「分厚い中間層を生み出す」ことは実現可能?

本稿は、以下の記事の続編

―― 参考情報 ――――――――――

強い経済 なぜ分厚い中間層は必要なのか?
https://sokokuhanihon.seesaa.net/article/483850914.html

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鈴木財務大臣は、とりあえず賃上げ優遇税制を先行させるとしている。公約にも分厚い中間層云々のキーワードは入っている。

―― 参考情報 ――――――――――

賃上げ優遇税制を先行 鈴木財務相
https://www.sankei.com/article/20211012-73LZ6G4TRJPQ3J6RORXIHNRTXI/

自民が公約発表 重点項目8分野
https://www.sankei.com/article/20211012-KG2RXZQPM5JQFAJOL4M4DN4WFU/

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岸田首相の「介護士、看護師、幼稚園教諭の賃上げ実現」は選挙後に本格検討、新たな中間層の創出を目指し、財源確保を検討すると読めそうだ。

さて、「分厚い中間層の構築」に関しては、以前から検討資料が存在。以下は、サンプル的に選んだ情報。

―― 参考情報 ――――――――――

日本経済の新しい成長と分厚い中間層の復活に向けて
https://www5.cao.go.jp/keizai2/keizai-syakai/k-s-kouzou/houkoku/pdf/wg3-houkoku01.pdf

貧困・格差の現状と分厚い 中間層の復活に向けた課題
https://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/roudou/12/dl/02.pdf

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ただし、残念なことに、中間層復活施策的には、生産性向上、イノベーション云々等、、、ありきたりの?抽象概念しか書かれていない。
具体措置の部分がわざとに書かれていない可能性がある。検討結果から消費税減税に波及させないための、、、


さらに、曖昧な検討結果となる原因が別に一つ存在する。

中間層に関する、具体的な定義なしに、特定せず検討作業を進めていることである。

―― 参考情報 ――――――――――

何度聞いても理解不能。岸田首相が指す「中間層」とは誰のことか?
https://www.mag2.com/p/news/513757

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以降の検討作業において、意味不明な内容としないために、ここで、中間層の定義をしておきたい。2ケース想定した。ただ、現時点でどちらが正しいと言うつもりはない。

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■中間層の定義 ケース1

https://www.mag2.com/p/news/513757

『新・日本の階級社会 https://www.amazon.co.jp/dp/4062884615』の著者・橋本健二氏が分析した、「新中間階級」のプロフィールは…

就業人口の20.6%を占める
平均年収は499万円
世帯平均年収は798万円
配偶者あり79.4%(男性)、68.2%(女性)
高等教育を受けた人の比率が61.4%と際立って高い
週平均労働時間は43.4時間で資本家階級(45.1時間)より短い
貧困率は2.6%で資本家階級(4.2%)より低い
パソコンなどの情報機器の所有率も資本家階級を上回る
自分を「人並み以上」と考える人は42.8%
など、かなり、本当にかなり「恵まれた人たち」です。


■中間層の定義 ケース2(直感的私見)

国家公務員、都道府県職員(いずれも中級試験以上の合格者)
政令指定都市の自治体職員(大卒)
東証1部上場企業の大卒正社員
小中校の教員
駅前商店街の商店主(昭和の時代)
個人経営の薬局(昭和の時代)
金物屋(昭和の時代)
20軒以上の賃貸アパート経営者(アパート複数棟所有)
副業で数百万程度稼ぐサラリーマン
年収1000万以上の兼業農家(世帯主ベース)
売上げ2000万前後のネット販売事業者、小規模事業者
売上げ2000万前後の飲食店業経営者
中小企業経営者
夫婦共働き世帯
年収500万以上の独身貴族

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上記の二種類の定義から、いわゆる中間層が一体何によって経済的打撃を受けているのか?考察したい。


消費税率引き上げ、再エネ賦課金、社会保険料上昇等に伴う、可処分所得の減少ではないか。

―― 参考情報 ――――――――――

可処分所得 ~驚くほど減少した可処分所得、裕福だった30年前~
https://www.transtructure.com/hrdata/20210727/

社会保険料率の推移.jpg

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上記レポートは、「我が国の労働者の月収は直近30年間で減少しています。それにもかかわらずこの間、社会保険料や税負担は増加し続けています。そのため、月収からそれらを差し引いて残る手取りの給料(=可処分所得)は大きく減少しているのです。」としている。

