文句と不満を表明しただけで解決になるのか?

本稿は、教科書検定に係わる事案についての活動論的視点からの提言。


教育関係のことになると、ネット界は語りたがる人が増える。一般人が語ることを私は問題視しないが、教育関係の保守系団体関係者が、文句と不満程度の次元のことを語ることについて、私は違和感を持っている。



何を以て、文句と不満程度と言うのか?
一例を挙げるとすると、下記事案に係わる文科省の決定について、検定結果を変えられる具体的根拠と手順を示さず「納得できないという程度の意見」を述べる行為についてである。

―― 参考情報 ――――――――――

「従軍慰安婦」の呼称復活 中学校教科書検定 自虐色強まる傾向も
https://www.sankei.com/life/news/200324/lif2003240040-n1.html

―――――――――――――――――



残念なことであるが、上記に係わる文科省の決定、行政手続き的には違法性ない?可能性がある。

これは、公務員あるいは行政機関対応経験者でないとわからないことである。学者には理解不能だろう。



しかし、何かにつけて、愛国だの保守だのという言葉を使いたがる、言論人、活動家たちはそうは思わない。そこに、行政機関と愛国保守主義者の「認識の乖離」が生じる。

行政機関として、文科省は、法を整備、教育委員会を統括、学習指導要領を策定、予算概要を示しつつ執行、重要手続きに際しパブリックコメントも実施している。



しかし、大多数の言論人、活動家たちは、これらについて、熟知しているとは思えない。(私見)

教育分野の専門家でもそうだと思うことがある。

教科書の専門家であるとするなら、当然、熟知、実行すべきと考える事例を以下に示す。



━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

・文科省HPの日常的な把握

・文科省所管の法令の理解

・学習指導要領等の理解

・上記法令、学習指導要領等に係わる、必要な問合せ

・パブリックコメントへの参加

・必要と判断した陳情行為の実施

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私はどうしてきたか。話題になった場合等、文科省HPを読み、法令を調べ、文科省に電話で問合せくらいはした。数年前に話題となった、教科書検定について、文科省人事担当に、教科書調査官について懲戒処分が適用となる法令等の所在について問合せ、確認くらいはした。

―― 参考情報 ――――――――――

審議会委員と教科書調査官の役割や選任について
https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/tosho/003/gijiroku/08090901/006.htm

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ただ、「教科書調査官選考基準」に基づく適切な人選でない可能性はあるかもしれない。



また、私は、過去に行われた、学習指導要領改訂等のパブリックコメントに際し、教育団体関係者たちが、教科としては歴史しか読んでいなかったようにみえたので、一応全科目さらっと読んだ。そのうえで、各教科比較した感想の位置づけとして、パブリックコメントに意見提出を行った。

私は、自分で自分のことを愛国者だとか保守主義者とは思っていない。思っていないが、意見提出にあたり、文科省HP、法令、学習指導要領等は、必要と判断した都度、読んでいる。(読むようにしている)

また、私は、自腹で、平成元年度版の「高等学校学習指導要領解説 国語編」を購入した。民間人が見向きもしない本である。購入したのは、文章作法本として面白いと思ったこと、作文力の向上に繋がると考えたからである。




当然の事ながら、教科書を執筆しようと考える立場に立つと、これら学習指導要領と解説を読破、理解する必要が出てくる。

これを熟知せず、理解せず、他社教科書を含め、過去の検定結果を受け入れず、文科省職員が思想的に偏向しているという態度を示した場合、文科省は、イデオロギー指向の教科書(歴史修正主義を含めて)として扱うことになる。(だろう)

文科省は、所定の行政手続きを踏んで教科書検定しているとみなくてはならない。


不満なら、文科省HP、法令、学習指導要領等は読破、他社教科書の記述も熟知し、教科書執筆していたのか、ということになる。


私の論点はこうなる。

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・愛国でないよりは愛国であるべきだ。保守でないよりは保守であるべきだ。
・しかし、愛国である、保守であると語る前に、文科省HPや法令を読み、わからないなら、判断に迷うことがあるなら文科省に問合せすべきである。
・過去において(記述に問題がある)他社の教科書が検定合格したことを問題視、陳情すべきだった。
・教科書調査官の判断、決定を問題視するなら、調査官の選定過程を問題視すべきだった。
・手がけた教科書検定結果について、不満なら、以前のパブリックコメントのほとんどについて、調べ、問題点を指摘し、声明を出すべきだった。


