敢えて批判的視点で語る意味はあるのか、、、

拙ブログ管理人は、保守系言論人たちにより繰り返される、政界向けの心構え論的批判手法について懐疑的、いや否定的である。


一例を示そう。

―― 参考情報 ――――――――――

本物のタカは群れず!あえて政府与党の「敵基地攻撃能力」議論を叱る
https://special.sankei.com/a/politics/article/20200708/0001.html

―――――――――――――――――

「叱る」という字句が引っかかる。ゆえに、記事全文を読む気がなくなるのだ。


私が認識する、「安倍政権に対する、保守系言論人の社会的役割」について述べたい。

「言論人というものは、余程の事案でない限り、政権を支持しているなら、支持する政権に対し提言のポジションを選ぶべきだ。最終的に比較対象とすべき、アイデアとシナリオ等を政権に提供、その中の一つのアイデアが現実において実現して、言論人としてナンボの世界」ではないのか。


日々の状況に対応し、その時点時点で、暗黙の了解で設定される前提条件下で、最善の選択肢、最善が無理なら二番目にベターな選択肢、三番目の選択肢がどれなのか(有能な官邸スタッフはやっているはず!)、比較対象を示し、比較検証作業しつつ最適解を絞り込み、示すべきではないのか。政権がかかえる重要事案について、言論人として重要事案と認識するなら、また、官界・政界が難儀しているとみるや、誰がやっても検討作業的に必要と思われる重要かつ一連の検討作業を、誰よりも先行、地道にコツコツ検討対応することに、言論人としての価値を私は見出すのである。


直近で、拙ブログが、「憲法無効論の政策的扱い」について、政権がとるべき対応方針を示したのは、その一例である。


かように心構え論的な視点での批評ではなく、より具体的な提言活動、陳情活動、パブリックコメントに、言論人は自ら、たった一人でも参加することなどを通じて、言論活動の価値、政治的影響力を高めることに注力すべきではないか。


拙ブログは、上記で紹介した言論人について、批評することも紹介することも、これまでほとんどなかった。
本や記事はどこかで読んだことくらいはあるが、残念ながら、保存版レベルの内容に達していない記事が多いという印象である。


気になるのは、読み手に当該事案の選択肢を示さず、いきなり批判ポジションに立つなど、専門とされる分野の視点でのシナリオ構築、比較ケースの提示がないことだ。

書く前に結論をこれだ、と決めたら、比較検証手続きを省略?結論はただ一つみたいなノリで、書き進める印象があることだ。(ただ、若い頃の私はそうだった。反省しつつ書いている。)


それよりは、Suica割さんが紹介された、以下の情報の方がずっと役立つ内容と思う。

||||| ここから引用開始 |||||||||||||||||||||||||||||||||||

Suica割

億劫でいけない
http://schmidametallborsig.blog130.fc2.com/blog-entry-2327.html?sp

イージス・アショアは必要ない。
https://kiyotani.at.webry.info/202003/article_19.html

毛嫌いせずに内容だけ、確認してもらえればわかるように、地上イージスの推進にはいろいろ失敗に至る原因があったようです。
代案としては、いざというとき他に戦力を向けられるイージス艦を増やす事が一番ですかね。
弾道弾防衛網が強くなった印象を与えられますし、対中国シフトへの現実的な解のひとつですし。
2020年06月29日 22:00

||||| ここまで引用 |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||


重要事案であればあるほど、求められる言論活動態度は何であろうか?感想文的な批評と心構えを述べることであろうか。

もちろん私は、軍事分野について専門家ではないし、全分野オールマイテイでもない。


政治の世界に限らず、現実社会において、結論はただ一つだけではない、そのことを冒頭で紹介した言論人はわかっておられるのか。いささか気になるのである。

以上

この記事へのコメント

  • Suica割

    とくにありませんね。
    何がどうダメなのか根拠も示してない批判物やどういう世界観か伝わらないコラムも多く、言論人としては、力量が低いと思うことも良くあります。
    2020年07月23日 08:40
  • Suica割

