まず、つくる会関係者による、騒動になっている武蔵野市住民投票条例に係わる検討文書を紹介させていただく。
―― 参考情報 ――――――――――
武蔵野市住民投票条例問題検討のための条文資料
https://tamatsunemi.at.webry.info/202111/article_6.html
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非常に緻密な文章である。
この緻密さと、教科書一発不合格後の、公開質問状、訴訟活動が今一つ結びつかない。
これだけ緻密な検討文書が書ける人材がいるということは、教科書行政全般について提言、陳情、パブリックコメント実施可能なことを意味する。
一方で、有能な人が関与しているなら、制度的不備状況の中で検定制度が続けられてきたことに対し、政治的に不満を言わず、組織的に意見表明しなかったことがどうも気になる。変だとしか言いようがない。ただ、有能な人が支部役員に就任するなど、各地に分散しているのは確かなようだ。
ひょっとすると、執行部とそれ以外の人たちの間で、(政治活動上の)路線が異なるのかもしれない。発足当時の経緯、その後の内紛沙汰の影響をいまだに引き摺っているかもしれない。
―― 参考情報 ――――――――――
つくる会発足時点で起きたこと 「渡部昇一の少年日本史」刊行の意味
http://gendaishi.jugem.jp/?eid=396
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さて、Suica割さんは、(制度設計上の不備への対応が十分ではないとする)拙ブログの見解とは少し違った視点でつくる会を評価している。
―― 参考情報 ――――――――――
そもそも「制度設計上の不備」があったのではないか
https://sokokuhanihon.seesaa.net/article/484533057.html
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||||| ここから引用開始 ||||||||||||||||||||
https://sokokuhanihon.seesaa.net/article/484533057.html#comment
Suica割
私が歴史教科書の審議官だとして、小学生用教科書の場合、ロンドン海軍軍縮条約での補助艦艇比率を検定を受ける教科書が、日:米:英で6.975:10:10としていた場合、本当は、そこまで小学生に覚えることを要求するのは酷だから、日本の割合は7にしてくれと修正意見を言いたいとする。
ここからは、実際の運用基準を知らないので、想像で語る。
○か☓かで言わなくてはならないという制度なら、☓にするしかない。客観性、正確性に問題ないが、使用者の発達段階には合わない記述は、トータルでの検定の合否の決定には、関係させないが、修正をさせる要件程度ならいいが、トータルでの合否に関わる規定であれば、問題はある。
審議官はきちんとやっても、制度の問題で偏向思考の持ち主にされるケースなのに、権力乱用扱いされるのはさすがに同情する。
裁判しても、勝てる見込みは低いと思います。
作る会も審査官も内容は正しい。
だが、審査官の意見の方がトータルでは説得力が高い。
その上、制度的に問題となる行為は認定できないので、無罪。
そういう展開を予想しますね。
2021年11月27日 14:33
Suica割
いくら、記述の正確性や客観性で作る側が勝っても、児童生徒への適応性の観点でそれなりの正確性と客観性を担保して、まあありだろうという記述が正しいという基準からみたら、作る会の記述は、正しいけど、児童生徒にはちょっと詳しすぎて負担が重いから、ダメだろうと審議官が判断したら勝てないだろうというのが私の考えです。
それが、作る会も審査官も正しいけれど、作る会は勝てないという意味です。
2021年11月27日 22:07
Suica割
そもそも作る会は致命的なミス。ニュアンスや表現を失敗しているのでは?という点があると思います。
私の曖昧な記憶では、ブログ主様の記事で挙げられていましたが、作る会は、日本国憲法の3大原則である、平和主義、基本的人権の尊重、主権在民の代わりに、○○大原則を挙げて列挙していました。
審議官の立場としたら、一つひとつは間違ってなくとも、他の教科書との相違が大きい時点でちょっと待ってくれという意見になります。
3大原則のあとに、他にもという形で記述されるなら認めてもという気持ちになります。
他にも、事後法の禁止や罪刑法定主義等の重要な原則が憲法には書いてます。
それならば、審議官もまあ、いいでしょう。となります。
私がロンドン海軍軍縮条約の補助艦艇について何か言った審議官の立場としても、些末な数値の違いでなく、日本国憲法の大まかな仕組みの多少詳しい解説で全体的な枠組みの説明であるから、小学生に伝えても差し支えないとするでしょう。
大学受験や高校受験、更には中学受験、公務員採用試験等の内容まで関わり、人生を左右することを考えると、他とは、基本的な部分で乖離が大きすぎるものを出すわけにはいかない。
そこまで気を回せなかった作る会のミスは大きいと思います。
2021年11月28日 17:54
Suica割
私は作る会に対して、いろいろと書きましたが、作る会自体の狙いは高く評価してます。
在特会の栄光ゼミナールに対する自虐史観歴史教育反対デモなんかより、高く評価してます。
正確にいうと、視点の高さで勝負になっていないとまで思ってます。
偏向歴史教育を何故、進学塾がやるのか?
