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日米首脳共同声明
https://www.mofa.go.jp/mofaj/files/100177719.pdf
https://www.kantei.go.jp/jp/99_suga/statement/2021/0416kaiken1.html

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全部でA4で6頁からなる。他国との共同声明と比較すると結構長い。(気がする)
内容的には、「前文」、「自由で開かれたインド太平洋を形作る日米同盟」、「新たな時代における同盟」、「今後に向けて」、の4部作。
この中から、気になる箇所について、列挙させていただく。
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日米首脳共同声明での気になる箇所
■前文
・菅総理とバイデン大統領は、消え去ることのない日米同盟、普遍的価値及び共通の原則に基づく地域及びグローバルな秩序に対するルールに基づくアプローチ、さらには、これらの目標を共有する全ての人々との協力に改めてコミットする。日米両国は、新たな時代のためのこれらのコミットメントを誓う。
この場合の「誓う」とは、共同声明で約束したことを必ず実行すると宣言したに等しいのではないか。
■自由で開かれたインド太平洋を形作る日米同盟
・日米両国は、国連海洋法条約に記されている航行及び上空飛行の自由を含む、海洋における共通の規範を推進する。
南シナ海における中共の動きを念頭に入れた表現と思うが、共通の規範を推進するとは、軍事的に何を意味するのか。憲法改正できなくても実行すると約束したに等しい表現のような気がする。
・米国は、核を含むあらゆる種類の米国の能力を用いた日米安全保障条約の下での日本の防衛に対する揺るぎない支持を改めて表明した。
非核3原則の放棄?
・米国はまた、日米安全保障条約第5条が尖閣諸島に適用されることを再確認した。
アメリカ政府からの日本政府への最終約束
・日米両国はまた、より緊密な防衛協力の基礎的な要素である、両国間のサイバーセキュリティ及び情報保全強化並びに両国の技術的優位を守ることの重要性を強調した。
通信、半導体分野において、日本企業が中国企業との取引をやめる?中国現地生産をやめる?
・日米両国は、普天間飛行場の継続的な使用を回避するための唯一の解決策である、辺野古における普天間飛行場代替施設の建設、馬毛島における空母艦載機着陸訓練施設、米海兵隊部
隊の沖縄からグアムへの移転を含む、在日米軍再編に関する現行の取決めを実施することに引き続きコミットしている。日米両国は、在日米軍の安定的及び持続可能な駐留を確保するため、時宜を得た形で、在日米軍駐留経費負担に関する有意義な多年度の合意を妥結することを決意した。
従来の対応の再確認(国会審議や首長選挙の結果で揉めることを事前回避?)
・日米両国は、東シナ海におけるあらゆる一方的な現状変更の試みに反対する。
東シナ海での中共の動きについてけん制。
・日米両国は、南シナ海における、中国の不法な海洋権益に関する主張及び活動への反対を改めて表明するとともに、国際法により律せられ、国連海洋法条約に合致した形で航行及び上空飛行の自由が保証される、自由で開かれた南シナ海における強固な共通の利益を再確認した。
南シナ海における中共の主張、活動への反対。
・日米両国は、台湾海峡の平和と安定の重要性を強調するとともに、両岸問題の平和的解決を促す。
台湾問題に関する、日米初の共同見解の発出。(画期的)
・日米両国は、香港及び新疆ウイグル自治区における人権状況への深刻な懸念を共有する。
ウイグル問題に関する、日米初の共同見解の発出。(画期的)
・日米両国は、北朝鮮に対し、国連安保理決議の下での義務に従うことを求めつつ、北朝鮮の完全な非核化へのコミットメントを再確認するとともに、国際社会による同決議の完全な履行を求めた。日米両国は、地域の平和と安定を維持するために抑止を強化する意図を有し、拡散のリスクを含め、北朝鮮の核及びミサイル計画に関連する危険に対処するため、互いに、そして、他のパートナーとも協働する。バイデン大統領は、拉致問題の即時解決への米国のコミットメントを再確認した。
従来路線?
・日米両国は、皆が希求する、自由で、開かれ、アクセス可能で、多様で、繁栄するインド太平洋を構築するため、かつてなく強固な日米豪印(クアッド)を通じた豪州及びインドを含め、同盟国やパートナーと引き続き協働していく。
クアッドに係わる従来スタンスの確認
・日米両国はまた、韓国との三か国協力が我々共通の安全及び繁栄にとり不可欠であることにつき一致した。
韓国の扱いについて明確化。韓国政府に余計な動きをさせないための先手的措置
・日米両国は、ミャンマー国軍及び警察による市民への暴力を断固として非難し、暴力の即
時停止、被拘束者の解放及び民主主義への早期回復を強く求めるための行動を継続することにコミットする。
ミャンマー政権に対する共通見解の発出。
■新たな時代における同盟
・日米両国のパートナーシップは、持続可能な、包摂的で、健康で、グリーンな世界経済の復興を日米両国が主導していくことを確実にする。
日本政府は同盟上、確実に実施する責務を負うと読める。
・菅総理とバイデン大統領は、第 5 世代無線ネットワーク(5G)の安全性及び開放性へのコミットメントを確認し、信頼に足る事業者に依拠することの重要性につき一致した。
日本政府は、通信分野において中国企業排除する義務を負う?と読める。
・日米両国は、活発なデジタル経済を促進するために、投資を促進し、訓練及び能力構築を行うため、両国の強化されたグローバル・デジタル連結性パートナーシップを通じて、他のパートナーとも連携する。日米両国はまた、両国の安全及び繁栄に不可欠な重要技術を育成・保護しつつ、半導体を含む機微なサプライチェーンについても連携する。
日本企業はアメリカ企業と相似形のサプライチエーンを採用することを日本政府として約束する?
