皇位継承有識者会議 政権の任命責任が問われるかもしれない?

政府は、漸く皇位安定継承に向けた有識者会議設置を決めた。時事、産経の記事、どちらもポジショントーク的内容となっている。

―― 参考情報 ――――――――――

政府、皇位安定継承へ有識者会議 来週初会合、女優・中江有里氏ら
https://www.jiji.com/jc/article?k=2021031600409&g=pol

旧宮家の皇籍復帰が焦点 政府、皇位継承議論を始動へ
https://www.sankei.com/politics/news/210316/plt2103160052-n1.html

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政権の本音はどうなっているか。二階幹事長に差配される政権なので、落とし穴が待ち構えているとみていいだろう。

まず言えそうなことは、これら有識者たちは、どのような基準、経緯で選抜されたのであろうかということである。

そして、これら有識者たちは、有識者であるとされるだけの専門的知識を有するのか。私はわからない。わからないことはわからないと正直に書かせていただく。

まだ、皇位継承に係わる本を何冊も執筆してきた中川八洋の方が専門的知識を有するのではないかとみている。

そういう見方をしているので、この有識者会議が出す結論によっては、政府の任命責任が問われる可能性がある。


安倍談話に係わる有識者会議を思い出したい。あの有識者会議の場にて、中共にハニー・トラップされ?読売主筆と昵懇と思われる(喜多丘=当て字)委員が、「植民地支配、侵略、謝罪」みたいなキーワードが談話に挿入され続けることを主張したことがあった。

そんな程度の人物が、今も官職にある。情けない話である。日本を貶め、解体を目指す有識者を有識者として扱わなくてはならない事由はどこにあるのか。そして、そういう人材を官界で渡り鳥の如く処遇し続けなくてはならない必要性はどこにあるのか。


政府委員経験者のかような官界渡り鳥人事が、戦後レジーム維持装置に見えてしまうのである。


過去の事例から、今回の有識者会議は(安倍談話や小泉政権時代の有識者会議と同様)、皇室解体したい勢力が送り込んだ人材がウヨウヨいると見なくてはならない。

まず経験的に言えそうなことは、もともとマスコミ出身者は専門知識が不十分なことだ。田久保某、古森某など産経OB記者たちの最近の言動を見れば明らかなことだ。残念なことに有識者の中にマスコミ出身者がいる。

高橋洋一がマスコミ記者を小馬鹿にすることに賛同する。

―― 参考情報 ――――――――――

#38 2/5(金) 長谷川幸洋と高橋洋一のNEWSチャンネル『第1回 マスコミ論 後編 マスコミの仕事は「政権批判」?』
https://www.youtube.com/watch?v=4-7lXJ7Yx_E&list=PL6vmlngLTe5BhId-PgaN0MSTp3wXlfpfM

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そのうえで、これら有識者たちは前例のないことについて、過去「提言」できてきたのか。


「旧宮家の皇籍復帰」は、政治的には前例のないことである。

有識者会議に先立ち、最低限の措置として政府側は「論点」を示したはずである。が、これら有識者たちは、前例なき事案について、具体的提言を組み立てられるだけの専門的知識、ビジネススキルがあるのだろうか。


参考までに、櫻井よしこ率いる国家基本問題研究所の提言を眺めておきたい。

https://jinf.jp/suggestion

言いたいことはわかるが、どれもこれも総論レベルである。

同じことは今週の直言についても言える。

https://jinf.jp/weekly

なぜこの研究所のことをサンプルとして示したか。
目的は、日本の有識者と言われる人たちの実力がどの程度であるかについて、示すことにある。

有識者たちは、総論レベル、一般向けにわかりやすくかみ砕いた字句で作文はできる。しかし、それは政治の初心者向けの言論活動に過ぎない。
政権中枢が腐心して検討している最中、事情と経緯を知る、省庁官僚向けの提言の次元に達しているのであろうか。
言論活動はいつもいつも初心者ビジネスレベルでは困るのである。



