目的、目標、行動は一致していたのか?

本稿は、精神的スランプ状態にある、同志ブロガーに一読いただくことを想定したもの。




まず、用語の定義から始める。

目的とは何か。新明解国語辞典には、「行動する目標として考えられた、そう・したい何事か」と書いてある。少し言葉が踊っている気がする。活動論的に定義し直すと、「活動することにより、達成したい現象、実現したい事象に係わる、共有化するに値する目標」となる。

目標とは何か。新明解国語辞典には、「それからはずれまい、そこまで届こうとねらうもの」とある。いささか論理的でない気がする。活動論的に定義し直すと、「活動することにより、達成したいある事象に係わる数値状態、実現したい状態」となる。

行動とは、活動論的には、陳情活動(陳情文書、手紙、メール、FAX等)、抗議活動(電話、手紙、FAX、メール、街宣など)、周知活動(ブログ、ツイッター、街宣等)、裁判等の法的活動、各種支援活動等となる。




ブログ活動に焦点を当てたい。
拙ブログは、提案型ブログを指向している。
提案型とは、活動論的には、「目的に対し目標が規定され、目標達成のために陳情行動することを想定した言論活動」と定義できるかもしれない。




では提案型でないブログはどういう性格のものになるのか?
政治活動宣伝、営業PR、周知型、解説型みたいな分類が可能である。

瀬戸弘幸ブログは、明らかに、政治活動宣伝目的のブログである。
これに対して、新刊書を買って欲しい、有料講演会、有料メルマガのPRだらけの言論人のブログは営業PRブログとみていいだろう。やたらもったいぶったコメントが多い言論人の場合は、保守系言論人ではなく、保守を装ったビジネスマンブログであるという見立てになる。
周知型とは、「正しい歴史認識、国益重視の外交、核武装の実現」ブログ、「テレビにだまされないぞぉⅢ」ブログなどが該当する。非常によく情報収集していることは評価するが、ともすれば批判一辺倒となりやすい。かつての拙ブログもそうだった。わかりやすく説明することを信条とするブログもある。が、長年ブログやってみると、政治ブログに関心を持つ人は人口減の国日本においては、減少することは避けられない。その中で、小難しいことを書いているブログ場合、潜在読者数はさらに限定される。
解説型とは、「パチンコ屋の倒産を応援するブログ」、「よもぎねこです♪」ブログが該当する。思わぬ視点からの事象分析は秀逸であることは認めるものの、陳情を前提とするビジネス文書とは異なる。

対して、提案型ブログとは、目的、目標、行動を文章化することを想定している。官界の稟議書の提案理由欄に、陳情書にて書かれた文言がそっくり引用されることを狙いとして、その陳情書の下書き感覚でまとめることが多い。もちろん、提案理由なき提言書は、陳情文書としての要件を満たさない。実現したい事象について、なぜ実現したいのか、理由を記さない文書は、陳情事項に係わる官界稟議書の提案理由欄は、官界で編み出して書いて欲しいという甘えでしかない。
実現したいことがあって、意思決定に係わる理由づけ、根拠を行政側に丸投げするような陳情者は、(必要性を認める場合であっても)普通は相手にされるはずはないのである。




次に、「目的、目標、行動」が一致している、一致していないとは、何を指すのか?
説明を試みる。

たとえば、本の出版の営業PRの場合、出版記念イベントに異常に熱心に取り組む言論人が続出している。本を可能な限り売り、資金源とするか所得を得たいからだ。営業PR面に関して、目的、目標、行動は一致しており、不備はなさそうと言っていい。最近は、一部保守系言論人たちが、保守を装うビジネス作家にみえてしょうがない。

保守系団体の政治活動面ではどうか?
在特会系による「日韓断交デモ」を振り返りたい。「日韓断交」の目的は何だったのか。在日特権廃止と日韓断交が無関係なのかそうでないのか、今一つはっきりしない。その上で、「完全断交」という目標設定は現実的だろうか?どう考えても「不完全断交」状態しか実現しない。その「不完全断交」状態を達成するために、コリアンタウン化した新大久保方面でデモを行う意味はあるのか、、、ということなのである。結果として、ヘイト法を呼び込み、統一地方選挙ではNHKから国民を守る党に競り負けた。目標に対し、行動が一致していなかった可能性があるとみるのである。
がんばれ系による「NHK解体活動」はどうだったか?渋谷にある、NHK放送センター前で、日の丸を振りNHK解体と叫び続けたが、NHK解体の兆しはない。結果がでないことを見越した人が激増、NHKから国民を守る党の躍進に繋がった感じである。NHK解体を活動目的だとして、何を以て解体とするのか目標設定せず、街宣活動して今後も成果は得られるのか、、、ということなのである。活動継続それ自体が目的、目標とする、ガス抜きみたいな次元でいいのであろうか。
日心会の場合は、組織発足してまもまく、徳育的なものに、組織上の関心が最終的に集約、活動目標設定と年度計画がいつまで経っても設定されない状態に陥った。不思議に思った私は、年度計画を作成しないのかと質問、「そんなものはない。必要ない。」との趣旨の回答が代表からあり、直後に退会を促された。つい最近まで、ネット掲示板等で批判コメントが相次いだ。同時期、大量に退会を促された人たちの反発?は根強いようだ。