    憲法道程というサイトがあります。
    裏を取ってみる必要こそありますが、無効論の欠陥があるかどうか確認する材料となると思います。
    日本国憲法の規定の考え方や成り立ち等について色々と書いてあり、国民の反応の想定や各種の組織が謀略を仕掛けるポイントの研究の材料にいいと考えます。
    2020年07月23日 08:47
  • Suica割

    すいません。張り付けするとエラーになるので、一部記事の張り付けにしました。
    憲法道程より「押し付け憲法論」を明らかに嘘だと批判し反論できる15の理由

    憲法改正を積極的に推し進めている人たちが憲法改正を正当化する根拠として好んで使うフレーズに「現行憲法はアメリカ(または連合国・GHQ・マッカーサー)から押し付けられたものだから」というものがあります。

    いわゆる「押しつけ憲法論」に基づく主張です。

    現行憲法の日本国憲法は先の戦争が終結した後に明治憲法(大日本帝国憲法)の改正手続きを経て制定されていますが、その改正手続が行われた当時の日本は連合国の占領下にあり、またその憲法草案の作成にもマッカーサーやGHQ(連合国軍総司令部)民生局が一定の範囲で関与していた事実があります(※参考→日本国憲法が制定されるまでの過程とその概要)。

    そのため、このような状況下で制定された日本国憲法がアメリカや連合国から「押し付けられた」ものであると短絡的に理解してしまい「現行憲法は押し付けられたもので日本人が自主的に制定したものではないから無効だ!」とか「日本人の自由な意思で制定されたものではない憲法など破棄して作り直すべきだ!」などと主張する人が現れてしまうのです。

    しかし、このようないわゆる「押しつけ憲法論」を基にして現行憲法の有効性に疑義を唱えたり、憲法改正の積極的な理由づけやその正当性の根拠にすることは、暴論であって詭弁であり、また明らかなデマゴーグとして批判することさえできます。

    なぜなら、以下に挙げる15の点を考えれば、日本国憲法がアメリカや連合国の「押し付け」でなかったことは反論の余地のない事実だからです。

    (1)ポツダム宣言を受諾した以上、憲法改正は不可避だったこと
    (2)連合国は日本に対してポツダム宣言の趣旨に沿った憲法改正を求める国際法上の権利を有していたこと
    (3)GHQ民生局はポツダム宣言の範囲で作成した憲法草案を日本側に提示したにすぎないこと
    (4)松本委員会で現行憲法に通じる憲法規定が議論されていたこと
    (5)当時の民間グループが作成した憲法草案においても現行憲法と類似する憲法規定が多く採用され公表されていたこと
    (6)当時の世論調査でも現行憲法に多数の賛成があったことが認められること
    (7)GHQの”押し付け的な要素”があったとしてもそれは当時の「政府」に対するもので「国民」に対するものではなかったこと
    (8)松本委員会や衆議院の小委員会における修正で憲法草案の重要部分に日本側の意思も反映されていること
    (9)完全な自由選挙で選任された議員の組織する帝国議会の衆議院で圧倒的多数の賛成で可決されていること
    (10)極東委員会とマッカーサーから憲法施行後2年以内に国民投票を行い憲法の再検討を指示されていたのに2年間も無視し続けたこと
    (11)現行憲法が「押し付け」なら婦人参政権も「押し付け」となり女性から参政権を奪わなければならなくなること
    (12)現行憲法が「押し付け」なら国民主権も「押し付け」となり国民から主権を奪わなければならなくなること
    (13)現行憲法が「押し付け」なら明治憲法も「天皇の押し付け」となり江戸幕藩体制に戻さなければならなくなるがそれも「徳川の押し付け」となるので結局は戦国時代まで戻さなければならなくなること
    (14)現行憲法を「押し付け」として否定すれば明治憲法における「天皇大権・抑圧体制・法定手続を無視する司法官憲・家制度に基づく女性差別」等の国家制度を肯定することになること
    (15)戦後70年間にわたって現行憲法が国民に定着していること
    「押し付け憲法論を提唱すること」それ自体が真っ当な憲法改正のための議論を阻害する


