憲法無効論取扱い方針(稟議書モデル)

本稿は、標記に関し、とある政党本部における最重要事案と位置づけ、対応方針として文章化、稟議決裁するケースを想定、稟議書様式でまとめたもの。

稟議書なるものが、どういう文章構成となっているのか、どういう論理構造なのか、(官界やそれなりの民間企業における意思決定上の記録文書である)稟議書なるものを見たことも書いたこともない保守層がおられることを知り、事例紹介の位置づけで、稟議書記載を意識、文案検討した。


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稟議書


1.件名

憲法無効論の取扱い方針について(憲法改正手続きと憲法無効手続きの政策的位置づけ)


2.憲法無効論についての検討を必要とする背景

憲法無効論は、法理論上は正当な学説と考えられるため、現実的手続き措置として憲法改正を優先させるなら、憲法無効論の扱いを明確化しておく必要がある。

||||| ここから引用開始 |||||||||||||||||||||||||||||||||||

https://sokokuhanihon.seesaa.net/article/475607392.html#comment

西

確かに現行憲法が無効というのは「法理論上」は正当な学説であり、有効論者はこれらの疑問に対して、反論しづらいだろうと思いますね。「法学上の問題」であれば、「無効論」は十分な根拠があると思います。

以下省略

2020年07月18日 01:03

||||| ここまで引用 |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||


3.提案理由

保守層の一部において、平時だけでなく他国から軍事侵攻を受けた場合などにおいて、憲法改正ではなく憲法無効論による手続きの有効性を主張される方が存在する。
長期的な視点に立つと、核武装、軍事大国化など、安全保障上の最重要課題を実現するには、現憲法の逐次改正では手続き的に難儀することが予想される。
一方、憲法無効論については、①前提条件として「有効」と確認される範囲・事項等が何であるか検討着手前に確定する必要があること、②憲法無効手続きが(我が国を貶めたい勢力を含む)国際社会からの批判や謀略工作の口実とならないことなど、細心の配慮が各方面に求められる。(例:国連敵国条項の存在、安保理決議等)
そこで、適用対象となる当該無効論の法理論について、これまでの検討結果を一旦集約、党内関係者にて共有化する必要があると判断、対応方針として取り纏めることとした。


4.提案事項(今後の取扱い方針)

採用される(法理論としての)無効論は、①専門家会議等で正当な学説として認知、②内閣法制局の文書審査上の問題がないこと、③国際社会からの批判、謀略工作リスクがない、ことが求められる。

しかし、無効論推進派による上記①~③の検討および保守層における(上記検討の)認知は、必ずしも十分ではない。

そこで、政権が憲法改正手続き失敗するなど、無効論を採用せざるを得ない政治的局面が発生することを想定しつつ、以下に無効論に係わる現実的対応方針を取りまとめた。

・平時は、憲法改正を軸に取り進める(憲法無効論に沿う「憲法無効手続き」を急がない)
・他国から核攻撃を含む軍事侵攻を受けるなど、国家非常事態時もしくは非常事態発生間近など、政権として国際政治的リスクを負えると判断する場合、「核武装とセットでの憲法無効手続き」を選択することをを考慮
・政権が憲法改正に政治的に失敗した状況で(他国から軍事侵攻を受けた場合など)、採用する無効論は、国際社会から誤解を受けそうな(政治謀略工作の口実となりそうな)不用意な法理論表明を一切しない(平時における核武装を伴わない無効論は、日本を弱体化したい勢力等による謀略工作リスク等が懸念される。イラク戦争勃発の口実となった、大量破壊兵器疑惑などの事態を招かないために、「単純無効手続き」に特化した方が謀略工作リスクが少なくて済むなど、外交的に得するケースがあることを熟慮すべきである。)

なお、本文書は、対外的に非公表扱いとする。文書の取扱いについては関係各位留意されたい。

5.添付資料

・憲法無効論をどう政治的に位置付けるべきか?
https://sokokuhanihon.seesaa.net/article/476451337.html

・政府主催の専門家会議、内閣法制局の文書審査、時間的制約という視点から導かれるもの
https://sokokuhanihon.seesaa.net/article/476496242.html

