環境省が「国立公園内の登山道管理」を放棄している?問題

国立公園内にて、国や自治体主体で本来実施すべき事業を民間のボランテイア組織が主導しているとの情報がある。以下はその一例。


―― 参考情報 ――――――――――

登山道が消える!? 北アルプス登山に危機
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210720/k10013147531000.html

雲ノ平登山道整備 ボランティアプログラム
https://kumonodaira.com/features/volunteer.html

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各地で荒廃した登山道整備の一手法として木道設置が選択、今や各地の登山道整備ボランテイアが木道等設置に自費、手弁当で奮闘している。


なぜこんなことになるのか。
あの日本百名山ブームのせいである。
私は地元の山しか行かないが、それでも地元の百名山の山は、百名山でない近隣の山と比較して10倍程度登山者が多い。これが、登山道の崩壊の主たる原因。
体力自慢の百名山ハンターたちは、一回しか登らない山の登山記録を得るべく、コロナ緊急事態宣言など無視、飛行機で各地登山ツアーを企画、タイムレース感覚で弾丸の如く駆け抜ける傾向にある。一刻でも早く駆け抜けるために、目の前に花が咲いていようが貴重な植物があろうが、道が崩壊していようが、早く登り早く下山するために、最終的にその登山道がどうなろうと気にかけることはない。

これが私が見かけた、百名山ハンターたちの実態である。そうでない方もいるが地元の視点でみると少数派。


特に、百名山を繋ぐ縦走路(テント泊、山小屋泊前提の登山スタイル)の荒廃が加速している。日帰りコースよりも縦走路の荒れ方が尋常でない。

なぜか。縦走路なので、テント泊、山小屋泊となる関係で、ガイドツアー主催のガイドが、同行者が背負うべき荷物まで背負って登山、一般の登山者が体重プラス10キロで歩くところを、体重+70キロくらいの重量で踏破するからである。

150キロ近い物体が登山道を痛めている主因であることに、登山ガイドたちは気がついているはずである。


こういう危機的な状況を座視できない、正義の人たちが各地に存在。仲間とボランテイアを募って、木道を設置、笹が生い茂る廃道寸前の登山道を開削したりしている。

その費用負担実態はどうなっているか。

・整備費用は民間の寄付主体
・使用木材は主に国産材(カラマツ?)
・木材輸送はボランテイアが背負子で荷上げ
・現地施工はボランテイア主体


ところが、環境省職員は、レジ袋有料化以降、国民や消費者に負担と不便を強いるペーパー対応に熱中し始めているように見える。

それだけではない。前レジ袋大臣は、レジ袋有料化を実現、それを自分の手柄と自慢するだけでなく、国民に対しさらなる再エネ賦課金負担を強いる、太陽光発電普及論者であった。


今や環境行政は、国民や消費者に負担や不便を強いる状況となっている。



そこで、私は環境省事務次官や局長クラスの方に申し上げたい。

レジ袋無料化が環境負荷対策上、ダメだとするなら、荒廃する国立公園登山道整備予算は「実質なし」状態でいいのか。国立公園登山道整備予算がないなら、環境省は本省職員まで動員して、国立公園の登山道整備を実施する立場にあるのではないのか。


なぜか。それが、国立公園を所管している環境省本来の仕事だからである。

なぜこんなことまで書かなければならないのか。

環境省が本来すべきことを放棄、レジ袋有料化、プラスチック容器有料化検討、太陽光発電促進に熱中するからである。


そこで、提言させていただく。

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国立公園登山道整備拡充に係わる提言

・荒廃が進む国立公園の登山道整備予算の拡充
・登山道整備予算が不足する現状において、環境省全職員(本省を含む)を登山道整備ボランテイア団体が企画する整備事業に対し、派遣する(環境省全職員が、国立公園登山道整備事業に作業者として係わる)
・国立公園登山道整備に係わる木道等の費用は、国産材利用促進事業として位置づけ、全額国が予算措置するか、補助対象とする(農水省との協議事項?)
・国立公園登山道整備に係わる木道等に使用する木材の輸送費用は、①国産材利用促進事業の位置づけで補助対象とするか、②国立公園整備事業として予算化する

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せめて、環境省や自治体は、国立公園内の登山道整備の木材費用、木材輸送費用くらいは支出すべきである。特に、北アルプスの登山道整備は、環境省本省職員含め、環境省本省内で輪番で雲ノ平に派遣すべきであろう。


