広い視野と高潔な人格があって実現すること

本稿は、前稿の続編。教科書調査官の視点で述べさせていただく。

―― 参考情報 ――――――――――

大いなる自己矛盾の可能性
https://sokokuhanihon.seesaa.net/article/484682810.html#comment

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近隣諸国から歴史認識問題で外交圧力をかけられてきたことを振り返ると、確かに、歴史的に正しい教科書は必要である。
しかし、そういう性格の教科書をまとめ上げ、世の中に認知させるには、執筆者側において、学生時代を含む長期間の蓄積が必要な気がする。



蓄積すべきことが何であるのか。定義することは難しいが、渡部昇一は実践した一人であると思う。

育鵬社の教科書編纂に係わった渡部昇一は、学生時代から多方面に勉強熱心。見習うべき学習態度だった。大学時代の渡部昇一は、普通の学生の2~3倍の勉強量だった。個人の蔵書量としてもダントツ日本一。これは、渡部昇一の本をきちんと読んだ人なら知っていることである。


こう書いたからと言って、育鵬社の歴史教科書が絶対に正しいと述べているつもりはない。

ただし、以下の記事は一読する価値があるように思う。

―― 参考情報 ――――――――――

★渡部昇一さんは「つくる会」ではなくフジサンケイ教科書を支持しています
https://blog.goo.ne.jp/project-justice/e/66e6aeada7cb91c8895ffa9286d7a98a

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義務教育の「歴史」は虹を見せること

名言と思う。


保守を標榜する、検定不合格となったあの歴史教科書は、虹を見せようとしていたのか。

彼らが強調する、海軍軍縮条約の小数点以下の数字の取扱いが、歴史の虹とどんな関係あるのだろうか。
ただただ、彼らは保守である、愛国だという言葉を四六時中連発しているように見える。そのことにより保守層の支持を得つつ、寄付を募り、教科書調査官を、、、のではないか。

文科省大臣に対する公開質問状はやり過ぎと私はみている。ずっと以前から制度的不備に気がついているのなら何度か実施されたパブリックコメントのタイミングで組織的に行動すれば済んだこと。官庁に対し喧嘩腰一辺倒で、事が成就するとは思えない。


少し話は逸れるが、こんな経験をしたことがある。
世の中には自らを真正保守であるとし、新米の保守層を小馬鹿にする風潮が一時期続いた。私も嘲笑(被害)に遭った。私(拙ブログ)を嘲笑した、とある真正保守を自称する政治家は、事も有ろうにあの橋下某が主宰する政治塾とやらに(国政選挙の公認獲得目的で?)馳せ散じた。その人物の文章は批判文だらけ。陳情文書の素材となりそうな提言は皆無状態。要するに、官界を動かすレベルの実力がなかったようだ。
それ以来、何かにつけて愛国保守だの真正保守だのと自己紹介したがる言論人の実力は、この程度と思うようになった。こういう自己矛盾だらけの人たちの言動、行状を知っているので、私は、「愛国保守なら、、、すべきだ」とか、「真正保守なら、、、すべきだ」とは書かないようにしている。


話を元に戻したい。


教科書を執筆するということは、学生時代、教官時代を含め、曇りがまったくない学習態度、研究態度の延長線上にあるのではないか。教科書調査官の人選基準には似たような趣旨の事が書いてある。
選考に際し、視野が広い、高潔という条件が示されているので、左翼から保守に突然転向した人、政治闘争に明け暮れた人は、教科書調査官にはなれないと読み取れる。


文科省教科書調査官採用基準を一読したい。

||||| ここから引用開始 ||||||||||||||||||||

https://www.mext.go.jp/content/20210910-mxt_kyokasyo01-000017887_1.pdf

令和3年9月8日 初等中等教育局長決定
教科書調査官の選考について
1.趣旨
文部科学省初等中等教育局の教科書調査官の採用については、以下の選考基準・選考手続きに基
づき行うものとする。
2.選考基準
教科書調査官となることのできる者は、次の各号に該当する者とする。
(1)担当教科について、大学における教育研究実績や教育委員会における指導実績等を通じ、
高度に専門的な学識・経験を有すると認められる者。
(2)視野が広く、人格が高潔である者。
(3)初等中等教育に関し理解と識見を有しており、学習指導要領や教科用図書検定基準等の関
係の法令に精通し、これらを適切に解釈・運用できると認められる者。
(4)教科用図書検定調査審議会における調査意見の説明、検定の申請者に対する検定意見の説
明等を適切に行うために必要な資質・能力を有すると認められる者。
(5)現に発行されている教科用図書及びその教師用指導書の著作、編修に従事していない者、
その他教科書の発行者と密接な関係のない者。

