安倍前首相は(英霊に)何を報告したのか?

保守言論界において、このテーマを深堀して扱う方はいないようだ。
政治の世界は、日々動いている。前政権時代の特定事案にこだわる言論人はほとんどいない。こだわっていてはカネにならないからだ。

また、菅新政権が矢継ぎ早に新施策を打ち出し、スタートダッシュを意識、威勢の良い発言が飛び出していることもある。そのせいで、保守層のほとんどが期待感を示す一方、前首相時代のことは遥か昔の事案として扱われ始めている。


そんなことでいいのだろうか。

カネにならないことでも政治的に重要なことは、後になって必ず役に立つとの前提で、考えなくて良いのか。



政治は、連続性の中にある、はずである。突然変異的に政策が生まれ、実施されるようなことはあり得ない。

そして、これは、正体が何であるか、本心をなかなか語ることがない、政治家安倍晋三が如何なる人物だったのか、を確かめる旅でもある。

善人なのか、悪人なのか、愛国者なのか、それとも策士なのか、、、



本題に入る。

目立たないが英霊に報告する価値ある素材を五つ見つけた。

以下の情報は、前首相が英霊に報告するシナリオと一致しているような気がする。


―― 参考情報 ――――――――――

■素材1 憲法改正実現しなかった場合の代替策

安倍首相の憲法改正を挫折させた日本人の「古層」 池田信夫
http://ikedanobuo.livedoor.biz/archives/52044896.html

■素材2 セキュリティ・ダイヤモンド構想

戦略構想をやり遂げた安倍政権 日比野庵本館
https://kotobukibune.at.webry.info/202009/article_13.html

安倍総理のセキュリティ・ダイヤモンド構想 日比野庵親館
http://blog.livedoor.jp/kotobukibune_bot/archives/16162181.html

■素材3 日本主導のTPP発足と英国のTPP加盟申請

英国際貿易相、2021年にTPP加盟申請の意向示す
https://news.yahoo.co.jp/articles/eecd861bfaad16d6e164dad3a26e609a2aaffe9e

■素材4 大東亜戦争中の植民地解放戦争の歴史的意義

世界はどのように大東亜戦争を評価しているか 日本会議
https://www.nipponkaigi.org/opinion/archives/844

■素材5 地球儀外交の意義

地球儀を俯瞰する外交 | 首相官邸ホームページ
https://www.kantei.go.jp/jp/feature/gaikou/index.html

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とりわけ、素材1の池田信夫の分析は重要。
後世の歴史家は、こう書くのではないかと思うほどだ。



さて、前稿では、報告対象は首相経験者、外務大臣経験者、軍人、戦死された方に分類されるとした。

―― 参考情報 ――――――――――

安倍前首相は(英霊の)誰に報告したのか?
https://sokokuhanihon.seesaa.net/article/477529577.html

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首相経験者、外務大臣経験者、軍人、戦死された方別に、上記五つの素材を組合わせ、本稿の趣旨に合わせて箇条書きで整理し直すと以下のようになる。


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■首相経験者(東條英機、広田弘毅、平沼騏一郎、小磯国昭)への報告事項 

・大東亜戦争時代を振り返り(アジアで日本と同列に戦った国は一カ国もなかった)ことへの、自身が取組み(セキュリテイダイヤモンド構想)
・改憲の取組み、改憲に代わる代替策(上記池田信夫の分析による)
・戦後レジームをどう骨抜きにしていくか(日米和解の儀式)

■外相経験者(広田弘毅、東郷茂徳、松岡洋右)への報告事項

・戦前、度重なる制裁を受けたことへの対策に関する報告(日本主導のTPP発足、英国のTPP参加見通し)
・再び戦争に巻き込まれないために、戦後レジーム体制下での日本外交の取組み(地球儀外交)

■A級戦犯で合祀された軍人、そしていわゆる戦死された英霊への報告事項

・GHQ国憲法第9条の扱いをどう扱うか(改憲は実現しなかったが、安全保障外交上の代替策はほぼやり終えた)
・二度と敗戦しないために第二次安倍政権にて首相として実現したこと(日米豪印との物品役務相互提供協定)

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勘の良い皆様なら、お気づきであろう。
詳細解説省略するが、報告対象者と報告事項が、一対一の関係で繋がったのである。

歴史家的視点に立って、重要なことを一つあげておきたい。
植民地解放史観で捉えると、かつて植民地だったインドが、大東亜戦争で独立のきっかけをつかみ、経済成長、ついに、(当時インド独立を支援した)日本との物品役務相互提供協定を締結するまでになった。これは、植民地解放戦争を戦った結果、実現したことである。