以上

この記事へのコメント

  • Suica割

    環境省が本来すべきことを放棄、レジ袋有料化、プラスチック容器有料化検討、太陽光発電促進に熱中するからである。


    いささか、ブログ主とは意見を異にするが、再生エネルギーに関しては、国益に資すると思う点があります。https://www.newsweekjapan.jp/pakkun/2021/10/post-66.php
    環境のためという、錦の御旗を隠れ蓑にエネルギー自給(妨害されないように、欧米のエネルギー関連企業、ハイテク関係企業や金融資本は挟む)と益なき中東への関与の減少に使うなら、策としてはありと思います。
    (環境配慮型の平和的協定のフリをして、イスラエルと再生エネルギー開発国際協力機構を作るのはアリかもしれない。日本は中東情勢からの逃避、イスラエルはイスラム教諸国の糧道カットができる。もちろん、日本は中東への軍事行動は、原則しない。)
    2021年10月09日 14:00
  • 市井の人



    >Suica割さん
    >
    >環境省が本来すべきことを放棄、レジ袋有料化、プラスチック容器有料化検討、太陽光発電促進に熱中するからである。
    >
    >
    >いささか、ブログ主とは意見を異にするが、再生エネルギーに関しては、国益に資すると思う点があります。https://www.newsweekjapan.jp/pakkun/2021/10/post-66.php
    >環境のためという、錦の御旗を隠れ蓑にエネルギー自給(妨害されないように、欧米のエネルギー関連企業、ハイテク関係企業や金融資本は挟む)と益なき中東への関与の減少に使うなら、策としてはありと思います。
    >(環境配慮型の平和的協定のフリをして、イスラエルと再生エネルギー開発国際協力機構を作るのはアリかもしれない。日本は中東情勢からの逃避、イスラエルはイスラム教諸国の糧道カットができる。もちろん、日本は中東への軍事行動は、原則しない。)
    >

    事務分掌上のことですが、太陽光発電云々に関しては経済産業省の外局の資源エネルギー庁の新エネルギー課です。
    環境大臣が事務分掌を弁えないから、注意喚起目的で書かざるを得ません。
    環境大臣が太陽光について言及することは、環境省と資源エネルギー庁、消費者庁の統合は避けられないと思います。
    大臣は、事務分掌に則り発言すべきと考えます。
    2021年10月09日 14:50
  • Suica割

    https://www.greenpeace.org/japan/explore/plastic/
    こういったことをきちんと説明した上での有料化なら、レジ袋担当大臣と言われても、今ほどの揶揄はされなかったでしょうね。
    本人の見極めの甘さが生んだ問題です。親父のやり方が通用するかどうか考えて行動してないのがミスの原因です。
    上の事実をきちんと真摯に伝えられないから、余計な反発を産んでます。

    2021年10月22日 19:26
  • 市井の人



    >Suica割さん
    >
    >https://www.greenpeace.org/japan/explore/plastic/
    >こういったことをきちんと説明した上での有料化なら、レジ袋担当大臣と言われても、今ほどの揶揄はされなかったでしょうね。
    >本人の見極めの甘さが生んだ問題です。親父のやり方が通用するかどうか考えて行動してないのがミスの原因です。
    >上の事実をきちんと真摯に伝えられないから、余計な反発を産んでます。
    >
    >

    環境省の立場としては、環境保護団体の言い分をそのまま踏襲すると、次に反原発シナリオに乗らざるをえなくなると予想します。
    環境保護団体のメッカであるイギリスは、政府と環境保護団体は一線を画しています。
    グリーンピースの主張は妥当性があると思いますが、彼らを勢いづかせることは政府としてはできないと考えます。
    環境省本省は、この点の整理についてどうすべきか決着がつかず、レジ袋大臣に独走させることを選んだのかもしれません。
    そうでなければ、環境省本省として消化不良部分がある中で?、レジ袋大臣は自分の手柄にしようとして急ぎ過ぎたのではないかと予想します。
    弊害が表面化すると、今度は自分が関与した結果ではないと言い逃れようとしても、オレは偉いんだみたいなノリだったので誰も認めない状況に変わりました。

    <本人の見極めの甘さが生んだ問題です。
    環境省本省に嵌められた?可能性が強いのではないでしょうか。
    2021年10月22日 21:21

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