また、可処分所得は2018年時点でピーク時の2009年の89%という衝撃的なレポートも存在する。

||||| ここから引用開始 ||||||||||||||||||||

https://www.meti.go.jp/statistics/toppage/report/bunseki/pdf/h18/h4a0703j3.pdf#:~:text=%E5%8F%AF%E5%87%A6%E5%88%86%E6%89%80%E5%BE%97%E3%81%AF%E3%80%81%E5%A2%97%E5%8A%A0%E5%82%BE%E5%90%91%E3%81%8C%E7%B6%9A%E3%81%84%E3%81%A6%E3%81%84%E3%81%9F%E3%81%8C%E3%80%81%EF%BC%99%E5%B9%B4%E3%82%92%E3%83%94%E3%83%BC%E3%82%AF%E3%81%AB%E6%B8%9B%E5%B0%91%E5%82%BE%E5%90%91%E3%81%AB%E8%BB%A2%E3%81%98%E3%80%81%EF%BC%91%EF%BC%98%E5%B9%B4%E3%81%AF%EF%BC%99%E5%B9%B4%E3%83%94%E3%83%BC%E3%82%AF%E6%99%82%E3%81%AE,89%EF%BC%85%E3%81%AE%E6%B0%B4%E6%BA%96%E3%81%AB%E3%81%AA%E3%81%A3%E3%81%A6%E3%81%84%E3%82%8B%E3%80%82%E3%81%93%E3%82%8C%E3%82%92%E5%B9%B4%E9%96%93%E5%8F%8E%E5%85%A5%E9%9A%8E%E7%B4%9A

可処分所得は、増加傾向が続いていたが、9年をピークに減少傾向に転じ、18年は9年ピーク時の 89%の水準になっている。

||||| ここまで引用 ||||||||||||||||||||||||

加えて社会保障費の伸びは、租税の伸びを圧倒している。中でも国民健康保険料の伸びが尋常ではない。「1961年に100円だった国民年金保険料が50年間で16,540円まで上昇しています。」とされる。

―― 参考情報 ――――――――――

日本の国民負担率の詳細推移をさぐる(2021年時点最新版)
https://news.yahoo.co.jp/byline/fuwaraizo/20210226-00223866

日本の租税、社会保障費.jpg

社会保険料の推移。給料の手取りが増えない理由…。
https://one-quest.jp/column/20210222/

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時期的に、団塊世代の大量退職、外国人の健康保険適用拡大、原発全台停止に伴う電気料金の大幅上昇、再エネ賦課金制度発足時期と重なったような気がする。

再エネ賦課金単価は完全な右肩上がりである。

||||| ここから引用開始 ||||||||||||||||||||

https://selectra.jp/environment/guides/renewable-energy/saienefukakin-price

再エネ賦課金の推移

年度 1kWhあたりの単価(前年度比) 標準家庭のひと月当たりの負担額*
2021年度 3.36円(約13%増) 1,008円
2020年度 2.98円(約1%増) 894円
2019年度 2.95円(約2%増) 885円
2018年度 2.90円(約10%増) 870円
2017年度 2.64円(約17%増) 792円
2016年度 2.25円(約42%増) 675円
2015年度 1.58円(約110%増) 474円
2014年度 0.75円(約115%増) 225円
2013年度 0.35円(約60%増) 105円
2012年度 0.22円 66円

||||| ここまで引用 ||||||||||||||||||||||||



そこで、中間層の可処分所得を増やすには、5つのアプローチが考えられる。

・税負担の不公平等を是正すること
・原発再稼働推進による電気料金引き下げ
・再エネ賦課金負担の軽減
・社会保険料負担の軽減(特に健康保険料)
・負担感の大きい通信料金引き下げ、NHK受信料引下げ

要するに、税負担の不公平を是正、公共料金引き下げ、社会保険料負担軽減等、中間層の可処分所得上昇によって、強靭な経済が実現しやすくなると考えるのである。


そう考えると、拙ブログの提言は、中間層を含む広範囲な消費税減税の見返りに、実施すべき増税リストと解することができる。


―― 参考情報 ――――――――――

庶民が拍手喝采しそうな課税措置
https://sokokuhanihon.seesaa.net/article/483830908.html

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原発再稼働実現すれば、深夜電力契約分は間違いなく、電気料金引き下げとなると予想する。

―― 参考情報 ――――――――――

衆議院選挙対策 原発再稼働を急ぐべき
https://sokokuhanihon.seesaa.net/article/483752749.html

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再エネ賦課金負担額の減少については、後日検討結果を発表予定。

最後に、社会保険料負担について述べたい。特に、現役世代の中間層においても負担感が顕著な社会保険料については、年金負担は団塊世代の存在、若年人口減どうしもないにせよ、外国人労働者、外国人学生等に食い物にされている感がある健康保険制度について、外国人分だけ別立ての制度とすることや、健康保険制度適用対象とする高額医療メニュー削減、大学付属病院等での先端医療の健康保険適用外とすることなどで、健康保険料の圧縮に繋がるのではないか。

医療法人が支給された補助金で株式投資するなど、医療法人が儲けすぎている可能性もある。儲けすぎの医療法人が続出しているなら、個人の株式譲渡益と同様、譲渡益に対し一律20%課税でもいいのではないか。

要するに、
目先、賃上げ優遇税制を先行、定着させつつ、
中長期的に、税負担や社会保険負担に係わる不公平感是正、電気料金、再エネ賦課金、NHK受信料等の引下げが実現できれば、中間層の可処分所得増、長期的にみて分厚い中間層を増やしやすくなると考えるのである。



以上

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