参議院比例 党派別得票数からみた分析結果

先の参議院選挙、有権者数は1億600万、投票率は48.8%(前回比:5.90ポイント減)だそうだ。

http://www.soumu.go.jp/senkyo/senkyo_s/data/sangiin24/index.html
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%AC%AC25%E5%9B%9E%E5%8F%82%E8%AD%B0%E9%99%A2%E8%AD%B0%E5%93%A1%E9%80%9A%E5%B8%B8%E9%81%B8%E6%8C%99




党派別の比例代表の内訳はこうなっている。

||||| ここから引用開始 |||||||||||||||||||||||||||||||||||

https://www.nhk.or.jp/senkyo/database/sangiin/2019/00/hsm12.html

比例代表 党派別得票・獲得議席
定員 50残り 0開票終了
比例代表 当選当確一覧
党派 公示時改選 今回
男性
女性
得票 得票率
自民 19 19 15 4 17,711,862 35.4%
立民 4 8  6 2 7,917,719 15.8%
公明 7 7 6 1 6,536,336 13.1%
維新 4 5 5 0 4,907,844 9.8%
共産 5 4 3 1 4,483,411 9.0%
国民 4 3 2 1 3,481,053 7.0%
れ新 0 2 1 1 2,280,764 4.6%
社民 1 1 1 0 1,046,011 2.1%
N国 0 1 1 0 987,885 2.0%
安死 0 0 0 0 269,051 0.5%
幸福 0 0 0 0 202,278 0.4%
オリ 0 0 0 0 167,897 0.3%
労働 0 0 0 0 80,055 0.2%

||||| ここまで引用 |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||




以下、政党別に分析する。

自民党は、前回参議院選挙と比較し、300万票減らしている。

―――――――――――――――――

・「自民党」の比例得票数の推移

2003衆議院 2066万
2004参議院 1679万
2005衆議院 2588万
2007参議院 1654万
2009衆議院 1881万
2010参議院 1407万
2012衆議院 1662万
2013参議院 1846万
2014衆議院 1756万
2016参議院 2011万
2017衆議院 1855万
2019参議院 1711万

―――――――――――――――――



公明党は100万票減らしている。

―――――――――――――――――

・「公明党」の比例得票数の推移

2003衆議院 873万
2004参議院 862万
2005衆議院 898万
2007参議院 776万
2009衆議院 805万
2010参議院 763万
2012衆議院 711万
2013参議院 756万
2014衆議院 727万
2016参議院 757万
2017衆議院 697万
2019参議院 653万
―――――――――――――――――

比例代表だけで政権与党は、4議席分減らしたとみていいようだ。



これに対し、共産党は、前回参議院選挙よりも160万票減少。

―――――――――――――――――

・「共産党」の比例得票数の推移

2003衆議院 458万
2004参議院 436万
2005衆議院 491万
2007参議院 440万
2009衆議院 494万
2010参議院 356万
2012衆議院 368万
2013参議院 515万
2014衆議院 604万
2016参議院 601万
2017衆議院 440万
2019参議院 448万

―――――――――――――――――



社民党は、前回の参議院選挙よりも50万票減少。
―――――――――――――――――

・「社民党」の比例得票数の推移

2003衆議院 302万
2004参議院 299万
2005衆議院 371万
2007参議院 263万
2009衆議院 300万
2010参議院 224万
2012衆議院 142万 
2013参議院 125万
2014衆議院 131万
2016参議院 153万
2017衆議院  94万
2019参議院 104万


―――――――――――――――――



共産党と社民党の減少分は、山本太郎が獲得した票数に大体一致する。
共産党、社民党系の左派票は、前回の参議院選挙結果と変わりない。



民主党、民進党の流れはどうか?

