「集団・学校外・ネット上」でいじめの同時発生を想定すべき

本稿は、いじめ問題に係わる役割分担等見直しに係わる問題提起。


いじめ問題は、自治体において、教育委員会が総括することが一般的である。
教育委員会は、現状、学校内、学校外で発生したいじめ問題について総括する役割を担っている。

一般論として、学校外で発生したいじめ問題まで、担任教師に担当させるべきかという問題がある。



旭川で起きたいじめ事案は、学校外での集団での強要行為、ネット上での猥褻画像等の流布など名誉棄損行為などがあったとされる。

すなわち、いじめ加害者が集団かつ学校外かつネット上でいじめ行為を行なったということになる。


さて、青少年のネット利用の現状はどうなっているか。
学校配布したタブレットを小学生がゲーム機として活用しているとする情報がある。

―― 参考情報 ――――――――――

【悲報】学校に配ったタブレット、ゲーム機にされる「裏技で他の小学生が作った面白いゲームで遊べる」
http://news.2chblog.jp/archives/51993986.html

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子供がゲーム機能を覚え、ゲームの達人となるのは大人以上に速い。

他人を貶めて喜ぶ少年が一人でもいた場合、一人でいじめることが無理と考えた場合、集団で悪意ある行動を計画、実行することは時間の問題。

私の時代にもそういう集団はいた。ただ、ネットはなかった。


一方、『「悪意ある少年」が集団でインターネットを駆使、ネット上で同年代の少年をいじめることを、まったく想定していない?綺麗ごとパブリックコメント』が実施中である。深刻ないじめ事案の実態を認識していないのではないか。


―― 参考情報 ――――――――――

青少年が安全に安心してインターネットを利用できるようにするための施策に関する基本的な計画
https://yamatonoibuki.seesaa.net/article/481262140.html

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旭川で起きた事案に関しては、いじめ被害者を守るはずの、法整備・体制が後追い状態にあるとみなくてはなるまい。

文科省大臣は、自治体主体での状況調査進展ない場合、現場介入する方針を示している。

―― 参考情報 ――――――――――

萩生田文科相「事案が進まなければ政務三役が現場に入る」/「ふざけんな」「おぞましい」旭川少女イジメ凍死「臨時保護者会」開催も怒号飛び交う90分/教育委員会は「重大事態」認定
http://totalnewsjp.com/2021/05/02/asahikawa/

保護者会に金子圭一は欠席!教頭と担任教師は一度も頭下げず!怒号飛び交う!パヨクの旭川市は異常
http://deliciousicecoffee.jp/blog-entry-8255.html

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保護者会で起きたことについて、学校関係者の責任追及は必至。



しかし、ここで、考えなくてはならない。学校関係者の問題対応を指摘し、処分した程度で、この種の事案の再発が防げるのかということなのである。

今後、いじめ問題とは、従来のように学校内に限定されず、集団かつ学校外かつネット上で、同時発生するという前提で考えなくてはならない。

この前提で考えると、青少年が加害者となるいじめ問題の総括は、自治体教育委員会が所管、総括させることが適当であろうか。


同一被害者に対するいじめが、「集団・学校外・ネット上で同時発生」することを想定した場合の論点(検討課題リスト)を以下に示す。

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いじめが「集団・学校外・ネット上で同時発生」することを想定した場合の論点(検討課題リスト)

(総括対応組織)
・集団、学校外、ネット上のいじめへの迅速な対応を行うのは、どういう性格の組織が適切か(教育委員会、学校対応の限界?)
・そもそも教育関係者は、集団かつ学校外かつネットいじめ事案に万能なのか

(警察等の対応)
・警察介入基準の明確化(学校外、ネットいじめ)
・少年法は集団いじめ、ネットいじめをそもそも想定しているのか
・ネットいじめに参加した少年について、ネット利用禁止措置は教育上可能なのか(機材没収等)
・集団かつ学校外かつネットいじめ案件について、逮捕等の措置を取らない場合でも、加害者の行動制限、加害者の日常監視措置等(加害者親の法的義務など)を新設すべきではないのか

