともに、日本のこれまでの支援策について最高レベルとの評価となっている
③今後、安全保障分野での協力、協議を拡大
④福島県産水産物の輸入停止措置の解除、フイリピン人労働者受け入れに係わる確認
⑤南シナ海、北朝鮮問題に係わる基本的認識の再確認



日本とフイリピンは、日米安保ほどではないが、経済関係だけでなく安全保障上の価値観を共有する国となりつつあることが会談結果からうかがえるのである。

切り貼り報道は、反日テレビ局の専売特許と思ってきたが、保守色が強い、産経も実は、全体を俯瞰せず、個別事案を強調した報道によって、切り貼り報道したことになるのである。



私は、形式論としての切り貼り報道について述べている。

産経記者は、海産物輸入停止について報道する前に、首脳会談の議題について、まず述べるべきだった。

拙ブログは、嫌韓を煽るつもりはない。
外交分析する立場の記者なら、首脳会談全般についてまず読み取れることを理解してから、追加取材すべきであろう。産経記者は、海産物について、こだわり過ぎ、結果的に切り貼り報道になってしまったと言いたいのである。


以上

この記事へのコメント

人気記事