それは、進学塾の目的が進学校への受講生の合格を目指しているから。進学校が偏向歴史教育を行い、それに準拠した入試問題を出すから、それに正解するためには、偏向歴史教育を行うことが一番の近道であるから。
何故、進学校が偏向歴史教育をするのか?
それは、教科書が偏向しているから。
それを改めれば、上から全てが変わっていく。
一事業者を糾弾していた在特会の何倍も本質的かつ、有意義な活動と思ってます。
故に歯がゆく感じます。
2021年11月29日 20:19
||||| ここまで引用 ||||||||||||||||||||||||
教科書裁判については、Suica割さんは敗訴濃厚と予想。
私は、このままだと仮に勝訴できても得るものがないと予想。
そう判断する理由は四つある。
・検定手続きに制度的不備が散見される(NHK訴訟と同様、原告不利の判決となる原因?)
・鳴り物入りで発足した組織にしては、教科書政策上の個別かつ具体的提言をしてこなかった?
・学習指導要領等のパブリックコメントに本格参戦していなかった(特に、歴史以外の各教科についての対応を指す)
・意外に?教科書に係わる法規制に詳しくない(検定が違法だとする法的根拠ははっきりしない)
その他に、数字についてこだわり過ぎる傾向があることに着目したい。通常社会で気に留めることがなさそうな海軍軍縮条約上のアバウトな数字の意味について、つくる会の動画ではアバウトではいけないみたいな見解表明があったことを指す。私はこの種の情報については受験対策上マクロ的に見るようにしていたので、その点については他の教科書と同じ書きぶりに合わせて欲しかったという意見。
(個別に愛国保守的視点での判断が伴うのかもしれないが)他社執筆者ならこだわらない箇所に、異常にこだわる傾向がありそうだ。それが、ひょっとすると一発不合格の遠因となっている可能性がある。
要するに、良い教科書をつくりたいという崇高な目標を掲げたこと自体は素晴らしいことなのだが、教科書執筆作業については(他社教科書との比較をしないなど?)入れ込み過ぎ、過去の教育行政を問題視してきたにしては文科省教科書行政(法規制)については無関心ないし淡泊過ぎたのではないか。
組織人事的に、政治的に有能な人が支部等の幹部、歴史研究分野で有能な人が中枢役員である可能性が考えられるのである。
以上
この記事へのコメント
Suica割
裁判官の意見はこうなりそうに思います。
作る会の方が正しい。
しかし、わずか0.25%の違いはそんなに重要とは言えないではないか?
近似値として7割としても、問題ないのではないか?
学生の教育上、わかりやすさを重視した審議官の考えが悪いとは言えない。
一発不合格は検定の枠組の制度に基づくものであり、審議官の裁量権の乱用とは関係ない。
トータルで不適切な問題と個別で不適切な問題を同一視できない。
個別で訂正があれば、指摘することは審議官の職務であって、否定されるものではない。
検定指摘の数が不合格要件であったとしても乱用とはしない。
よって、審議官の判断は常識範囲内。
これで終わりそうです。
早く言えば、わかるけど、そこまで問題視すべきか?
になります。
市井の人
>Suica割さん
>
>ロンドン海軍軍縮条約を例にとるとどうなるか。
>裁判官の意見はこうなりそうに思います。
>
>作る会の方が正しい。
>しかし、わずか0.25%の違いはそんなに重要とは言えないではないか?
>近似値として7割としても、問題ないのではないか?
