経済安全保障と再エネ どうバランスをとるべきか

本稿は、太陽光事業実態について経済安全保障の視点から問題提起するもの。


経済安全保障と再エネを絡め、
災害防止、人権問題、エネルギーセキュリテイ、国産品活用拡大、外資系発電事業者参入問題、再エネ事業者が消費者と比較し税制的に著しく優遇されていること、消費者が負担する再エネ賦課金を雪だるま式に増やさないための再エネ事業者再投資の歯止め
などの視点から論点設定させていただいた。


論点は全部で8つ。
以下各論。


■論点1 災害防止 保安林規制が実態として大幅に緩和され、その結果、傾斜地に太陽光発電設備が大量に設置されているのではないか

環境省は傾斜地での太陽光発電設備の設置を規制するとしているが、更地にした状態で土砂崩れ等発生しやすい傾斜地はそもそも保安林規制されるべきだったのではないか。

保安林制度の指定目的を参考とし、災害防止の視点から保安林制度を一旦強化すべきと考える。

―― 参考情報 ――――――――――

保安林制度の概要
https://www.rinya.maff.go.jp/j/tisan/tisan/con_2.html

保安林の種類別の指定目的
https://www.rinya.maff.go.jp/j/tisan/tisan/con_2_2_3.html

―――――――――――――――――


■論点2 人権問題 ウイグル奴隷労働品の太陽光パネル製品を輸入し続けていいのか

政府は、ウイグル奴隷労働によって製造されている太陽光発電パネルについて輸入禁止措置を講じていない。奴隷労働状態で生産される製品に対し、日本製品が価格競争力あるとは思えない。国産品の太陽光パネルの販路拡大するには、ウイグル奴隷労働品について懲罰的な関税を賦課するか、輸入禁止扱いとすべきである。
さらに、製造年度からウイグル奴隷労働品と認定された太陽光発電パネルを使用する事業者について、以降の中国製の太陽光発電パネル輸入を禁止する方法も考えられる。


■論点3 人権問題 ウイグル奴隷労働品を再エネ普及の主力とする前提でのエネルギー需給計画でいいのか

経済安全保障上、いいはずがない。資源エネルギー庁、環境省は奴隷労働によって製造された太陽光発電パネルに我が国のエネルギー市場が依存することについて、エネルギーセキュリテイ上の問題意識を持つべきだ。


■論点4 エネルギーセキュリテイ 国産太陽光パネル参入拡大

安価という理由だけで外国製の太陽光発電パネルを利用する発電事業者に対し、エネルギーセキュリテイ上の何らかのペナルテイを課すべきである。消費者が再エネ賦課金を課されているのと同様、太陽光発電事業者に対しても何らかの賦課措置が必要と考える。


■論点5 エネルギーセキュリテイ 外資系の発電事業者参入問題

奴隷労働品の販路拡大を防止、エネルギーセキュリテイ確保の視点から、外資系の発電事業者に対し、エネルギー市場での参入障壁を設定する必要がある。


■論点6 エネルギーセキュリテイ 再エネ賦課金賦課対象の発電事業者

エネルギーセキュリテイの視点から、再エネ賦課金対象とする事業者を、外資系発電事業者、国内資本の発電事業者区別して対応すべきである。
外資系発電事業者については安全保障上の理由から一定規模以下に限定するか、参入させないなどの措置を講じるべきである。


■論点7 再エネ事業者が再エネ賦課金を支払う消費者と比較し税制的に著しく優遇されていること

再エネインフラファンド等、株式市場で資金調達した資金で、再エネ発電事業を行う事業者が存在。株式市場で調達した資金(公募増資による株式譲渡益に一律課税となっていない)により再エネ発電事業が大幅に拡大される一方、消費者には一律再エネ賦課金が課されている。インフラファンド系再エネ事業者がただ同然で公募増資という手法で資金調達可能なこと、消費者がこれらインフラファンド系の太陽光発電事業者の発電分について再エネ賦課金を支払う義務が生じ、かつ消費者(一般個人)の株式譲渡益が一律課税(税率20%)されている状況と比較すると、著しく優遇された立場である。
再エネ賦課金制度を継続するのであれば、再エネインフラファンドと消費者の間の経済的不平等を解消するために、太陽光発電設備の設備投資を目的とするインフラファンドが得た公募増資等による株式譲渡益について一律課税制度(税率20%)を導入すべきである


■論点8 消費者が負担する再エネ賦課金を雪だるま式に増やさないための再エネ事業者再投資の歯止め

太陽光発電事業者は40円買取制度によりボロ儲け、再エネ市場にて再投資することが確実視されている。ボロ儲けした資金で再エネ事業者が投資拡大を続け、消費者が負担する再エネ賦課金負担が雪だるま式で増えることは、消費者行政上望ましいことなのか?
40円買取制度でボロ儲けした再エネ発電事業者の再投資分について、儲けすぎ分を回収するなどの施策を追加すべきと考える。例えば、再エネ賦課金を一部債権化するなど、再エネ賦課金の一部について消費者負担とすることをやめ、これら再投資事業者に対し債券購入義務を課する制度を検討すべきではないのか。



上記検討結果をベースに、再エネ賦課金制度見直しについて、近く提言する予定である。


以上

この記事へのコメント

  • Suica割

    再生エネルギーは、統計情報によると、最安という結果もあります。
    最安なものに補助金いるのか?という観点でいくと、新規造成分については、自前でやってくださいが一番スマートでしょうね。
    海外の制度も参考に修正すべきでしょう。
    化石燃料ではないので、中東問題の影響の減少にも役立つので、考え方次第な面もあります。
    2021年10月21日 12:10
  • 市井の人



    >Suica割さん
    >
    >再生エネルギーは、統計情報によると、最安という結果もあります。
    >最安なものに補助金いるのか?という観点でいくと、新規造成分については、自前でやってくださいが一番スマートでしょうね。
    >海外の制度も参考に修正すべきでしょう。
    >化石燃料ではないので、中東問題の影響の減少にも役立つので、考え方次第な面もあります。

    最安でなぜ賦課金対象なのか、理解し難いところです。
    2021年10月22日 15:14
  • Suica割

    昔と今を同じに考えてはいけないみたいです。
    太陽光発電設備は、以前は高かったけど、今は安くなったので、それに合わせた制度設計や補助金支給額の見直しをしなくてはならなかったのが正解というところです。
    2021年10月22日 19:05
  • 市井の人



    >Suica割さん
    >
    >昔と今を同じに考えてはいけないみたいです。
    >太陽光発電設備は、以前は高かったけど、今は安くなったので、それに合わせた制度設計や補助金支給額の見直しをしなくてはならなかったのが正解というところです。

    コスト的に安くなったのであれば、新エネ補助金、再エネ賦課金どちらも減少させるべきとなると思います。
    2021年10月22日 21:07

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