―――――――――――――――――

・「民主党」の比例得票数の推移と分析結果

2003衆議院 2209万
2004参議院 2113万
2005衆議院 2103万
2007参議院 2325万
2009衆議院 2984万
2010参議院 1845万
2012衆議院  962万
2013参議院  713万
2014衆議院  974万

・民進党

2016参議院 1175万

・「生活の党」の比例得票数の推移

2013参議院   94万
2014衆議院  102万
2016参議院  106万

・希望の党

2017衆議院 967万

・立憲民主党の比例得票数の推移

2017衆議院 1108万
2019参議院  791万

・国民民主党

2019参議院  348万
 
―――――――――――――――――

前回参議院選挙の民進党得票数と生活の党の得票数を合算、今回の立憲民主党と国民民主党の得票数を差し引くと140万票減少している。



日本維新の会は、投票率が下がった程度の得票数減。
―――――――――――――――――

・「日本維新の会」の比例得票数の推移 

2012衆議院 1226万
2013参議院  635万
2014衆議院   834万
2016参議院  515万
2017衆議院  338万
2019参議院  490万

―――――――――――――――――

幸福実現党は、統一地方選挙にて議席獲得したものの、国政選挙への関心は今一つだったようだ。

―――――――――――――――――

・「幸福実現党」の比例得票数の推移

2009衆議院   45万
2010参議院   22万
2013参議院   19万
2014衆議院 25万
2016参議院   36万
2017衆議院  29万
2019参議院   20万

―――――――――――――――――



こうして眺めていくと、比例代表で大幅に得票を減らしたのは、政権与党、旧民主系だったことがわかる。

選挙シナリオ的にはこうなる。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

野党の主力、立憲民主党、国民民主党と分裂している状況で
増税緩和策とセットで消費税増税表明という、逆風を敢えて背負い(背負わされ?)
政治外交日程が立て込み
敢えて国会審議上の冒険ができない中で
外交実績で国民各層を安心させ
投票日直前には、韓国に対する輸出管理上の優遇措置撤廃により、嫌韓保守層を歓喜させ
低投票率の選挙を政権は選択した。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━



低投票率は、野党が分裂状態であるため、地方の選挙区選挙において、自公有利に機能した。

日経は、かく分析している。

―― 参考情報 ――――――――――

低投票率、参院比例で各党得票減らす 公明は27年ぶり600万票台
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO47633400S9A720C1PP8000/

―――――――――――――――――

自民党の「今回の得票率は前回より0.54ポイント低い35.37%だったが、獲得議席は変わらなかった」とする分析が、参考となる。



一言で言うと
自民党は、消費税増税表明という逆風を背負いながらも、立憲民主党、国民民主党と分裂している状況に助けられ、低投票率下において獲得議席を維持すべく、綿密な事前調査を行い、有効な選挙戦術を個別に見出し、改憲議席には達しないものの、無難な選挙結果となる様、仕上げたということ。

以上

この記事へのコメント

  • カオル

    諸派が国会に議席を得たのは、2001年制度改革後、初めてという事実

    今更の、周回遅れのコメントで、大変申し訳ありません。

    第199臨時国会が召集されました。

    N国党の立花議員は、抽選で、予算委員会配属になったとのこと。希望は総務委員会でしたが、むしろ、テレビ中継必至の、予算委員会に配属されて良かったと思います。

    更に、渡辺喜美参議院議員をまきこみ、統一会派「みんなの党」としました。日本維新の会を除名された、丸山穂高衆議院議員も、何らかの形で加わるようです。

    政治家たるもの、国会議員であることは勲章です。選挙に落ちれば只の人です。当選できるなら、誰とでも手を組むでしょう。

    それにしても、「れいわ新撰組」と「NHKから国民を守る党」が、諸派として初めて議席を得たことは、驚くべき事実、だと思います。

    ――――――――――――――――――――――――――――――
    れいわとN国「政党」に 諸派が議席、現行制度初 (写真=共同) :日本経済新聞
    https://www.nikkei.com/article/DGXMZO47633980S9A720C1PP8000/
    ――――――――――――――――――――――――――――――
    臨時国会が召集=山東参院議長を選出:時事ドットコム
    https://www.jiji.com/jc/article?k=2019080100109&g=pol
    ――――――――――――――――――――――――――――――

