感染症対策強化のための省庁再編(提言)

本稿は、政府として、将来的にコロナウイルス等新種のウイルス対策、生物化学兵器によるテロ攻撃など、感染症対応強化の必要性から、組織的に肥大化し意思決定等対応の遅れが懸念されている厚生労働省の組織見直しについて、関係省庁との連携強化の視点から提言するもの。



まず、厚生労働省組織図をご覧いただきたい。

https://www.mhlw.go.jp/wp/publish/pdf/p04.pdf

厚生労働省組織図.jpg


一目で気がつくことは、健康保険、年金、雇用保険等、かなりの組織・予算規模であることだ。また、膨大な予算があることは利権がくっ付いているとみなせば、族議員、天下りが自由きままにやれる余地を減らすしかない。そういう意味で、組織体制を見直すことはままある。

私が問題視するのは、厚生労働省のコロナウイルス関連情報の読みにくさである。とにかく、読みにくい。一般向けに説明するのに、この様式でいいのかと思う。法令も読みにくいものだらけ。指定感染症の指定に係わる法令もしかり。どうしてそうなったのか、どういう経緯でそうなったのかと思うほどだ。その点、新興官庁の環境省や消費者庁の条文の方が読みやすい。

広報資料の読みにくさ、法令の読みにくさは、前例踏襲型の省庁であることを意味する。だから、新種の事案への対応がどうしても遅れてしまうという見方に繋がる。



職員全員入れ替える訳にもいかないため、新しい風を吹き込むしかない?との判断となる。

すなわち、厚生労働省を、旧厚生省機能と旧労働省機能に分割することを基本として、組織的に感染症対策強化に繋がる組織デザインとする必要がある。

ただし、現業の保健所、救急医療組織をいじる必要はない。

―― 参考情報 ――――――――――

救急医療体制の現状と課題について
https://www.mhlw.go.jp/content/10802000/000328610.pdf

保健所管轄区域案内
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/hokenjo/

―――――――――――――――――

ここで、省庁組織の区割り実態と絡め、二つの視点からあるべき姿を模索したい。



・感染症は、今や国家規模の災害と認識すべき災禍となった。災害と言うと、消防庁が対応組織として位置づけられている。国家規模の災害の統括が総務省、個別感染症の包括対応が厚生労働省、個別患者の救急救命搬送活動が総務省管轄。役割区分がオセロみたいに入り組んでいる。感染症対応上、現業から本省まで一本化した方が対応強化となることは明らかだ。

・次に考えなくてはならないことは、生物化学兵器等による、水源地や湖沼の水質等、大気を含めた広範囲な汚染である。国家規模で水質汚染を所管するのは、環境省。環境省は水質基準を定めている。


つまり、国家的規模での災害レベルの感染症対応、生物化学兵器等によるテロ・攻撃を想定した場合、しかるべき要員を確保、迅速に対応しつつ、国民各層に的確に広報・支援活動を行える組織が必要となる。



そのために、省庁組織の再編を以下に提案する。

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国家規模の災害レベルの感染症、生物化学兵器等の攻撃を受けた場合の対策としての、省庁再編(案)


・厚生労働省を旧厚生省機能と旧労働省機能に分割
・旧厚生省機能、消防庁、環境省を統合
・名称は、保健衛生省とし、環境省、消防庁を外局とする

※国家規模の災害全般の司令塔機能は、総務省に残す


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なお、旧労働省機能については、消費者庁、少子化担当等と合体させ、名称を「生活労働省」とすることが考えられる。


感染症対策で、省庁再編と併せ、急ぎ実現いただきたいことは、以下の四点。

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国家規模の災害レベルの感染症、生物化学兵器等の攻撃を受けた場合の対策として、実施を急ぐべき事項(案)

・(未知の)感染症患者を収容する専門施設の確保(病院船など)
・病床不足に備え、地方中核都市の公立病院を感染症隔離施設として一定枠を確保
・(未知の)感染症患者や隔離必要な人を輸送する専門輸送手段を確保(クルーズ船等からの1000人規模の搬送を想定)
・特定の大学医学部において、感染症専門の学科を新設(感染症の専門家を育成)

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予算増への対策として、国立大学の統廃合、文系学科の廃止、大学附属病院の規模縮小等の対策が考えられる。また、(軽症で、感染症であると主張し)病院を何箇所も回る習性ある患者については、保険料を引き上げるべきであろう。

とりあえずの案であるが、こうすることで、保健行政、環境行政、消費者行政、少子化対策等、縦割りでバラバラ感あった組織改革にはなると思う。


以上

この記事へのコメント

  • Suica割

    厚生労働省の分割には賛成ですね。今はあまりにも広範な領域を任せ過ぎているように思います。
    大学附属病院を特定感染症の管理施設にする。
    薬事については、保険適用以外の分野は消費者庁の管轄に振り分ける。
    生物兵器攻撃を考えるなら、防衛省に割り振る分野の決定をどうするか?
    課題も多いですし、再編プランも多いですね。
    2020年03月20日 13:59
  • 市井の人



    >Suica割さん
    >
    >厚生労働省の分割には賛成ですね。今はあまりにも広範な領域を任せ過ぎているように思います。
    >大学附属病院を特定感染症の管理施設にする。
    >薬事については、保険適用以外の分野は消費者庁の管轄に振り分ける。
    >生物兵器攻撃を考えるなら、防衛省に割り振る分野の決定をどうするか?
    >課題も多いですし、再編プランも多いですね。
    >

    大学付属病院、癌センターでの癌研究を50%程度削減することは考えておくべきでしょう。

    防衛省に割り振る分野の件ですが、出稿準備中のテーマの中に、Suica割さんが関心を持ちそうと思われるものがあります。しばらくお待ちください。
    2020年03月21日 11:55

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