    これらを踏まえた考察をしない事には、無効論の国民への浸透は難しいでしょうし(攻撃側は上で挙げた根拠で反撃にかかる)、謀略を仕掛ける方は、1と2を放棄する行為と声高に批判するでしょう。
    2020年07月23日 09:49
  • 市井の人



    >Suica割さん
    >
    >とくにありませんね。
    >何がどうダメなのか根拠も示してない批判物やどういう世界観か伝わらないコラムも多く、言論人としては、力量が低いと思うことも良くあります。

    「叱る」などと言う、思いあがった?キーワードを使うから、つい一言言わせていただくこととなりました、
    2020年07月23日 17:57
  • 市井の人



    >Suica割さん
    >
    >憲法道程というサイトがあります。
    >裏を取ってみる必要こそありますが、無効論の欠陥があるかどうか確認する材料となると思います。
    >日本国憲法の規定の考え方や成り立ち等について色々と書いてあり、国民の反応の想定や各種の組織が謀略を仕掛けるポイントの研究の材料にいいと考えます。

    原点はここですね。
    政治的立ち位置に関係なく、共有されている法理論から入るのは、学説としての正当性を証明する手順として、重要と思います。
    2020年07月23日 17:59
  • 市井の人



    >Suica割さん
    >
    >すいません。張り付けするとエラーになるので、一部記事の張り付けにしました。
    >憲法道程より「押し付け憲法論」を明らかに嘘だと批判し反論できる15の理由
    >
    >憲法改正を積極的に推し進めている人たちが憲法改正を正当化する根拠として好んで使うフレーズに「現行憲法はアメリカ(または連合国・GHQ・マッカーサー)から押し付けられたものだから」というものがあります。
    >
    >いわゆる「押しつけ憲法論」に基づく主張です。
    >
    >現行憲法の日本国憲法は先の戦争が終結した後に明治憲法(大日本帝国憲法)の改正手続きを経て制定されていますが、その改正手続が行われた当時の日本は連合国の占領下にあり、またその憲法草案の作成にもマッカーサーやGHQ(連合国軍総司令部)民生局が一定の範囲で関与していた事実があります(※参考→日本国憲法が制定されるまでの過程とその概要)。
    >
    >そのため、このような状況下で制定された日本国憲法がアメリカや連合国から「押し付けられた」ものであると短絡的に理解してしまい「現行憲法は押し付けられたもので日本人が自主的に制定したものではないから無効だ!」とか「日本人の自由な意思で制定されたものではない憲法など破棄して作り直すべきだ!」などと主張する人が現れてしまうのです。
    >
    >しかし、このようないわゆる「押しつけ憲法論」を基にして現行憲法の有効性に疑義を唱えたり、憲法改正の積極的な理由づけやその正当性の根拠にすることは、暴論であって詭弁であり、また明らかなデマゴーグとして批判することさえできます。
    >
    >なぜなら、以下に挙げる15の点を考えれば、日本国憲法がアメリカや連合国の「押し付け」でなかったことは反論の余地のない事実だからです。
    >
    >(1)ポツダム宣言を受諾した以上、憲法改正は不可避だったこと
    >(2)連合国は日本に対してポツダム宣言の趣旨に沿った憲法改正を求める国際法上の権利を有していたこと
    >(3)GHQ民生局はポツダム宣言の範囲で作成した憲法草案を日本側に提示したにすぎないこと
    >(4)松本委員会で現行憲法に通じる憲法規定が議論されていたこと
    >(5)当時の民間グループが作成した憲法草案においても現行憲法と類似する憲法規定が多く採用され公表されていたこと
    >(6)当時の世論調査でも現行憲法に多数の賛成があったことが認められること
    >(7)GHQの”押し付け的な要素”があったとしてもそれは当時の「政府」に対するもので「国民」に対するものではなかったこと
    >(8)松本委員会や衆議院の小委員会における修正で憲法草案の重要部分に日本側の意思も反映されていること
    >(9)完全な自由選挙で選任された議員の組織する帝国議会の衆議院で圧倒的多数の賛成で可決されていること
    >(10)極東委員会とマッカーサーから憲法施行後2年以内に国民投票を行い憲法の再検討を指示されていたのに2年間も無視し続けたこと
    >(11)現行憲法が「押し付け」なら婦人参政権も「押し付け」となり女性から参政権を奪わなければならなくなること
    >(12)現行憲法が「押し付け」なら国民主権も「押し付け」となり国民から主権を奪わなければならなくなること
    >(13)現行憲法が「押し付け」なら明治憲法も「天皇の押し付け」となり江戸幕藩体制に戻さなければならなくなるがそれも「徳川の押し付け」となるので結局は戦国時代まで戻さなければならなくなること
    >(14)現行憲法を「押し付け」として否定すれば明治憲法における「天皇大権・抑圧体制・法定手続を無視する司法官憲・家制度に基づく女性差別」等の国家制度を肯定することになること
    >(15)戦後70年間にわたって現行憲法が国民に定着していること
    >「押し付け憲法論を提唱すること」それ自体が真っ当な憲法改正のための議論を阻害する
    >
    >
    >これらを踏まえた考察をしない事には、無効論の国民への浸透は難しいでしょうし(攻撃側は上で挙げた根拠で反撃にかかる)、謀略を仕掛ける方は、1と2を放棄する行為と声高に批判するでしょう。