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ここで、提案したいことがある。

いつまでも負け戦を続ける必要はまったくないと考えると、陳情行為に無関心、かつ法律や関連情報について調べて語ろうとしない、負け戦続きの言論人に肩書を与える必要はあるのか。


危機意識を持つなら、(大東亜戦争時代のアメリカ海軍を見習い)負け戦続きの指揮官は予備役扱いとし、若く戦闘意欲ある言論人・活動家に活躍の場を与えるべきだ。

愛国であろうとするよりも、保守であろうとするよりも、よく学びよりよい成果を出すことが国益的に重要と考えるのである。

以上



この記事へのコメント

  • Suica割

    如何に説得するかという観点に欠けてるように思います。
    N国の議席確保という、一定の成果は強制的に受信料を一団体が巻き上げるのは如何なものかという点で人を動かすことが出来たお蔭です。
    2020年03月25日 16:21
  • Suica割

    上は日本の保守の話です。
    左に習ったはいいけど、理屈を語って人を動かす所まではいっていない。
    だから、押されぎみですね。
    逆にノンポリからは左と同じように思われている。
    2020年03月25日 17:33
  • 西

    せめて法律面から当時、「公娼制度」自体は「合法」だった事、仮に生活苦でやむなく「娼婦」の仕事に就いていた者がいたとしても、それは「政治の責任」ではあっても「法の責任」ではないこと、そもそも80年代になるまで、日韓基本条約締結時を含めて韓国側は何も問題にしていなかったにもかかわらず、吉田正治と朝日新聞の記事が発端で、実際には存在しない慰安婦問題が発生した事(後にアサヒはデマを認めた)などを証拠にするべきだったと思います。

    南京事件に至っては、発端が「デマ(そもそも信憑性が怪しい証言が大半)」であり、他に証拠らしい証拠もなく、創作物の類に過ぎない証拠(当事者の証言の信憑性、当時の南京の人口増減から原理的にあり得ないなど)を提示することなど、様々な対応策があったと思います。

    しかし、保守系言論人の多くがそれをやっていない。少なくとも証拠としての効力が十分足りうるものはたくさん存在するにもかかわらず、提示をしていないのは奇異だと思います。

    正直、こちらも文科省などの「お役所論理」も理解できない側面は多いのですが、言論人もそのあたりを理解していない者が多いように思えます。

    普通、存否を含めた論争中の懸案である「従軍慰安婦(そもそもこうした軍事用語は戦時中の陸軍の資料には実在せず、吉田正治が捏造した言葉に過ぎない)」や「南京事件(これは存在自体が疑問視されている)」が歴史教科書に復活した経緯はどう見ても「歴史学」の観点からしても不可解としか言いようが無いでしょう。

    検定官の素性や文科省の担当官を含めた、教科書検定の選定過程の公開など、適正調査が必要不可欠になるのは間違いないと思います。
    2020年03月26日 02:35
  • 西

    正直、教育出版の記述が許容範囲(一応、「占領」という表現に問題があるものの(当時支那は内戦中で、「国家」ではなかったため、「占領」扱いではなかった)、犠牲者については、流れ弾に当たった可能性があるなど、事故によるものと考えることもできる表現であるため)で、次点が育鵬社(ただ、「日本軍によって」というのはおかしな表現で、実際には国民党軍による支那人民の殺傷数のほうが多い)、他のは「日本軍側によって」という表現におかしなところが多いが、学び舎に至っては「国際法に反して(国際法違反は問われていないはず)」という、そうした「歴史事実が無い」と思われる記述が存在するなど、問題が多すぎますね。