そして、言論界には、重大な政治判断を導く、各論レベルで予算獲得するための理論構築と詳細具体提言に不得手な人が多い。特に、マスコミ出身者。

分野、業種は異なるが、私は、さんざん経験してきた。
誰も文章化しようとしない、、、

会議では、動画ではもっともらしいことを語っても、稟議書レベルで簡潔に締めくくることを、いわゆる有識者たちは得意としてはいない。



では、誰が最後に締めくくるのか(稟議書に書く字句のレベルで)ということになる。

政権中枢の官僚たちである。

どういう意味か。



政府として最終意思決定するには、稟議書決裁、閣議決定となるのは必定。
稟議書には、件名、経緯、背景、提案理由、提案事項が簡潔に記される。官僚たちは、この稟議書記述スキルに長けている。特に文章化スキル。これは事実だ。


例えとして示したい。
前例のない分野、事業に新規予算を付ける場合、提言書レベルの文書が官界で必要となる。新規予算と提案文書は表裏一体もの。国家予算1兆円規模の予算獲得目的の裏付け文書が官界には溢れている。一見、無味乾燥な文書に見えてもである!

保守活動家たちの中に、官界文書のほとんどをグダグダ、、、みたいな書きぶりで評価、批判するする方が多い。それは間違いだ。A4数枚の文書、新規事案のパブリックコメント等の数枚の文書は、実は最低でも数億円レベルの予算執行の裏付け文書なのである。

ひょっとすると100億レベルの予算支出の裏付けとなる、A4数頁の文書を、書ける在野の言論人は何人いるのか、ということなのである。

官界の文書、官僚批判する前に、稟議書の重要性を理解すべきと言いたい。



論点を変えたい。

では、なぜ、優秀な官僚を擁する政府は、官僚たちに今すぐに「旧宮家の皇籍復帰」に関する作文をさせないのか。

官房長官が、一晩でやれと指示すれば、作文できる官僚は、百人くらいは居るような気がする。

実際の話として、一晩で作文せよとはならない。
政権としては、前例がなく、歴史上の重みをもつこと、何より、「國體」に係わる重要事案なので、手抜きはできないと考えている可能性はある。


要するに、官僚に作文させて後々失敗した場合の政治責任を考え、政治手続き的に有識者に一旦検討を委ね、これはと思う知恵ないし、国民各層が納得しそうな有力なシナリオ(=稟議書の提案理由に記述されるべき字句)を政権は見出したいのではないか。

既に、稟議書の下書きはできている状態にあるように思う。業務上、精通している人なら、しかるべきレベルの官僚なら、準備していないはずはない。

菅政権については、安倍外交を踏襲、クアッド外交を本格化させた点において、小泉政権時代のような、女性宮家論を先行させる動きはしないだろう、と私はみている。



が、二階幹事長に担がれた政権なので油断はできない。



日本会議は、会員向けに注意喚起情報を配信し始めた。万が一、女性宮家創設の結論を有識者会議が導いた場合、日本会議の本部、支部は準備ができているのであろうか。

この場合の準備とは
①政府の有識者会議の検討文書に匹敵する、(稟議書レベルの精度の)要請文書の提出
②変な答申に係わった、有識者会議委員に対する公開質問状
③変な答申書が出た場合の、政府に対する有識者任命責任等を問う批判文の提出
④旧宮家復活に向けた署名活動の準備などを指す。

政府詳細検討・見解を待つことを前提とした、総論程度の意見、批判だけでは何も変わらない。


政府がしようと思えばできるのに、わざとに手抜きしている場合に備え、「官界稟議書にかく書き、この文案通り決裁せよと迫る」愛国者が現れんことを私は期待するのである。


以上

この記事へのコメント

  • Suica割

    行政文書って、基本は古今東西面白くないものです。
    それを知らないと、立派な運動家にはなれません。
    2021年03月17日 19:48
  • 市井の人



    >Suica割さん
    >
    >行政文書って、基本は古今東西面白くないものです。
    >それを知らないと、立派な運動家にはなれません。

    この辺のことを理解する活動家が少なすぎます。愛国であるとか主張する前に、問題だとする法律くらいは一読いただきたいものです。
    2021年03月18日 08:13

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