    宮城県選挙区で、選挙ポスターも満足に貼りきれなかった、N国党の新人候補が、36,321票(3.72%)を獲得しました。従来の泡沫候補とは、一線を画した得票数です。(比例区1名当選の理由は、YouTubeで得た資金を利用しての、大量立候補です)
    2019年08月01日 14:24
  • カオル

    N国の関連情報、以下のブログ記事は参考になります。

    ――――――――――――――――――――――――――――――
    N国党は「次なる選挙互助会」なのか | 新宿会計士の政治経済評論
    https://shinjukuacc.com/20190801-04/
    ――――――――――――――――――――――――――――――
    2019年08月01日 18:48
  • 市井の人



    >カオルさん
    >
    >諸派が国会に議席を得たのは、2001年制度改革後、初めてという事実
    >
    >今更の、周回遅れのコメントで、大変申し訳ありません。
    >
    >第199臨時国会が召集されました。
    >
    >N国党の立花議員は、抽選で、予算委員会配属になったとのこと。希望は総務委員会でしたが、むしろ、テレビ中継必至の、予算委員会に配属されて良かったと思います。
    >
    >更に、渡辺喜美参議院議員をまきこみ、統一会派「みんなの党」としました。日本維新の会を除名された、丸山穂高衆議院議員も、何らかの形で加わるようです。
    >
    >政治家たるもの、国会議員であることは勲章です。選挙に落ちれば只の人です。当選できるなら、誰とでも手を組むでしょう。
    >
    >それにしても、「れいわ新撰組」と「NHKから国民を守る党」が、諸派として初めて議席を得たことは、驚くべき事実、だと思います。
    >
    >――――――――――――――――――――――――――――――
    >れいわとN国「政党」に 諸派が議席、現行制度初 (写真=共同) :日本経済新聞
    >https://www.nikkei.com/article/DGXMZO47633980S9A720C1PP8000/
    >――――――――――――――――――――――――――――――
    >臨時国会が召集=山東参院議長を選出:時事ドットコム
    >https://www.jiji.com/jc/article?k=2019080100109&g=pol
    >――――――――――――――――――――――――――――――
    >
    >宮城県選挙区で、選挙ポスターも満足に貼りきれなかった、N国党の新人候補が、36,321票(3.72%)を獲得しました。従来の泡沫候補とは、一線を画した得票数です。(比例区1名当選の理由は、YouTubeで得た資金を利用しての、大量立候補です)


    野球の野村監督流の選手再生に近い動きをしているように見えます。
    2019年08月02日 05:40
  • 市井の人



    >カオルさん
    >
    >N国の関連情報、以下のブログ記事は参考になります。
    >
    >――――――――――――――――――――――――――――――
    >N国党は「次なる選挙互助会」なのか | 新宿会計士の政治経済評論
    >https://shinjukuacc.com/20190801-04/
    >――――――――――――――――――――――――――――――

    どんな流れで見ているのか、説明します。

    統一地方選挙にて、N国に自民党支持層の票が流れ、その分、自民党候補が落選した事実があり(過去記事参照)、その流れにおいて、和田政宗候補は、電波オークションを公約化しました。
    拙ブログは、自民党に改憲の可能性、NHKの弱体化を託すべく、和田候補支援を表明しました。

    先の参議院選挙の結果、政権との、スクランブル化、改憲とのバーター取引価値があるのは、衆議院の議席ではなく参議院の議席とみるのであれば、立花が狙う本命の選挙は、次期衆議院選挙ではなく、3年後の参議院選挙ではないかと予想します。

    次期衆議院選挙にて、N国は、一定の議席は有するでしょう。が、希望の党の時のように、政界再編を狙うような、大技を仕掛けることはしないと予想します。
    なぜなら、立花の目的は、欲を出さなければ、公約実現にあるからです。

    いずれにせよ、立花は、自分の価値が最大限高まる時に切り札を切るでしょう。
    それが、次期衆議院選挙なのか、3年後の参議院選挙の時なのか?ということです。

    私は、3年後の参議院選挙の時とみています。
    2019年08月02日 06:00

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