(人権問題としての処理)
・悪意ある少年によるネットいじめは、そもそも少年が引き起こす人権問題ではないのか
・人権擁護委員制度は、少年が少年に対して行う人権問題について機能するのか
・いじめ事案であることが確定、警察介入事案となった場合、人権擁護委員が主体的に動くべきではないのか

(転校)
・いじめ加害者が複数かつ再発が想定される場合、加害者側に転校を義務づける制度の導入
・教師の対応に問題あるとみられる場合、校長、教頭、担任の更迭を迅速化しなくて良いのか

(民事訴訟)
・少年犯罪に関して、民事訴訟(名誉棄損訴訟)は抑止力となりえるのか

(第三者委員会組織の見直し)
・集団かつ学校外かつネット上でいじめ増加を想定した場合、第三者委員会は常設組織としなくていいのか

(子ども庁との関連)
・子ども庁設置との連携は必要性

(自治会組織の係わり)
・学校外でいじめが多発することを想定すると自治会防犯組織は係わらなくてよいのか

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その他に、父兄説明会はどの組織が主催、どういう位置づけで運営するのか、担任の役割は見直さなくてよいのか、などの検討課題が存在。

言いたいことは、「悪意ある少年による、同世代の少年に対するいじめ行為が、学校内に留まらず、集団かつ学校外かつネット上で、同時に行われるケース多発が想定・確実視されるなら、もはや、教育委員会、学校、担任の手に負える次元ではない」のではないかということ。

組織論的には、教育委員会が最終総括するのではなく、「自治体首長直属の、第三者で構成される、常設のいじめ対応組織(教育委員会の上部組織の位置づけ)」がふさわしいと考える。この場合でも、学校は学校内でのいじめ対応については対応することとなろう。



以上





この記事へのコメント

  • Suica割

    少年のいじめ事件は、厳密に言うと、刑法に触れる事案も多い。
    警察組織を噛ませる必要もあるかと考える。
    2021年05月06日 12:15
  • 市井の人



    >Suica割さん
    >
    >少年のいじめ事件は、厳密に言うと、刑法に触れる事案も多い。
    >警察組織を噛ませる必要もあるかと考える。

    旭川の事案により、教育委員会では対応不十分、警察、人権対応機能を含む総合的措置がとれる組織が必要という認識となればと思います。
    2021年05月07日 08:00
  • 西

    いじめっ子の親が何かしらの政治的な権力を持つ者で、教師に対して何かの圧力をかけてくるなど、教師が単独で対応するのが困難であれば、警察介入を含めた検討をするべきだと思います。

    明確に犯罪行為(悪ふざけというレベルでは済まないもの)を行っているのであれば、警察介入を拒む事例はありえないでしょう。

    そもそも、そういった「加害少年」は、反省する気が無いのであれば、「少年院」に送致されるのが普通ですから(少年院を出ても反省しない者も多いのですが)。

    ただ、今回の場合、教師の側も能力不足としか思えず、何をやっているんだ、としか言いようがありませんね。

    いじめに関しても「無視」に近く、関わりたくないような素ぶりを見せていたようですから、相談した被害生徒も誰にも頼れずに、逃げ場も無くなり、どうにもならなかったのではないかと思いますね。

    また、いじめの加害生徒と被害生徒のクラスや校舎を分けるといった対応も必要になるのではないか、と思います。ただし、近すぎると、加害生徒に再び絡まれる可能性があるので、十分な距離を取る必要がありますが。

    問題を起こした生徒と一緒にいられるわけが無いのは明白ですし、中途半端に分けるだけでは、再びいじめが発生する可能性だって有り得るでしょう。

    加害生徒に謝罪させる必要がありますが、加害生徒側が全く反省する気が無い場合は、警察介入、および児童相談所、家庭裁判所など、少年院送致を含めた「強制措置」も必要になると思いますね。


