「外国人労働者問題」に本格的に取り組むための必要経費等

本稿は、政治テーマ的に難易度が高く一筋縄ではいかないと思われる、外国人労働者問題に係わるミクロ分析(業種別、在留資格別)について、これから取り組みたいと考える方向けの説明文書。

二年間ほど、外国人研修生受入に係わる仕事を担当(海外研修生の招請、入国手続き、研修企画等)、菓子折り持参で東〇入管に出向いた経験などに基づき、述べさせていただく。


前稿では、「外国人労働者数の推移など、マクロ的な数値を追っても、前政権が、政権が意図して外国人労働者を激増させた」と決めつけることは、難しいとした。同時に、この問題の核心を探るには、業種別、在留資格別のミクロ分析が必要であること、ミクロ分析の場合は、少々金と時間がかかることを指摘した。

―― 参考情報 ――――――――――

外国人労働者数と労働力人口の推移
https://sokokuhanihon.seesaa.net/article/477769819.html

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他の分野と比較し、この分野におけるミクロ分析、ならびにミクロ分析に基づく提言・陳情行為を行なうに際し、厄介なのは、法務官僚並の知識が必要となることだ。出入国管理法令、在留資格制度、統計資料に精通することは当然。しかし、現実にミクロ分析するのに何を準備すべきか、把握すべきことが何であるのか知らないで、他人に対し、「命令調で調べるべきだー」みたいなノリで主張される方が多い印象がある。


そこで、新規にロビイスト活動を始める方が増えることを想定、活動実施した場合、年間どれくらいの費用がかかるか、初年度ベースで算出してみた。

ざっと試算した結果となるが、書籍代だけで最低5万円前後。日常的に入手容易な情報が少ないため、書籍代の支出は必須。そう簡単に出せる金額ではない。誰だって生活がかかっている。地方在住者がロビイスト活動する場合、年間50万程度の出費となりそうだ。

重要な問題であるので、徹底調査、検討すべきだという意見はもっともだ。

許認可対応を一度でもされた方なら常識となるが、官界や政界に要望意見等を提出する場合、普通の雑誌やネット情報のコピペ程度では、まったく話にならない。そんな程度の情報を出したところで、「はあ、そうですか」程度にあしらわれるか、「そういう情報がある」程度の扱いとなるだけだ。重大な犯罪情報でない限り、根拠資料となるのは、法令、制度、統計情報に基づくものに限定される。


世の中には、この問題が最重要課題だと公言される方がいる。しかし、現実には、重要な問題であると主張する割に、自らは傍観、情報収集せず、勉強せず、出費せず、気に入らない政治家を見つけては(自分は正しいと)批判、これはと思う政治家などに要求を押しつけ、政治目標を達成したと勘違いする輩が存在する。

批判行為のみ、心構えを述べただけで、政治活動したと勘違いしている言論人もいる。


私とて安倍・菅政権無条件支持者ではない。
政党との付き合いで、はっきりしていることは、政権をあからさまに批判する人は、政権与党は相手にしない。自民党本部に出向き、要請文書を手交しようと試みた活動家がいたが、自民党本部の幹部から、公に自民党批判する人の文書は受け取らないという趣旨で、受取拒否された動画を見たことがある。

(感情に流され)迂闊に批判すると、批判した政党から相手にされなくなるのである。そういうことがわからないで、日頃政権批判しつつ外国人労働者問題に取り組むべきだと主張する方がおられる。陳情等を想定する人なら、政党との付き合い方をまず考えるべきだ。


さらに、党派別議席数で、国会で移民受入反対派が大多数となる可能性は当面ないため、どっちみち、政権与党に陳情しない限り、事態の打開は難しい。

従って、陳情行為を否定しても何も始まらない。現状打開には程遠い。


一方で、こんな珍現象も起きた。総論で外国人労働者受け入れに反対する人(言論人)が、各論レベルの、個別の出入国管理法令改正等について、沈黙していたことだ。

―― 参考情報 ――――――――――

「外国人は来るな!」と叫ぶ人たちが、移民政策に沈黙しているワケ
https://www.itmedia.co.jp/business/articles/1811/27/news046.html

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論点整理して、パブリックコメント参加を呼びかける言論人は皆無だったと記憶する。

なぜパブリックコメントという機会を活用しないのか。
とある超有名ブロガーが、パブリックコメント締め切り翌日に、移民受入反対のブログ記事出稿したのには、正直吹いた。移民受入反対派の立ち位置なのに、パブリックコメントがあるのを知っていて、ブログ記事として出稿することを避けた?有名ブロガーもいた。

これがランキング上位ブログの実態、、、ランキング競争の厳しさ、、、面倒くさいテーマ、難しいテーマではアクセス激減となることを懸念、、、



とにもかくにも、保守派は、言論人含め、この問題について、勉強不足状態、、、



ただ、この問題は、もはや総論ではどうにもならない次元に差し掛かっている。

政権が、外国人労働者受け入れ削減に熱心でないなら、問題であると主張する、在野の言論人、一般人が見直し検討作業を担い、政府が準備した政策文書よりもましなレベルの、有効な提言を準備する必要がある。

検討作業は、政府が準備した政策文書の代替案?レベルでなくては、意味がない?可能性が強いのだ。

すなわち、官邸スタッフや法務省官僚が読んで、「内容的に一理あるとする主張」が含まれていなくてはならない。


では、そう実現すべき最初の一手として、何をすべきか。

とりわけ、本事案が何よりも重要事案と認識するなら、そう主張する人が、ミクロ分析的スタンスで調査活動を実施すべきだ。そのための費用は自分で負担、自ら学び、わからない点は問い合わせるなど、最低1年間は、この問題に特化して取組まないと、レポートレベルの次元に達しない。(私の直感)

