ハード指向・テレビ一強時代は終わった NHK不要論の根拠

かつて世界制覇状態にあった、日本製の電気製品は絶滅危惧種状態にある。
日本の技術を導入、安価でそれなりの品質だった、中韓の製品に市場を奪われた結果である。



携帯電話市場はどうだったか?
かつて強固なガラパゴス市場と言われたが、ドコモがアップル、サムソンを集中的に取扱ったため、日本メーカーは市場を奪われた。日本メーカーは不要な機能が多かった。その一つがワンセグ。
そもそも私は、ワンセグを必要としなかった。使ったこともないし、使い方を知らない。お財布携帯もそれほど必要としない。
しかし、日本メーカーは、ワンセグ、お財布携帯、防水機能、すべてをハイスペックセットで売ることにこだわった。

結果、ハイエンド製品だらけとなり、中韓との価格競争に敗れた。
ともすれば、日本企業は付加価値で競争することを選択したがる傾向にある。




しかし、その付加価値とは、市場が歓迎し、顧客が望んだ、付加価値だったのか?

必ずしもそうは思えない。

長引くデフレ、団塊世代が相次いで現役引退、その子供世代は就職氷河期世代となり、ハイエンド製品群が売れず、代わりに、最低レベルに少しマシな機能を足した程度の中間価格帯の製品が売れだした。
供給したのは、台湾、韓国、中国系企業。

この時期、国産品で欲しい機能だけを装備した製品が見当たらず、やむなく、防水機能なしの台湾製スマホを購入した。その後、シャープや富士通が、中間価格帯の製品を投入し始めた。

メーカー本社の製品開発本部に、電話をかけ、「日本の携帯市場に本当に必要な、日本製としての価値が認められるのは、とにもかくにも頑丈で無駄のない、建設工事現場あるいは外回りする役所の人が使いこなせる携帯ではないか」と要望(陳情)したこともある。

その企業は、今もそのコンセプトを踏襲した製品を出し続けている。



陳情とは、官庁に限定するものではない。必要と判断した時に、国益を考え、企業に対しても行うこともある。




さて、通信業界の覇者、NTTが構造改革を進めるとしている。

―― 参考情報 ――――――――――

NTT、数千人規模の構造改革へ 海外統括会社で100人削減 
https://www.sankei.com/economy/news/191224/ecn1912240001-n1.html

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今まで、通信メーカーに御輿を担がせ、御輿の上で殿様として振る舞い、消費者に買わせた債券を無価値なものにする一方で、天下りを大量にメーカー等に受け入れさせるなど、業界村の支配者として君臨してきた重厚長大型企業が、サービスを売る方に方針転換するそうである。

これは何を意味するのか?

モノを売ることにこだわればこだわるほど価格競争に飛び込み、自ら消耗戦に投じることとなる。
ホテル業界は、伸び続ける外国人観光客数を背景に、価格競争をやめつつある。
市場は、モノではなく、満足できるサービスを求めている。

日本企業は、やっと供給者の論理で売ることを諦めたようである。

GAFAの世界制覇を目の当たりにし、付加価値製品ではなく、サービスという価値の重要さにやっと気づいたようである。
同様の変化は、電気事業においても起きつつある。

―― 参考情報 ――――――――――

「新しいコミュニティの形を創る」中部電力事業創造本部の挑戦
https://www.sankei.com/economy/news/191213/ecn1912130001-n1.html

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高度成長期時代は、とにかく設備投資すること、工場をつくることが至上命題だった。作れば作るほど売れた、幸福な時代だった。

しかし、今は違う。
シャープがあのように身売りせざるを得ない事態となったのは、あくまで高度成長期路線を踏襲、高価格帯かつ高機能の製品販売にこだわった結果である。



諸外国との比較で、過去30年間くらいの国民一人当たりのGDPや所得水準の変化?などを調べていれば、高価格帯かつ高機能の製品販売路線は、無理があることくらい自明なはずなのだが。
最終的に、日本市場は、外圧等もあり、規制緩和、自由化を是とする、新規参入事業者が増え、多くの分野で価格競争が激化した。その一方で、人口階層全体の高齢化、少子化の進展、就職氷河期などの時期もあり、高価格帯製品を必ずしも必要としない階層が増えている。

