世代を超えて語り継がれるべき「論文」

本稿では政治活動に関係する重要文書としての「論文」について扱う。学術論文について述べるものではない。
ここ10年間ブログ活動した中で、後で何度も読み直したいと思うような、論文レベルのものに遭遇した。以下、個別論文の紹介となる。


・与謝野論文

外国人に地方参政権を付与することの違憲性を指摘した論文。簡潔明瞭で政府機関の稟議書に引用される精度に仕上がっている。

与謝野論文
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%8E%E8%AC%9D%E9%87%8E%E8%AB%96%E6%96%87


・外国人参政権に反対する会のパンフレット

民主党政権時代に外国人参政権に反対する会のパンプレットを受領した。当時は、この団体の公式サイトにてヤフーブログ?でパンフレットを補足する情報があったが、数年間所在不明状態となった。その後、公式サイトが復活。この団体のQ&Aは平易に書かれているが、論文レベルとして扱っていいように思う。

外国人参政権に反対する会・公式サイト
https://geolog.mydns.jp/www.geocities.jp/sanseiken_hantai/index-2.html

外国人参政権Q&A
https://geolog.mydns.jp/www.geocities.jp/sanseiken_hantai/hantai_sulu_liyuu.html#3


・原発再稼働申請に係わる不可解な原子力規制委員会の行政対応

原発再稼働推進派、特にに、原発再稼働を唱える言論人たちがきちんと読み、理解すべき文書。政治活動するということは、法律や行政文書を読み理解することが前提となることがわかるはずである。

原発はなぜ停まっているのか(2)─日本における法治主義の一断面─
https://core.ac.uk/download/pdf/229760765.pdf



・ゼレンスキー国会演説解題

中川八洋によるゼレンスキー演説の解説から、演説文を構想した作者の日本文化に関する知識の広さ・深さを理解しつつ、一人の日本人として無知な領域が多々あることを知ることとなった。一方で、粗野で素養なき言論人が言論界で増えていることは残念に思う。

ゼレンスキー閣下の国会演説「基礎知識」解題
https://nakagawayatsuhiro.com/?p=2231



・プーチンのウクライナ侵攻に係わる分析論文

官界のビジネススキルレベルの高さを示す証左となりうる文書。
外務省事務次官レベル、首相官邸においては、上記分析資料レベルの検討文書が日夜流通、その前提で首相や官房長官が判断、決裁しているとみた場合、陳情文書・パブリックコメント提出活動等される方は、精読する価値があるように思う。

プーチン・ロシアのウクライナ侵攻が意味するもの
https://www.cfiec.jp/2022/0058-kurai/



・歴史論文

南京虐殺に関しては、論文レベルの歴史文献が存在する。幸いにして、第二次安倍政権時代、慰安婦問題に関する日韓合意、安倍談話を経て、近隣諸国による歴史戦は収束しつつある。

・南京事件の総括 田中正明
・南京の実相―国際連盟は「南京2万人虐殺」すら認めなかった 日本の前途と歴史教育を考える議員の会 (監修)
・南京事件 国民党極秘文書から読み解く 東中野修道




・本稿のまとめ

きちんとした論文が書ける政治家、言論人に共通して言えそうなことがある。学生時代からたくさんの本を読み、多くの単位を履修した実績、経験があることが論文作成の下地になっているのではないか。上記文献作成者の中にその年代のエリートと噂される方が含まれているのは偶然ではない。

知の巨人と言われた渡部昇一が学生時代、多くの単位を履修、かなりの読書量をこなしたことは有名な話である。詳細渡部昇一の本に書いてある。

当時の学生たちの大半は、勉学、アルバイト、部・サークル活動、すべてを両立させるために、より少な目の単位履修し就職試験対策上「優」をたくさん取ることを目指していた。私は真逆の選択をした。「可」でも構わないので(留年しないために)たくさん履修することを選択。4年の後期、就職先内定後も講義履修したこともあり、普通の学生の1.5倍くらいの単位は取得したように思う。実験レポートは図書館で作成、早く作成できた日は開架図書館で教養目的で本を読んだ。

社会人になってからは、10年間は仕事と仕事上の知識を得るのに精いっぱいで、教養目的等、落ち着いて読書する余裕はなかった。それでも会社近くにある紀伊国屋書店には昼休み等、週3回くらい、店員さんに間違えられるくらい通った。
従って、中川八洋の国会演説解題を理解するための知識を得る時間は、学生時代か定年退職後くらいしか思いつかない。

そういう意味で、学生時代、留年や中途退学などせず、きちんと学ぶ習慣を身につけておくことは、(特に政治活動される方なら)必須と考えるのである。


以上

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