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以下補足。


一言で書くと、今の状況で、無効論は、無条件でオールマイテイに適用可能とは思えない。

民間企業においては、顧客との取引約款改正、大臣許認可文書、重要な組織改正、重要な経営計画・経営方針決定に際し、社内意思決定手続きとして、稟議書決裁するのが一般的。
この場合の文書審査は、企画部や総務部(文書課)のような部署にて、業界法、社規、コンプライアンスの視点を加味して実施される。官界においては、法制化等に関して、内閣法制局を含めた、関係省庁の事前協議が行われる。(推定)
当然の事であるが、本稟議書の目的に合致しない論理・シナリオ、不用意な感情表現、感想文は記述対象外。美文、名文である必要もない。

拙ブログは、陳情文書に書かれた論理的字句が、最終的に官界の稟議書の「提案理由欄」に記述されることを想定すべきだと指摘してきた。
「陳情文書を受け取った行政機関側が、稟議書にどう書くか、どう表現すべきか。官僚に稟議書文章化イメージを促す論理、キーワードが陳情書に記述されていること」が、絶対必要条件と考える。



以上

この記事へのコメント

  • 西

    戦後社会は、「矛盾(特に憲法問題)」から始まっているので、それ自体を否定しなければならないという側面はあるとは思いますが、同時にその「矛盾」を受け入れなければ、「国家」が存続させる事ができなかった為に、やむを得ない判断だったという政治的判断を当時の為政者が行ったという側面もあったので、一概に否定するのは間違いだったと思います。

    本来、憲法自体は国家運営のために存在させなければならないというのが「立憲主義」なので(実は「立憲主義」とはいうのは、左派の解釈は「憲法論」である為、正しくなく、本来は国家運営のための「政治論」です)、その点では、国家運営を否定する憲法は「憲法ではない」という立場を取るのは間違いではありません。

    しかし、一方で、左派が言うように、現憲法は「敗戦責任」として「政治的に」受け入れたものであるから、「憲法」である事には違いないという解釈もされています。

    どちらも正しく、どちらも間違っているというわけですね。

    この矛盾を解消しない限りは、現憲法の問題を完全に解決することは困難と思われます。

    政治論的には「敗戦処理としての受け入れ問題(外交問題を含んだ複雑な政治的問題)」がある事と、法学上の問題としては、「憲法として運用することができない欠陥もの(そもそも憲法としての有効なのかどうかすら不明)」であるという問題ですね。

    正直,「自己矛盾を孕んだ」現憲法を改正(もしくは無効確認)をするのにはかなりの時間を要する事は覚悟しなければならないと思いますね。
    2020年08月18日 01:17
  • 西

    保守系からは「国家と立憲主義の否定憲法モドキ」と言われ、左派(正確には無政府主義?)からは「国家存続の為の政治的矛盾を孕んだ平和憲法」という矛盾した批判を受けているのが現憲法なんですね。

    「立憲主義」とは【国家運営の為に】、「憲法を制定して権力を制限する」というのが「正しい立憲主義」なのですが、左派はこの太鉤括弧の部分を都合良く無視しているので、おかしな立憲主義の解釈がまかり通っているわけですね。

    自分は、敗戦処理の際に、当時の為政者が、この矛盾だらけの憲法を政治的に受け入れざるを得なかったという点では、確かに評価せざるを得ないと思っているので、その意味では、戦後社会を完全に否定するのは難しいのかもしれませんが、その後、現憲法の政治的、法的に解決するべき問題を放置したまま、70年も経過させてしまい、他にも問題が大きくこじれてしまったので、解決がより困難になってしまったのではないかと思っていますね。

    現憲法問題を解決するためには、政治と法の両側面から問題解決を図らなければならないため、解決するためにはかなりの労力を要する事だけは間違いないでしょうが、諸外国に、現憲法の「法的、政治的おかしさ」を説明する必要があることと、敗戦処理の際の諸問題(戦前の軍事戦略上の問題、文民統制の問題(統帥権の総括者が不在の為、統帥権干犯問題を引き起こしたこと))の最終的な解決を図らなければならないという点で、法的問題の解決よりも先に政治的問題の解決から行わなければならない事だけは確かだと思いますね。