対して、瀬戸弘幸が率いる活動はどうか?活動論的に概ね成果が出ているものが多い。そうなる理由として、事案毎に、目的が明確に規定され、達成可能あるいは達成すべき現実的な目標が設定され、目標達成につながる行動を伴っていることを挙げたい。






最近、ボランテイア活動に参加した。参加して思うことだが、参加したいくつかのボランテイア活動は、目的、目標、行動がきちんと明確化され、主催者、参加者ともに共有化、一体化した中で行われていた。そこには、自己犠牲の精神で行動する人たちの世界があった。
究極の事例は、特攻攻撃なのかもしれない。日本本土への無差別攻撃を軽減するという目的のために、攻撃目標が設定され、空前の規模で特攻攻撃が実施された。靖国神社の本殿外に設置された掲示板にある特攻隊員の「言の葉」は、国家の目的、国家の目標のために、一命を捧げ任務を全うした方の最期の言葉であることがわかる。




保守活動にて、目的そして目標達成のための、任務性を自覚している言論人、活動家は、果たしているのか、、、
私が遭遇した仕事の世界においては、仕事を仕事として認識しない輩が大多数だった。残念なことだが。

突き詰めて考えていくと、
ひょっとすると生きる目的、目標に対し、日々の生活において随分無駄なことに金と時間と労力を費やしているのではないか
同時に、目的・目標・行動が一致する状態は、「任務性を認識した言行一致の人」でないと難しいのではないか
と書かざるを得ないのである。

以上



この記事へのコメント

  • カオル

    10月4日、臨時国会が開会されます。
    (ブログ記事内容と無関係なコメントで失礼します)

    「政界は一寸先は闇」(川島正次郎氏)の言葉通り、年末にかけて、何が起こるか、わかりません。天変地異(大地震などの大災害)、経済異変(ドイツ銀行破綻、ゴールドマン・サックスのしかけ)もあり得る世界。年内解散(衆議院解散・総選挙)の可能性が高まっています。

    ―――――――――――――――――
    来月4日、臨時国会 自民派閥、秋の陣 - 毎日新聞
    https://mainichi.jp/articles/20190924/ddm/005/010/066000c
    ―――――――――――――――――
    2019年09月24日 03:50
  • 市井の人



    >カオルさん
    >
    >10月4日、臨時国会が開会されます。
    >(ブログ記事内容と無関係なコメントで失礼します)
    >
    >「政界は一寸先は闇」(川島正次郎氏)の言葉通り、年末にかけて、何が起こるか、わかりません。天変地異(大地震などの大災害)、経済異変(ドイツ銀行破綻、ゴールドマン・サックスのしかけ)もあり得る世界。年内解散(衆議院解散・総選挙)の可能性が高まっています。
    >
    >―――――――――――――――――
    >来月4日、臨時国会 自民派閥、秋の陣 - 毎日新聞
    >https://mainichi.jp/articles/20190924/ddm/005/010/066000c
    >―――――――――――――――――

    異変続きであればあるほど、日頃から情報収集、分析をきちんとやっている政党に有利となると予想します。
    野党の動きを睨み、解散権をどのような論理、口実、タイミングで行使するのか。
    野党スキャンダル事案が投下されればベストと思いますが。
    2019年09月24日 08:30
  • カオル

    気になるブログがあり、ご紹介します。

    以下ブログ主は、以前は「FC2ブログサービス」を利用されていました。最近になり、思い立たれて、WordPressに切り替えられました。最近の記事のリンクを貼ります。初めての著書も発刊されています。「ネットで読めるGHQ焚書」などの注目記事があります。

    歴史逍遥『しばやんの日々』
    https://shibayan1954.com/
    一部を引用します。
    https://shibayan1954.com/degital-library/ghq-funsho/funsho-12/
    第二次世界大戦後日本へ進駐してきた占領軍(GHQ)が、昭和二十一年から二十三年(1946~48年)にかけて、当時わが国で流通していた書籍のうち7769タイトルの単行本やパンフレットを廃棄して日本人に読ませないようにしましたが、一部の書籍が現在『国立国会図書館デジタルコレクション』で無料で公開されています。
    2019年09月24日 08:55
  • 市井の人



    >カオルさん
    >
    >気になるブログがあり、ご紹介します。
    >
    >以下ブログ主は、以前は「FC2ブログサービス」を利用されていました。最近になり、思い立たれて、WordPressに切り替えられました。最近の記事のリンクを貼ります。初めての著書も発刊されています。「ネットで読めるGHQ焚書」などの注目記事があります。
    >
    >歴史逍遥『しばやんの日々』
    >https://shibayan1954.com/
    >一部を引用します。
    >https://shibayan1954.com/degital-library/ghq-funsho/funsho-12/
    >第二次世界大戦後日本へ進駐してきた占領軍(GHQ)が、昭和二十一年から二十三年(1946~48年)にかけて、当時わが国で流通していた書籍のうち7769タイトルの単行本やパンフレットを廃棄して日本人に読ませないようにしましたが、一部の書籍が現在『国立国会図書館デジタルコレクション』で無料で公開されています。

    しばやんブログ、在野で研究者レベルにあるものとして知っております。
    2019年09月25日 07:11

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