工場至上主義の弊害

トヨタの株式時価総額がテスラに抜かれたそうだ。

―― 参考情報 ――――――――――

米テスラ、トヨタ抜き首位 時価総額22兆円、新旧交代
https://www.sankei.com/economy/news/200702/ecn2007020005-n1.html

テスラ株、3日連続で最高値 4~6月の販売堅調
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO61107010T00C20A7000000/

トヨタを超えたテスラ 株高支える買い手の変化
https://www.nikkei.com/article/DGXLASFL02HN1_S0A700C2000000/

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この現象は何を意味するのか?


モノづくり日本の精神、良品を市場や顧客に供給する多くの日本企業の姿勢を否定するものではないが、企業の広報・イメージ戦略、株式価値を高めることに秀でた上記テスラ事例を示されれば、とかく堅実さが目立つトヨタも少しは変わらざるを得ないのではないか。


どういうことか。トヨタは基本的に高度成長期路線を踏襲しつつ生き残った最後の大企業と私はみている。

以下にて、高度成長期に日本が経済発展できた秀逸な分析が読める。


―― 参考情報 ――――――――――

高度成長期の生産性が高かった理由
http://gendaishi.jugem.jp/?eid=1249

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確かにトヨタは企業として隙はない。隙がなさ過ぎて、呆れるほどだ。緊急で市場向けにマスクくらい生産できる資金力、途方もない企業ネットワークあるのに、グループ企業向けにマスク供給限定した報道には正直呆れた。以前から、社内論理(名古屋地域の発展が他地域の発展よりも優先を含む)がどんな場合でも最優先(国益よりも優先)という企業姿勢という印象があり、私は、トヨタ車だけは乗らないできた。

車を実用本位で選ぶ人、イメージ重視で選ぶといると思う。私は、後者のタイプ。せっかく高い買い物をするのだから自分のライフスタイルに合い、後々記憶に残る車であるべきと考えた。


視点を変えたい。

ネットビジネス、スマホビジネス的には、グーグル、フェイスブック、アップルなど、アメリカIT企業の独壇場みたいになってしまった感がある。


こうなってしまったのは、高度成長期が終了した今においてさえ、製造業がかつてのような工場モデルにこだわり続け、国際市場にて相対的に生産性低下したことが挙げられる。


出口治明は「知的生産術」という本にて、かく述べている。

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はじめに
5頁

「知的生産性」を高めれば、自分も働き方も変わる

「生産性を上げる」とは、「時間当たりの産出量を増やす」ことです。言い換えると、「人が成長すること」と同義だと思います。

6頁

生産性を上げるとは、

・「同じ仕事をより短い時間でこなすこと」
・「同じ時間でたくさんの量をこなすこと」
・「同じ時間で仕事の質を高めること」
であり、それはすなわち、人が「成長すること」を意味します。


11頁
貧しくなるのが嫌なら、知的生産性を高めるしかない。
日本は、「世界一進んでいる高齢化で、何もしなくてもお金が出ていく」という状況に置かれています。

12頁
・「何も改革を行わず、みんなが貧しくなるか」(黙って出費を受け入れるか)
・「知的生産性を高めて、経済成長するか」(出費分を補う工夫をするか)
の2択を迫られているのが、今の日本です。

24頁
なぜ、働いても働いても、日本は豊かにならないのか?

今の日本の状態は、「骨折り損のくたびれ儲け」
日本の時間当たり労働生産性は、OECD(経済協力開発機構)加盟36ヵ国のうち、20位。就業者ひとり当たりの労働生産性は21位で、OECD平均を下回っています。

26頁

・日本 2000時間以上働いて、実質GDP成長率は0.9%
・ユーロ圏 約1300~1500時間働いて、実質GDP成長率は1.9%

バブル崩壊後、この四半世紀の労働時間と実質GDP成長率をながめると、日本はユーロ圏よりも長時間働いているのに、成長率が低いことがわかります。

||||| ここまで引用 |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||


働いても働いても社会全体が豊かさを共有できない社会、変だとしか言いようがない。

私は、この生産性の低さは、言論活動そのものの生産性の低さと連動しているとみている。

―― 参考情報 ――――――――――

言論活動の「生産性の低さ」の問題
https://sokokuhanihon.seesaa.net/article/476051787.html

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世の中を変えたい、社会変革したいとする言論界が、実は、(具体的方策としての各論を示してしない点において)生産性がない、感想文型言論活動だったことと関係があるとみていいだろう。

||||| ここから引用開始 |||||||||||||||||||||||||||||||||||

https://sokokuhanihon.seesaa.net/article/476051787.html

Suica割

令和新撰組やN国がそれなりに成果得ている原因が主張がしっかりれていること。主張が稚拙という言論人がいるが、俺は何をやるから、助けろと彼らはしっかりお願いしている。
文句いうだけの口先人間よりも、正面から戦う戦士に人は何かを望む。
彼らが好きにしろ嫌いにしろ、岩影部隊長でなく、前線指揮官だから支持したり、力量は認めたりする。
俺は、評論家も元議員の方が信じる気になる。
戦わないヤジ将軍の時代は終わりの始まりなのかもしれない。
2020年07月03日 23:00

||||| ここまで引用 |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||

感想文型保守系言論人≒(批判スキルだけで、問題だー、問題だーと騒ぐ程度の、、、)ヤジ将軍かもしれないと疑っておく必要がある。読み物満載と思われている産経新聞でも、拙ブログで紹介したくなるレベルでの論説記事は全体の1割程度という意味。