    2020年08月18日 01:39
  • 市井の人



    >西さん
    >
    >戦後社会は、「矛盾(特に憲法問題)」から始まっているので、それ自体を否定しなければならないという側面はあるとは思いますが、同時にその「矛盾」を受け入れなければ、「国家」が存続させる事ができなかった為に、やむを得ない判断だったという政治的判断を当時の為政者が行ったという側面もあったので、一概に否定するのは間違いだったと思います。
    >
    >本来、憲法自体は国家運営のために存在させなければならないというのが「立憲主義」なので(実は「立憲主義」とはいうのは、左派の解釈は「憲法論」である為、正しくなく、本来は国家運営のための「政治論」です)、その点では、国家運営を否定する憲法は「憲法ではない」という立場を取るのは間違いではありません。
    >
    >しかし、一方で、左派が言うように、現憲法は「敗戦責任」として「政治的に」受け入れたものであるから、「憲法」である事には違いないという解釈もされています。
    >
    >どちらも正しく、どちらも間違っているというわけですね。
    >
    >この矛盾を解消しない限りは、現憲法の問題を完全に解決することは困難と思われます。
    >
    >政治論的には「敗戦処理としての受け入れ問題(外交問題を含んだ複雑な政治的問題)」がある事と、法学上の問題としては、「憲法として運用することができない欠陥もの(そもそも憲法としての有効なのかどうかすら不明)」であるという問題ですね。
    >
    >正直,「自己矛盾を孕んだ」現憲法を改正(もしくは無効確認)をするのにはかなりの時間を要する事は覚悟しなければならないと思いますね。

    法学者、憲法学者の視点で考えると、論争はいつまでも平行線となる、、、
    ただ、改正条項は存在するため、護憲派憲法学者が改正行為を否定することは、学問的態度として間違っている、と言いたくなるのですが。
    2020年08月18日 15:53
  • 市井の人



    >西さん
    >
    >保守系からは「国家と立憲主義の否定憲法モドキ」と言われ、左派(正確には無政府主義?)からは「国家存続の為の政治的矛盾を孕んだ平和憲法」という矛盾した批判を受けているのが現憲法なんですね。
    >
    >「立憲主義」とは【国家運営の為に】、「憲法を制定して権力を制限する」というのが「正しい立憲主義」なのですが、左派はこの太鉤括弧の部分を都合良く無視しているので、おかしな立憲主義の解釈がまかり通っているわけですね。
    >
    >自分は、敗戦処理の際に、当時の為政者が、この矛盾だらけの憲法を政治的に受け入れざるを得なかったという点では、確かに評価せざるを得ないと思っているので、その意味では、戦後社会を完全に否定するのは難しいのかもしれませんが、その後、現憲法の政治的、法的に解決するべき問題を放置したまま、70年も経過させてしまい、他にも問題が大きくこじれてしまったので、解決がより困難になってしまったのではないかと思っていますね。
    >
    >現憲法問題を解決するためには、政治と法の両側面から問題解決を図らなければならないため、解決するためにはかなりの労力を要する事だけは間違いないでしょうが、諸外国に、現憲法の「法的、政治的おかしさ」を説明する必要があることと、敗戦処理の際の諸問題(戦前の軍事戦略上の問題、文民統制の問題(統帥権の総括者が不在の為、統帥権干犯問題を引き起こしたこと))の最終的な解決を図らなければならないという点で、法的問題の解決よりも先に政治的問題の解決から行わなければならない事だけは確かだと思いますね。
    >
    >


    憲法是正100年計画ビジョンを策定、100年後のあるべき、憲法の最終形の条文モデルを示し、改正を何回やればいいか、どういう順番で改正するか、手順書を示す憲法学者が現れることを期待しております。
    2020年08月18日 15:56

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