無理をして高価格帯の製品を買う必要はないことに、多くの人は気づきつつある。
携帯市場は、こうした過程を経て、国産メーカーはソニー、シャープ、富士通、京セラが青息吐息で事業継続、覇者だったはずのアップルもかつてほどではない。その一方で、中華スマホの躍進は目覚ましい。



次に、ワンセグ絡みで放送事業のガラパゴス現象について述べたい。制度的には、受信料制度が該当する。

私は、国家規模で効率化が見込めるターゲットはNHKとなるとみている。

総務省情報通信白書を参照したい。テレビ視聴時間で、10代と60歳台に、驚愕すべき差があること、ご存じであろうか?



・10歳台の平日のテレビのリアルタイム視聴時間は、この数年間で、102.5分から73.3分に激減
・60歳台の平日のテレビのリアルタイム視聴時間は、この数年間で、257分から253分に微減



―― 参考情報 ――――――――――

主なメディアの利用時間と行為者率 平成30年
https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h30/html/nd252510.html

主なメディアの利用時間と行為者率 平成26年
https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h26/html/nc253210.html

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10代と60代の、リアルタイムのテレビ視聴時間に四倍くらいの差が発生している。

あと二十年もすれば、テレビがない世帯が激増するはずである。
テレビを必要とする人は、高齢者だけの時代に突入するのである。

かような、インターネットの普及、スマホ市場拡大、変遷などから、相対的に、テレビの視聴時間は減る。NHKの事業規模拡大の余地はまったくない。
それでもやるとすれば、介護サービスと称して、介護対象世代に放送枠を確保するしかなくなる。介護サービスを受ける人が、スクランブル受信すればいいという論理が生まれる。



国民は、もうNHKを必要としていない。代替手段はいくらでもあるしどんどん増えている。
既に、電波の世界において、テレビ一強の時代は終わりつつある。

NHKとテレビ業界の蜜月状態維持のために、携帯メーカーがワンセグを搭載する必要はないはずである。テレビ視聴時間の減少は、総務省や電気機器メーカーがテレビ利権維持のために、NHKの研究所に開発技術を依存する必然性が消滅したことを意味する。



7000億もの税金のような性格の金を、(社会的に不要となりつつある)NHKの維持のために吸い上げることは、社会経済的に合理的なのか。




スマホ複数台、タブレット、パソコンを所持されている方なら、テレビの視聴時間は、上記の10代の統計数値レベルで、激減したはずである。私も激減した。テレビ視聴時間は10年前の三分の一以下。一週間でテレビをつけない日が半分くらいある。

スマホもタブレットもパソコンがない時代の、平均的な一日のテレビの視聴時間が仮に4時間
スマホ、タブレット、パソコンを見る人の、テレビの一日の視聴時間が1時間に減ったと仮定すると、
受信料を原資として放送する事業者の売り上げは、四分の一に減らすべきであり、残りの四分の三の資金は、国家としての競争力確保のための原資として別用途に廻されるか、内需拡大のため可処分所得増とすべきなのである。

こういう当たり前の道理を理解できない、NHKの役員、経営委員、総務省職員、審議会委員たちは、意識改革されるべきなのである。

NHK新会長に対し、職務上、直視させるべきことは、一人当たりのテレビ視聴時間のことなのである。


以上



この記事へのコメント

  • Suica割

    折り畳み携帯電話型スマートフォンを出さない時点で日本メーカーはセンスねえと思ってました。
    もう、数年早ければ、買ってたんですけどね。
    2019年12月25日 09:30
  • 市井の人



    >Suica割さん
    >
    >折り畳み携帯電話型スマートフォンを出さない時点で日本メーカーはセンスねえと思ってました。
    >もう、数年早ければ、買ってたんですけどね。


    そういうニーズ結構あるようですね。
    2019年12月25日 13:35

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