・日米両国は、双方が世界の気温上昇を摂氏1.5度までに制限する努力及び2050年温室効果ガス排出実質ゼロ目標と整合的な形で、2030年までに確固たる気候行動を取ることにコミットした。
ここで言う、温室効果ガス排出実質ゼロ目標と整合的な形とは、新たな国民負担を強いることを前提したもの?
・新型コロナウイルス感染症に対処する中で、日米両国は、次のパンデミックに備え、グローバルな健康安全保障(ヘルスセキュリティ)やグローバルヘルスに関する二国間の官民協力も強化しなければならない。日米両国は、潜在的な衛生上の緊急事態の早期かつ効果的な予防、
探知及び対処を通じてパンデミックを防ぐ能力を強化するとともに、透明性を高め、不当な影響を受けないことを確保することによって世界保健機関(WHO)を改革するために協働する。日米両国はまた、新型コロナウイルスの起源、あるいは将来の起源不明の感染症の検証に関する、干渉や不当な影響を受けない、透明で独立した評価及び分析を支持する。
日本政府は、アメリカと共同でWHO改革のみならず、感染症の起源について検証する立場であることを表明
■今後に向けて
・今日、日米両国が担う責任は重大なものだが、両国は決意と結束をもってそれらに向き合う。
憲法改正できないことを根拠として、日本政府は実現できないとは言わない?と読める?
・バイデン大統領は、今夏、安全・安心なオリンピック・パラリンピック競技大会を開催するための菅総理の努力を支持する。
アメリカ政府は、東京オリンピック開催を支持。北京オリンピック参加については?
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日本側からみて、事前予想以上に、かなり踏み込んだ共同声明である。
さらに、共同声明は、方針確認にとどまらず、両国共同で対処することを約束、読み方によっては非核三原則を放棄したと解釈できる部分、憲法が改正できていなくても条約が優先するとの解釈の元、安全保障上の措置を実行すると読める箇所もある。
通信、半導体分野については、日本政府は中国企業との取引、調達をやめることが明確化された。
台湾防衛、ウイグル人権問題に関しては、日米で共通認識の元対処することが確認された。
すなわち、日本政府は、基本認識の確認だけでなく、実施方針ならびに措置内容について、アメリカ政府と同一歩調をとり実行します(憲法改正しなくても?、国会同意なくても?、法改正しなくても?)と認めたに等しい。
外交的には、「約束させられた?」形を日本政府は選択したようだ。
「日米安全保障条約第5条が尖閣諸島に適用されることを再確認」する文言と引き換えに、日本政府としては妥協した可能性はある。一方で、政権の背後に居る保守派が、国内の事前調整での困難さを避け、いわゆる外圧を利用した可能性がないとは言えない。
日本政府の背後に、政権を操った人物がいるのではないのか。
誰とは書かない。
トランプがバイデンに指示、トランプと仲の良い政治家と事前に、、、
トランプ政権状態での共同声明文と読めなくはないからである。
アメリカ側からの要請で首脳会談を一週間延期して欲しいと言ってきたのは、日米共同声明文について、アメリカ側で日本に呑ませるべく?詳細検討した結果ではないのか。
菅政権は、4月解散を狙っていたふしがあるが、この日米共同声明文の内容を事前に読まされ、解散を踏みとどまった可能性はないのか。
日本政府は最初から共同声明文を想定したのであろうか。最終的に、進んで、共同声明文を受け入れたのか、私は疑問に思う。
ひょっとすると、戦後の日本の歴代の首相は、アメリカ(あるいはアメリカを支配する)誰かから指名されてきたのではないか。そして、今後はこの共同声明を維持するために、事前指名された政治家だけが首相になれる?慣行?が続くのではないか。(根拠はないが)
以上を要約するとどうなるか。
共同声明文の内容について、基本認識的部分については異論はないが、実施措置部分まで踏み込み過ぎた内容となっていると思われるため、菅政権は後始末に苦慮すると予想する。私は心配している。
最後に、追記となるが、就任式でホワイトハウスを使用できなかった?と噂されるバイデンが、日米首脳会談という名目を得て、晴れてホワイトハウスを利用できることとなった?可能性がある。
以上
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