    正直、何故こんな「曖昧な解釈」が可能な表現にしているのかと思います。

    検定官の素性だけでなく、教科書執筆者の表現意図も調査するべきではないかと思いますね。少なくとも、教科書執筆者などが当時の「法律(国際法)」を理解しているのかどうかという点も重要ではないかと思いますね。
    2020年03月26日 02:54
  • 西

    更に国民党軍自体は支那人民を守るために戦っていた「国軍」ではないため、実際に、支那人民が軍事作戦の邪魔になるのであれば、弾除け、情報工作の「コマ」にしていますし、国民党軍がまるで「国防軍」のような扱いになっているのもおかしい。

    政治的な事情を一切無視すると、色々と「現実」から乖離したような記述が増えてしまうのは間違いないでしょう。

    2020年03月26日 03:00
  • 市井の人



    >Suica割さん
    >
    >上は日本の保守の話です。
    >左に習ったはいいけど、理屈を語って人を動かす所まではいっていない。
    >だから、押されぎみですね。
    >逆にノンポリからは左と同じように思われている

    教科書検定と言っても、許認可対応と同じです。反抗的な態度では、通るものも通りません。一派の関係者の中に、文科省職員に対し、高圧的な振舞いの方がおられることを知っております。
    2020年03月26日 17:12
  • 市井の人



    >西さん
    >
    >せめて法律面から当時、「公娼制度」自体は「合法」だった事、仮に生活苦でやむなく「娼婦」の仕事に就いていた者がいたとしても、それは「政治の責任」ではあっても「法の責任」ではないこと、そもそも80年代になるまで、日韓基本条約締結時を含めて韓国側は何も問題にしていなかったにもかかわらず、吉田正治と朝日新聞の記事が発端で、実際には存在しない慰安婦問題が発生した事(後にアサヒはデマを認めた)などを証拠にするべきだったと思います。
    >
    >南京事件に至っては、発端が「デマ(そもそも信憑性が怪しい証言が大半)」であり、他に証拠らしい証拠もなく、創作物の類に過ぎない証拠(当事者の証言の信憑性、当時の南京の人口増減から原理的にあり得ないなど)を提示することなど、様々な対応策があったと思います。
    >
    >しかし、保守系言論人の多くがそれをやっていない。少なくとも証拠としての効力が十分足りうるものはたくさん存在するにもかかわらず、提示をしていないのは奇異だと思います。
    >
    >正直、こちらも文科省などの「お役所論理」も理解できない側面は多いのですが、言論人もそのあたりを理解していない者が多いように思えます。
    >
    >普通、存否を含めた論争中の懸案である「従軍慰安婦(そもそもこうした軍事用語は戦時中の陸軍の資料には実在せず、吉田正治が捏造した言葉に過ぎない)」や「南京事件(これは存在自体が疑問視されている)」が歴史教科書に復活した経緯はどう見ても「歴史学」の観点からしても不可解としか言いようが無いでしょう。
    >
    >検定官の素性や文科省の担当官を含めた、教科書検定の選定過程の公開など、適正調査が必要不可欠になるのは間違いないと思います。

    自民党の部会で、検定官の素性の追及が為されると予想しますが、法律や学習指導要領を読み込んでなさそうな教科書執筆者に勝ち目は果たしてあるのか、疑問です。
    2020年03月26日 17:15
  • 市井の人



    >西さん
    >
    >正直、教育出版の記述が許容範囲(一応、「占領」という表現に問題があるものの(当時支那は内戦中で、「国家」ではなかったため、「占領」扱いではなかった)、犠牲者については、流れ弾に当たった可能性があるなど、事故によるものと考えることもできる表現であるため)で、次点が育鵬社(ただ、「日本軍によって」というのはおかしな表現で、実際には国民党軍による支那人民の殺傷数のほうが多い)、他のは「日本軍側によって」という表現におかしなところが多いが、学び舎に至っては「国際法に反して(国際法違反は問われていないはず)」という、そうした「歴史事実が無い」と思われる記述が存在するなど、問題が多すぎますね。
    >
    >正直、何故こんな「曖昧な解釈」が可能な表現にしているのかと思います。
    >
    >検定官の素性だけでなく、教科書執筆者の表現意図も調査するべきではないかと思いますね。少なくとも、教科書執筆者などが当時の「法律(国際法)」を理解しているのかどうかという点も重要ではないかと思いますね。