産業界はどうか。

相変わらず、工場モデルに依存、今や白物家電は中国企業に呑み込まれてしまった。

ネットビジネスやスマホ分野でグーグルやアップルのような世界的企業が日本にいつのまにかなくなったのは、サラリーマン経営者たちが工場モデルしか思い浮かばなかった結果であろう。


私は、すべての企業に工場モデルを捨てるべきだと書いているのではない。テスラのような、広報・イメージ戦略で企業価値を高めようとする(野心的?)経営手法を採用する企業は少しくらいあってもいいのではないかという意味である。


では、個々個人としてどうすべきか?
個々個人ができる次元のこととして、「知的生産術」にて、「工場モデル」からの脱却方法について、かく提言がある。

||||| ここから引用開始 |||||||||||||||||||||||||||||||||||

34頁
「工場モデル」から脱却しなければ、働いても貧しくなるだけ

高度成長の時代は、工場モデルの働き方が合理的でした。
しかし現在、日本のGDPの4分の3以上は、サービス産業を主力とする第3次産業が占めています。
つまり、サービス産業の生産性を上げることが、国全体の生産性を上げることに貢献するのです。

中略

日本企業の働き方は、いまでに工場モデルのままです。

35頁

戦後の日本は、立派な工場をつくり、労働者を長時間働かせて、工場でつくった製品を輸出して、高度成長を実現しました。
しかし、もはや工場モデルが過去のものになったことが決定的である以上、社会のシステムも、働き方も、変わらなければなりません。
サービス産業を中心とする社会においては、労働時間ではなく、「成果」と、それをもたらす「アイデア」こそが、生命線になります。
労働者が長時間労働をしていたら、画期的なアイデアは生まれません。長時間労働の工場モデルは、現代訳の働き方にまったく見合っていないのです。


44~45頁
今の時代に必要な「生活の基本」とは?
長時間労働は、物理的な製品づくりを行う場合の労働手法です。

中略
しかし、サービス産業の時代は、脳をフル回転させて、斬新な発想やアイデアを生み出す必要があります。朝8時から夜10時まで長時間働いていては、脳が疲れてしまうだけです。アイデアやサービスといった無形のものを生み出すには、さまざまな経験を積んで、発想力や柔軟性を養うことが大切です。
そのためには、生活の基本を「メシ・風呂・寝る」から「人・本・旅」に切り替える必要があると思います。仕事を早く終えて、人に会ったり、本を読んだり、ときには旅したりと、脳に刺激を与えないと、画期的なアイデアは生まれないでしょう。

260頁
10年にわたってベンチャー企業を経営してきた結果として、僕は、
「3割のワーク(仕事)に集中し、7割のライフ(人生)を充実して過ごす社員が多ければ多いほど、企業は成長していく」と実感しています。

||||| ここまで引用 |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||

私は、どうしてきたか。

この出口セオリーに近い働き方を指向、実践してきた。かなりの激務の時でも、残業は最大1時間程度としてきた。また、40歳くらいから、社内のゴルフ・宴会付き合いは避け、本を読み出した。渡部昇一の本は、考え方を整理するのに、非常に役立った。旅行に際しては、小さな手帳を一冊持ち旅先にてアイデアノートとして記録することを励行してきた。
当時、書き溜めたことは、その後の自分にとって有意義だったと思っている。


以上

この記事へのコメント

  • Suica割

    まずは気紛れな天才を受容出来るかが大事ですね。
    その意味で根性論の昭和の管理もコンポライアンス重視し過ぎの令和の管理も害悪です。
    ゾーンに入ったせいで2日ぶっ通しで徹夜して、後は残りの週は仕事しない。
    そういう勤務態度を認められるかどうかが大事です。
    2020年07月07日 00:14
  • 市井の人



    >Suica割さん
    >
    >まずは気紛れな天才を受容出来るかが大事ですね。
    >その意味で根性論の昭和の管理もコンポライアンス重視し過ぎの令和の管理も害悪です。
    >ゾーンに入ったせいで2日ぶっ通しで徹夜して、後は残りの週は仕事しない。
    >そういう勤務態度を認められるかどうかが大事です。

    能力ない3流上司が、この種の変わった逸材を許容できるかがポイントです。
    上司の中に受験校の劣等生がおり、能力あり過ぎる部下に嫉妬するケースがありました。
    2020年07月07日 10:34
  • Suica割

    秘匿性と緩いトレードオフになるが(情報漏れリスクの低減は必要でしょう。)、テレワーク等は、工場的な働き方と違いますね。
    工場的な働き方をみんなが物理的に一点に集まるやり方なら、テレワークはそれの対極です。
    方向性のひとつとして、生産性向上の一手に使うべきです。
    通勤時間は、生きる上でも、業務の上でも無駄のひとつです。
    2020年07月07日 17:33
  • 市井の人



    >Suica割さん
    >
    >秘匿性と緩いトレードオフになるが(情報漏れリスクの低減は必要でしょう。)、テレワーク等は、工場的な働き方と違いますね。
    >工場的な働き方をみんなが物理的に一点に集まるやり方なら、テレワークはそれの対極です。
    >方向性のひとつとして、生産性向上の一手に使うべきです。
    >通勤時間は、生きる上でも、業務の上でも無駄のひとつです。


    首都圏は特にそうですね。
    2020年07月08日 08:11

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