    情報ありがとうございます。
    いろいろ勉強になります。
    2020年07月23日 17:59
  • 西

    「押しつけ憲法論」自体は、新無効論の立場を取っている者でも、その説を採用していないと思いますね(始原的無効を唱えているので)。

    ただ、ポツダム宣言(降伏宣言)の箇所については、「憲法論」というよりも「政治論」なので、法学上の扱いはどうなのかな、と思いますね。

    それ以外の箇所については、色々な反論ができるみたいですが、専門的な議論になる為、考察にはかなりの時間を要するように思えますね。

    2020年07月24日 02:08
  • 西

    そもそも、前の憲法(明治憲法)を「改正」したと言えるのかどうかが定かではない為、「改正」と「無効」が「憲法論」と「政治論」の間で複雑奇怪に絡み合って二進も三進も行かなくなってしまったような気がしますね。
    2020年07月24日 02:12
  • 市井の人



    >西さん
    >
    >「押しつけ憲法論」自体は、新無効論の立場を取っている者でも、その説を採用していないと思いますね(始原的無効を唱えているので)。
    >
    >ただ、ポツダム宣言(降伏宣言)の箇所については、「憲法論」というよりも「政治論」なので、法学上の扱いはどうなのかな、と思いますね。
    >
    >それ以外の箇所については、色々な反論ができるみたいですが、専門的な議論になる為、考察にはかなりの時間を要するように思えますね。
    >
    >


    おそらくですが、政府は、無効論適用に際し、生前譲位でしたような専門家会議を徴集することになるだろうと予想します。
    また、緊急時に、いわゆる複雑な理論解釈を伴う無効論は役に立たないというか間に合わないとみることができそうです。
    2020年07月24日 16:52
  • 市井の人



    >西さん
    >
    >そもそも、前の憲法(明治憲法)を「改正」したと言えるのかどうかが定かではない為、「改正」と「無効」が「憲法論」と「政治論」の間で複雑奇怪に絡み合って二進も三進も行かなくなってしまったような気がしますね。


    微妙なところに気がつかれておられますね。
    無効論が政治的に認知されにくい理由はこの点にあるのかもしれません。
    2020年07月24日 16:53

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