    教科書執筆者の資格要件については、過去数年間、陳情する機会があったはずですが、当該団体は動きませんでした。普段、何をしているのかと思うほどです。
    文科省法令を読まず、愛国だ保守だと騒いでいるだけのように見えます。
    教科書検定結果をパブリックコメントするという手順はあるかもしれません。
    2020年03月26日 17:19
  • 市井の人



    >西さん
    >
    >更に国民党軍自体は支那人民を守るために戦っていた「国軍」ではないため、実際に、支那人民が軍事作戦の邪魔になるのであれば、弾除け、情報工作の「コマ」にしていますし、国民党軍がまるで「国防軍」のような扱いになっているのもおかしい。
    >
    >政治的な事情を一切無視すると、色々と「現実」から乖離したような記述が増えてしまうのは間違いないでしょう。
    >
    >

    この辺、時系列的に押さえた、いい歴史書がなかなかありません。日記帳のものはありますが、少々難解だったと記憶します。
    従って、教科書執筆者の主観が入り込みやすくなると思われます。
    2020年03月26日 17:21
  • 歴史の真実

    確かに日本は法治国家ですから法的手続きが重視されるべきであることは言うまでもありませんが、先ずは大前提として、「法」の前には必ず「道徳」があるということをブログ主もお忘れではありませんか?
    「真実」を無視して「虚偽」を認めるというのは、「法的手続き」以前の問題として「人の道」即ち「道徳」に反することではないのですか?
    現在の日本は、マルクス主義的階級闘争史観と反日イデオロギーを強引に当てはめた歪んだ戦後教育のせいで、本来の「人の道」「道徳」に反する「法」があまりにも罷り通り過ぎています。
    「法」を作る側の「官僚」も「政治家」も、あまりにもレベルが低過ぎるのです。
    昔から悪貨は良貨を駆逐するといいますが、同様に悪法も善法を駆逐するのです。

    東京裁判インド代表パール判事は、最後にこう仰っています。
    「復讐の欲望を満たすために、単に法的手続きを踏んだに過ぎないというようなやり方は、国際正義の観念とはおよそ縁遠い。こんな儀式化された復讐は、瞬時の満足感を得るだけのものであって、究極的には後悔を伴うことは、殆ど必然である。」
    2020年03月27日 10:31
  • 市井の人



    >歴史の真実さん
    >
    >確かに日本は法治国家ですから法的手続きが重視されるべきであることは言うまでもありませんが、先ずは大前提として、「法」の前には必ず「道徳」があるということをブログ主もお忘れではありませんか?
    >「真実」を無視して「虚偽」を認めるというのは、「法的手続き」以前の問題として「人の道」即ち「道徳」に反することではないのですか?
    >現在の日本は、マルクス主義的階級闘争史観と反日イデオロギーを強引に当てはめた歪んだ戦後教育のせいで、本来の「人の道」「道徳」に反する「法」があまりにも罷り通り過ぎています。
    >「法」を作る側の「官僚」も「政治家」も、あまりにもレベルが低過ぎるのです。
    >昔から悪貨は良貨を駆逐するといいますが、同様に悪法も善法を駆逐するのです。
    >
    >東京裁判インド代表パール判事は、最後にこう仰っています。
    >「復讐の欲望を満たすために、単に法的手続きを踏んだに過ぎないというようなやり方は、国際正義の観念とはおよそ縁遠い。こんな儀式化された復讐は、瞬時の満足感を得るだけのものであって、究極的には後悔を伴うことは、殆ど必然である。」
    >


    私の記事の最後の方にて、世代交代すべきだと書いたので、それがお気に召さず、道徳の話を持ち出されたのだろうと推測します。
    中国哲学的には、論語よりは韓非子に傾倒しております。
    2020年03月28日 14:23

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