    2021年05月08日 01:39
  • 西

    場合によっては、いじめの加害生徒が被害生徒に対して「先生にチクったりしたら、今より酷い目に遭わすぞ」といった「脅迫」をしている可能性もあるので、被害生徒が「告白」するのを躊躇っている可能性があります。

    その場合、先生が生徒に聞いてみても正直に答えないと思うので、対応がより難しくなるのではないかと思います。

    生徒が先生ではなく、「家裁」や「警察」に直接相談できるような体制が必要になるのではないかと思います。

    思うに、公立校は「建前」として「全ての学力層(当然、勉強する気が端から無いような成績最下位層を含む)」の人間を受け入れなければならず、いじめ問題を起こすのが大抵「成績下位層」なので、公立校は一種の「魑魅魍魎の巣窟」になっているようなところがあるように思いますね。

    このあたりの「建前」の問題を何とかしなければいけないような気もしますね(本音で言えば、成績毎にクラスを分けたり、学校を分けるのが一番いいのですが)。

    2021年05月08日 01:59
  • 市井の人



    >西さん
    >
    >いじめっ子の親が何かしらの政治的な権力を持つ者で、教師に対して何かの圧力をかけてくるなど、教師が単独で対応するのが困難であれば、警察介入を含めた検討をするべきだと思います。
    >
    >明確に犯罪行為(悪ふざけというレベルでは済まないもの)を行っているのであれば、警察介入を拒む事例はありえないでしょう。
    >
    >そもそも、そういった「加害少年」は、反省する気が無いのであれば、「少年院」に送致されるのが普通ですから(少年院を出ても反省しない者も多いのですが)。
    >
    >ただ、今回の場合、教師の側も能力不足としか思えず、何をやっているんだ、としか言いようがありませんね。
    >
    >いじめに関しても「無視」に近く、関わりたくないような素ぶりを見せていたようですから、相談した被害生徒も誰にも頼れずに、逃げ場も無くなり、どうにもならなかったのではないかと思いますね。
    >
    >また、いじめの加害生徒と被害生徒のクラスや校舎を分けるといった対応も必要になるのではないか、と思います。ただし、近すぎると、加害生徒に再び絡まれる可能性があるので、十分な距離を取る必要がありますが。
    >
    >問題を起こした生徒と一緒にいられるわけが無いのは明白ですし、中途半端に分けるだけでは、再びいじめが発生する可能性だって有り得るでしょう。
    >
    >加害生徒に謝罪させる必要がありますが、加害生徒側が全く反省する気が無い場合は、警察介入、および児童相談所、家庭裁判所など、少年院送致を含めた「強制措置」も必要になると思いますね。
    >
    >
    >

    少年法適用除外規定の法制化が必要と思います。
    2021年05月09日 09:00
  • 市井の人



    >西さん
    >
    >場合によっては、いじめの加害生徒が被害生徒に対して「先生にチクったりしたら、今より酷い目に遭わすぞ」といった「脅迫」をしている可能性もあるので、被害生徒が「告白」するのを躊躇っている可能性があります。
    >
    >その場合、先生が生徒に聞いてみても正直に答えないと思うので、対応がより難しくなるのではないかと思います。
    >
    >生徒が先生ではなく、「家裁」や「警察」に直接相談できるような体制が必要になるのではないかと思います。
    >
    >思うに、公立校は「建前」として「全ての学力層(当然、勉強する気が端から無いような成績最下位層を含む)」の人間を受け入れなければならず、いじめ問題を起こすのが大抵「成績下位層」なので、公立校は一種の「魑魅魍魎の巣窟」になっているようなところがあるように思いますね。
    >
    >このあたりの「建前」の問題を何とかしなければいけないような気もしますね(本音で言えば、成績毎にクラスを分けたり、学校を分けるのが一番いいのですが)。
    >
    >

    西さんのコメントを参考に、新たないじめ対応組織をデザインしてみました。いかがでしょうか。
    2021年05月09日 09:02

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