他人に費用出費や勉強を押し付けて済むことではない。難易度が高い分野であるからである。
それでも、真剣に歯を食いしばって取り組めば、1年後には、しかるべき力量を有するまでになるはずである。

それさえもせずして、正義感面して、問題だー問題だーと叫び、政権批判しても、官界からは、法律や制度を知らない無知で幼稚な人あるいは道理がわからないFランク卒の人、と扱われるだけである。


とりあえず、拙ブログは、この分野のパブリックコメント事案については、引続き、何らかの意思表示くらいはしたいと思っている。

費用内訳概略を以下に記す。
拙ブログ管理人は、この目的のために、寄付を募ることまで考えていない。が、本格的にやろうとすれば、これくらいの費用がかかるという認識くらいは共有化されるべきと思っている。

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外国人労働者問題に本格的に取り組むために必要となる費用内訳(想定)

■書籍代(最低で5万円前後)

(法令関係資料)
・注解・判例出入国管理実務六法 令和2年版 /日本加除出版/出入国管理法令研究会 7040円
・出入国管理及び難民認定法逐条解説 改訂第四版 14300円
・出入国管理法令集 1800円
・入管法判例分析  5500円
・六法全書

(手続き関係)
・〔新版〕詳説 入管法の実務-入管法令・内部審査基準・実務運用・裁判例 8250円
・特定技能制度の実務―入管・労働法令,基本方針,分野別運用方針・要領,上乗せ告示,特定技能運用要領,審査要領 9020円
・わかりやすい入管手続 必要書類と記載例集 7000円
・第2版 すっきりわかる! 技能実習と特定技能の外国人受け入れ・労務・トラブル対応 (海外人材交流シリーズ) 1980円
・技能実習法の実務 3520円
・<新訂版>外国人受け入れ実務者のための入管手続Q&A 3085円

(各種情報、統計)
・改正入管法施行に伴う わかりやすい 新しい在留管理制度ハンドブック 1543円
・在留外国人統計 2019年版(平成31年・令和元年版) 3300円
・月刊誌「国際人流」 年間9840円

(その他)
・法律用語辞典
・公務員のための公用文の書き方
・分かりやすい公用文の書き方
・分かりやすい法律・条例の書き方

■ノウハウ取得のための講習会参加費用(年10~20万円)

・入管協会等が主催する研修参加費用


■政党、議員会館、国会図書館等訪問のための旅費(東京在住者でない場合、最大で年30万前後)

自民党本部、議員会館、国会図書館、年2回訪問訪問費用。

■委員会資料入手のための必要経費等(年10万円前後)

政権与党から法務委員会資料等を入手するための、必要経費。(自民党党費、機関紙自由民主、自民党議員後援会費など)


■各種取材費用(年10万円前後)

電話問合せ、訪問調査等。


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以上

この記事へのコメント

  • 西

    外国人労働者がいつの頃から(1980年代から?)増加し始め、急増した時期、業種、業務形態などを統計別に調べてまとめる必要がありそうです。外国人労働者の増加と言っても、業種、業務形態によって理由は様々あるはずだからです。

    ただ、外国人労働者の増加といっても、少なくとも、2000年以前はそれほど大きな問題を抱えていたようには思いません。当時は、アジア人よりもブラジル人労働者(製造業に就いていた者が多い)の方が多かったような記憶があります(その後多くは帰国しました)。

    増加が問題視され始めたのは、高度経済成長期の頃ではなく、バブル崩壊後、特に小泉政権以後ですね。

    どうも、単に「人手不足」という理由だけでは説明しきれない事がありそうですね。「デフレ」ならば、「人手不足」になることは少ないはずなので(むしろ供給過多)、デフレ下なのに外国人労働者が増加するのは理解できないはずです。

    おそらく、人材派遣業の利権問題、経営者の賃上げに対する躊躇などが原因として絡んでいるのではないかと思いますね。





    2020年10月09日 02:26
  • 市井の人



    >西さん
    >
    >外国人労働者がいつの頃から(1980年代から?)増加し始め、急増した時期、業種、業務形態などを統計別に調べてまとめる必要がありそうです。外国人労働者の増加と言っても、業種、業務形態によって理由は様々あるはずだからです。
    >
    >ただ、外国人労働者の増加といっても、少なくとも、2000年以前はそれほど大きな問題を抱えていたようには思いません。当時は、アジア人よりもブラジル人労働者(製造業に就いていた者が多い)の方が多かったような記憶があります(その後多くは帰国しました)。
    >
    >増加が問題視され始めたのは、高度経済成長期の頃ではなく、バブル崩壊後、特に小泉政権以後ですね。
    >
    >どうも、単に「人手不足」という理由だけでは説明しきれない事がありそうですね。「デフレ」ならば、「人手不足」になることは少ないはずなので(むしろ供給過多)、デフレ下なのに外国人労働者が増加するのは理解できないはずです。
    >
    >おそらく、人材派遣業の利権問題、経営者の賃上げに対する躊躇などが原因として絡んでいるのではないかと思いますね。
    >

    最終的に、ミクロ分析するしかない訳ですが、派遣社員数の推移、外国人労働者の推移から、意外なことがみつかるかもしれません。
    引続き、この問題について分析が必要と思っております。
    2020年10月10日 09:51

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