戦死された英霊は、日印物品役務相互提供協定締結を喜ばないはずはなく、英霊と対話し続けている政治家なら、当然、報告事項として扱う。

前首相の参拝は、漠然とした報告目的での参拝では決してない。首相退陣に伴う、単純なけじめとしての報告でもない。

すなわち、先日の安倍前首相の英霊への報告事項は、英霊との長年の対話を通じて見い出され、2013年の靖国参拝時に誓いを立て、政権時代の実績報告である可能性が極めて高いのである。

報告したいとする明確な意思があり、明確な報告対象者がいて、明確な報告事項があったということ。

確かに、前首相は、人物的に、第一次安倍政権時代とは別人となり、穏和で捉えどころがなかった。反対する意見も無視しない、政権運営を続け、親中派の助長を招いた。

―― 参考情報 ――――――――――

ルーズベルト大統領の政治手法
http://gendaishi.jugem.jp/?eid=1254

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が、退陣間際の英霊報告目的の参拝、敵基地先制攻撃実現に係わる談話などは、前首相の本心の立ち位置がどこにあるのかを示している。

―― 参考情報 ――――――――――

【主張】首相の安保談話 「敵基地攻撃力」決定急げ
https://www.sankei.com/column/news/200912/clm2009120001-n1.html

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一見何気ない談話であるが、政治的に非常に重要な意味を持つ。

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村山談話:戦争謝罪の談話(国益的にマイナス)
河野談話:慰安婦事案を肯定する談話(国益的にマイナス)
安倍談話:侵略の文字を外し、謝罪の義務を未来の日本人に負わせない(国益的にマイナスだった過去の談話をリセット)
安倍安保談話:敵基地先制攻撃(国益的にプラス)

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すなわち、前首相は、二つの談話によって、談話が過去事案の後始末だった性格のものを、国益的にプラスに変える位置づけに変えた、最初の政治家となった。

考えようによっては、歴史認識事案の処理で、将来の首相による謝罪談話の可能性を消したことになる。


―― 参考情報 ――――――――――

もう謝罪国家には戻らない 安倍首相の戦略的歴史観  八木秀次
https://special.sankei.com/a/politics/article/20200902/0001.html

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私には、本心を語る事なく退陣表明した、前首相が、市ヶ谷で檄を飛ばした三島由紀夫の再来のように見える。三島と比較して、態度的には穏やか、語り口は静か、、、報告対象者、報告事項から英霊と対話していることは明らか、、、

政治情勢的に、合祀された戦犯と対話を続け、誓いを立て、報告したという趣旨のことを、公に語れるはずはない。

分析作業を通じて知り得た、前首相の本心は、第一次安倍政権時代と同様。戦後レジーム脱却を自らに課された天命と捉え、かつ美しい日本再現を目指すことにある、ようだ。

―― 参考情報 ――――――――――

官邸を去る安倍首相 甦れ!美しい日本
https://sokokuhanihon.seesaa.net/article/477436838.html

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時勢的に、菅新首相への期待値が高いことは素直に認める。


新政権においては、安倍前首相が推進した安全保障外交により、当面必要な安全保障政策上の措置をやり尽くしたため(完璧ではないが)、政権としての軸足を、内政上の個別改善事項にシフト(携帯料金値下げ、NHK受信料値下げ、デジタル庁事案)することが可能となった。

菅新政権の主要閣僚が、政権発足直後のスタートダッシュ、選挙対策上の人気取りを意識、個別改善事案に集中的に言及、内閣支持率が急上昇。

ただ、これについては、菅首相の意気込みもあるが、前首相が余力を残して退陣表明したことが「現時点ではプラスに作用している」と考えるべきだろう。

以上

この記事へのコメント

  • Suica割


    政治は、連続性の中にある、はずである。突然変異的に政策が生まれ、実施されるようなことはあり得ない。

    >突飛なように思えても、それまでの政策の反動による揺り戻しであったり、反対派が逆回しにしているだけの場合が多いですね。
    その意味で連続性というか、関連性がない政策ではないですから、突然変異的な政策というのはなかなか思い浮かびません。
    それこそ、日米安保止めて、日本ソマリア安保条約結ぶくらいのでないと、突然変異的な政策と言えません。
    2020年09月24日 12:01
  • 市井の人



    >Suica割さん
    >
    >政治は、連続性の中にある、はずである。突然変異的に政策が生まれ、実施されるようなことはあり得ない。
    >
    >>突飛なように思えても、それまでの政策の反動による揺り戻しであったり、反対派が逆回しにしているだけの場合が多いですね。
    >その意味で連続性というか、関連性がない政策ではないですから、突然変異的な政策というのはなかなか思い浮かびません。
    >それこそ、日米安保止めて、日本ソマリア安保条約結ぶくらいのでないと、突然変異的な政策と言えません。
    >

    菅新政権は、前政権の方針を踏襲しつつ、内政的な改革を優先させることをPRすることで、国民各層の関心を引き付け、支持率回復につなげようとしています。
    菅首相が改憲に言及した以上、解散総選挙の時期を意識しない訳がありません。
    2020年09月25日 14:16

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