アフガン米軍撤収の意味

産経はかくアメリカ軍のアフガン撤収について報道した。

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【主張】米軍アフガン撤収 対中シフトの決意示した
https://www.sankei.com/column/news/210416/clm2104160001-n1.html

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産経記事は、アメリカ、中共、タリバン三つに限定した視点である。
他の要素はないのか。そう単純な事案ではないはずである。


兵頭二十八はかく分析している。

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米軍のアフガン撤退が決まり、中共とロシアは非常に焦っている。米国の戦争資源が両戦線へ振り向けられてくるからだ。
https://st2019.site/?p=16609

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バイデン政権の対ロシア政策はどうか。インド訪問し、クアッド弱体化?を目論んだロシアだったが、そのロシアに対し、バイデン政権は制裁を決断。外交官10人の追放と発表した模様。ロシアは米中戦争終わるまで構わない、ロシアに対しては動くな、と言ったも同然。

―― 参考情報 ――――――――――

【速報】バイデン大統領 「国家緊急事態」 ロシア外交官10人を追放へ
https://hosyusokuhou.jp/archives/48900354.html

バイデン政権がロシアに大規模制裁 米大統領選への干渉やサイバー攻撃に対抗
https://www.sankei.com/world/news/210416/wor2104160002-n1.html

ロシア外相がインド訪問 クアッド牽制思惑も
https://www.sankei.com/world/news/210406/wor2104060030-n1.html

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対中共はどうか。
アメリカ軍が撤退することで、中共への聖戦を目論む勢力の活動が活発化するというシナリオがある。


宮崎正弘のメルマガを参照したい。

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「宮崎正弘の国際情勢解題」 
令和三年(2021)4月15日(木曜日)
     通巻第6862号  
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 バイデン、アフガニスタンから完全撤退を表明。トランプ路線を追認
  アフガンは無政府状態、テロリストの天下になるが、米国の底意は?
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 トランプ前政権ははやくからアフガニスタン撤退を表明していた。
 200兆円を超える天文学的な戦費を注ぎ込み、一時は十万人ものアメリカ兵を派遣した。犠牲は3000名を超えたが、アフガニスタンに米国が描いたような秩序も平和も訪れなかった。壮大な無駄? 「投票箱」が民主主義と誤信する米国の野心的なアフガニスタン民主化は水泡と帰した。

 オバマ政権後期から、駐屯する米軍兵力の規模縮小を行ってきたが、バイデン政権は、この撤退予定をいったんは白紙に戻した。4月時点で残留米軍は2500名となった。当初は五月一日までの撤収予定だった。
 3月18日、オースチン国防長官はインドを訪問し、クアッドの共同軍事演習などの狭義を行った。その足でアフガニスタンを電撃訪問した。

 4月13日、ホワイトハウスでバイデン大統領は正式にアフガニスタンからの完全撤退を表明した。911テロから二十年の記念日をひとつのメルクマールとするためだ。換言すれば、トランプ路線を継承する。発表前にバイデンはブッシュ元大統領、オバマ元大統領に電話し、撤退声明の段取りを伝えた。

 さて米軍が撤退したあと、何が起こるか?
 ガニ政権の基盤は首都カブールとその周辺にしか及んでおらず、各地にはテロリストを言われる武装集団が盤踞したまま。
 タジク系、キルギス系、そしてヘクマチアル派に北部同盟の残党が武器を所有し、政府軍に攻撃を仕掛ける。撤退後、いずれ各派が武闘を繰り返し、無政府状態が出現するだろう。

 しかし米国は戦略的要衝としてのアフガニスタンを重視しておらず、介入の動機は911テロに対しての報復。それが泥沼化したのだ。トランプは、この意義の薄いアフガニスタンへの介入を、国益には繋がらないと判断し撤退を唱えていた。反対していたのはペンタゴンと旧オバマ政権のブレーンらだった。オバマは「アフガニスタン戦争は『良い戦争だ』」と啖呵を切っていた。

 注意深く事態の成り行きを見ているのはロシア。そしてISである。
 ISがこのところ沈黙を守り、戦力を温存させてきたのは『米軍撤退後』に焦点を充てているからである。
 なぜならアフガニスタンを軍事拠点とすれば、次に彼らが仕掛けるのは中国である。中国共産党の過酷なウイグル弾圧は、おなじチュルク系の民族的紐帯に重ねてイスラムの連帯である。

 米軍の撤退で、軍事的脅威が目の前にくるのが中国だろう。
 ウイグル自治区での収容所、言論弾圧と洗脳を西側は「ジェノサイド」として非難する。国際社会に孤立を深め、北京五輪ボイコットの合唱も日一日と大きくなってきた。

 バイデンは米国の世論調査の民意の変化に沿って表向きの撤退を演じながら、裏ではむしろ対中国への武装集団の出撃基地となることを秘かに意図しているのではないかとの邪推も生まれる。

||||| ここまで引用 ||||||||||||||||||||||||


バイデン政権は、アフガン撤退により、イスラム勢力が中共に対し聖戦を仕掛けることを間接的に支援しているという解釈が可能である。加えて、バイデン政権は、クアッド弱体化を目論んだ?ロシアへの制裁を実施するなど、中共だけでなくロシアへの警戒を怠っていない。

産経は、アメリカ軍がアフガンから撤退することで、対中軍事作戦上の余力が生まれるとしているが、事は産経記者が考えるほど単純ではない。


加えて、バイデン大統領は、日米首脳会談直前に、中国人の出資禁止を日本政府に要望したそうだ。

―― 参考情報 ――――――――――

バイデン大統領、中国人による日本企業への出資禁止を要望(命令) 「米欧並みに厳しい法整備を」
http://fxya.blog129.fc2.com/blog-entry-68354.html

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産経だけを読んでいると、判断を見誤ると言いたいのである。


以上

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