||||| ここまで引用 ||||||||||||||||||||||||


こう書いているので、建前としては、偏向調査官が採用されることはない。懲戒処分を受ける様なことも想定していない気がする。


上記条文を拡大解釈すると、教科書執筆者においても、、、と考えることができる。

上記基準にて選ばれた教科書調査官の立場からすると、内紛好きな?教科書執筆者に対し、容赦なく検定意見を出したい気持ちとなって不思議ではない。

他方、歴史のプロであることを自称、喧嘩腰で教科書会社に怒鳴り込む自称専門家の方がおられる。もっともな言い分もあるが文章表現的に過激でついていけない。東京新聞のあの女性記者みたいなタイプの方のようだ。ただ、平泉澄の本は評価しているようである。

―― 参考情報 ――――――――――

歴史教科書の採択の残すものと、歴史教科書会社に望む事
https://ameblo.jp/u1530t/entry-11565315473.html?frm=theme

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教科書調査官であろうとなかろうと、教科書執筆者であろうとなかろうと、自称専門家であろうとなかろうと、謙虚かつ地道にコツコツ取組みつつ視野を広げ人格を磨くことは必要なことと改めて思った次第。

以上

この記事へのコメント

  • Suica割

    実際に内容見てないから、想像で語る。
    細かい数字まで出したとしても、その意味があると認めさせる書き方がされなかった可能性があると思います。
    ロンドン海軍軍縮条約の補助艦艇の比率の場合には、その数字だけ出しても意味が薄い。
    比率を出したあとに、若干7割より、少ない値で条約の締結をしたことが誘因となり、海軍内部の対立と軍部の暴走の原因政争を生んだ。
    ならば、検定官も認める方向性も持ちつつ、悩み込んだだろうと思います。
    2021年12月08日 12:14
  • Suica割

    わかりやすく単純化すると、検定官の立場で考えるとこうなる。
    細かい数字まで書くことが歴史の尊重だという理論では、検定官は細かい数字まで書くことは認めない。
    細かい数字まで書くことが、後々起こった事に対する説明として、必要だと思わせる意見を論述し、教科書上で実演できたのなら、却下するか慎重に考える。
    と言うことです。
    2021年12月08日 12:27
  • 市井の人



    >Suica割さん
    >
    >実際に内容見てないから、想像で語る。
    >細かい数字まで出したとしても、その意味があると認めさせる書き方がされなかった可能性があると思います。
    >ロンドン海軍軍縮条約の補助艦艇の比率の場合には、その数字だけ出しても意味が薄い。
    >比率を出したあとに、若干7割より、少ない値で条約の締結をしたことが誘因となり、海軍内部の対立と軍部の暴走の原因政争を生んだ。
    >ならば、検定官も認める方向性も持ちつつ、悩み込んだだろうと思います。

    渡部昇一の本に海軍軍縮条約について解説があったと記憶しております。山本五十六は軍縮については強硬派だったようです。
    2021年12月09日 07:38
  • 市井の人



    >Suica割さん
    >
    >わかりやすく単純化すると、検定官の立場で考えるとこうなる。
    >細かい数字まで書くことが歴史の尊重だという理論では、検定官は細かい数字まで書くことは認めない。
    >細かい数字まで書くことが、後々起こった事に対する説明として、必要だと思わせる意見を論述し、教科書上で実演できたのなら、却下するか慎重に考える。
    >と言うことです。

    執筆者は、そこまで考えてはいなかったように思います。
    動画で語られていることは、先に副読本みたいなもので語るべきことだったのかもしれません。
    2021年12月09日 07:40

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