>学生の教育上、わかりやすさを重視した審議官の考えが悪いとは言えない。
>一発不合格は検定の枠組の制度に基づくものであり、審議官の裁量権の乱用とは関係ない。
>トータルで不適切な問題と個別で不適切な問題を同一視できない。
>個別で訂正があれば、指摘することは審議官の職務であって、否定されるものではない。
>検定指摘の数が不合格要件であったとしても乱用とはしない。
>よって、審議官の判断は常識範囲内。
>これで終わりそうです。
>早く言えば、わかるけど、そこまで問題視すべきか?
>になります。
支部幹部たちと中枢役員では、思考回路は若干違うように思います。
敗訴した場合、おそらく中枢役員たちは不当判決と言うでしょう。公開質問状、訴訟に持ち込み、さらに政府職員(検定調査官)を犯罪者扱いした行為は、その後の言論活動において重大な影響をもたらすように思います。
官界で相手にされないような行為を繰り返して大丈夫とはとても思えません。
西
大人でも難しい法律論を書いたところで、小学生が理解できるとは思えないので、そのあたりを配慮していないような教科書を不合格にするのは当然かと思いますね。
高校生でも受験対策の事を考えれば、学習指導要領を無視したような無意味な記述が受験勉強で役に立つとは思えず、大抵は無視して終わるだけでしょう。
そう考えた場合、つくる会の「不当」という主張は、「指導要領」を読んだ上で、小学生や高校生が「学習する上での配慮(法律の専門家でもなければ理解できないような内容までは高校生に教えられないという事)」も行った結果の「主張」なのかどうか、という事に尽きますね。
西
そういう意味では、受験対策を第一に掲げる進学塾や進学校を批判したところで意味が無いでしょう。
一教育機関に過ぎない、これらの学校や塾が反日かどうかなど、どうでもいい事であるにも関わらず、無意味な攻撃を仕掛けたところで、こちらが不利になるだけです。
それよりもまずは、教育論の観点から「児童生徒」が理解できるような内容なのか、「学習指導要領」に沿った内容なのかどうかを考慮する必要があると思いますね。
市井の人
>西さん
>
>国際情勢を踏まえた内容にしたいことは理解できるのですが、小学生やそこらの年齢で、難解な政治論というか、国際情勢が理解できるとは思えません。
>
>大人でも難しい法律論を書いたところで、小学生が理解できるとは思えないので、そのあたりを配慮していないような教科書を不合格にするのは当然かと思いますね。
>
>高校生でも受験対策の事を考えれば、学習指導要領を無視したような無意味な記述が受験勉強で役に立つとは思えず、大抵は無視して終わるだけでしょう。
>
>そう考えた場合、つくる会の「不当」という主張は、「指導要領」を読んだ上で、小学生や高校生が「学習する上での配慮(法律の専門家でもなければ理解できないような内容までは高校生に教えられないという事)」も行った結果の「主張」なのかどうか、という事に尽きますね。
>
>
ひょっとするとですが、検定調査官から、学習指導要領をよく読まず、他社検定済の教科書の書きぶりを比較もせずに、愛国保守無罪優先感覚、、、と言われたら反論の余地はなくなります。
市井の人
>西さん
>
>進学校や進学塾が「受験対策」を考える上では、志望校の入試で出る問題を解くためのカリキュラムを組んでいるのは当然と思いますし、それに沿っていないような教科書を採用するわけがありません。
>
>そういう意味では、受験対策を第一に掲げる進学塾や進学校を批判したところで意味が無いでしょう。
>
>一教育機関に過ぎない、これらの学校や塾が反日かどうかなど、どうでもいい事であるにも関わらず、無意味な攻撃を仕掛けたところで、こちらが不利になるだけです。
>
>それよりもまずは、教育論の観点から「児童生徒」が理解できるような内容なのか、「学習指導要領」に沿った内容なのかどうかを考慮する必要があると思いますね。
>
>
価値観として、愛国保守>学習指導要領>受験対策上の便宜なのかもしれません。
学習指導要領、各教科読んだことがありますが、論理構成が教科ごとにバラバラです。その中で国語が一番まともでした。
法令等読み込んだ訳ではありませんが、検定調査官の立場でみると、一発不合格は学習指導要領違反案件?なのかもしれません。