イギリスがイギリスであり続ける理由

第二次安倍政権以降、日英関係が強化され日英関係が準同盟状態に入った。

私は、何かとアメリカが外交的圧力をかけ続けてきたことを根拠に、日米同盟以上に日英同盟が重要と認識している。加えてアメリカの場合、社会全般のモラル崩壊が著しい。今は強大であってもモラルなき軍隊が最強とは限らない。ウクライナに侵攻したロシア軍がなぜあれほど戦死者続出なのか。アメリカ軍もいずれそうなりそうな気がする。

その前提に立つと、イギリスは日本にとって頼れる国、頼りがいある国であって欲しいところだが、イギリスは本当にいつまでも頼れる国であり続けるのか。

ここで言う「イギリスがイギリスであり続ける」とは、西側諸国の筆頭横綱的存在という意味である。

別に、自称イギリスの専門家の如く、何から何までイギリスが良くて日本がダメだと言うつもりはない。日本人の国民性もイギリスに負けず劣らず優秀であるように思う。

仕事上の経験などを踏まえ、以下に日英比較を試みる。

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■仕事への熱心さ、勤勉
歴史的に日本人の識字率は群を抜いている。大学進学率も高い。日本人はイギリス人以上に仕事熱心かつ勤勉な面がある。


■インテリ層の存在
大英博物館に文書館が併設されていた時代、30年以上文書館に通った無名のインテリ層がいたとの記述が「物語 大英博物館」にある。ただ、日本の国会図書館にも、参考資料室を中心に通い詰めのインテリ層が数十人はいる様な気がする。日本人も負けてはいないとみていい。


■学生時代の生存競争
「英国王室流教育の極意」(小野まり)によると、王位継承者の学業成績ですら公正な競争下にあり、情実で進学先を決めることはできない厳格なルールが維持されているそうだ。あのダイアナ妃ですら、高校時代の成績がパッとせず、スイスの花嫁修業学校に進学したそうだ。その点日本は、甘いのかもしれない。


■階級社会
イギリスは階級社会であるとされる。世襲貴族の名家が今も存在する。敗戦国となった日本は、華族制度が廃止となった。世襲貴族が存在することで王室を支え、国力の源泉となっている可能性は十分にある。


■相続
日本とは異なり、イギリスの相続制度は独特。長子が全財産を相続するため、名家の財産が散逸しにくい。日本は戦後、個人の尊厳と男女平等を基礎とする日本国憲法制定に伴い、相続に係わる制度が大幅に見直しとなった。日本は、イギリスのような家督相続制度がないため、名家(本家)の財産を維持することは困難となった。(代替措置として公益法人で運営することは可能)

解説 限嗣相続とは
http://www.downtonabbey-tv.jp/entailment/

長子相続
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%95%B7%E5%AD%90%E7%9B%B8%E7%B6%9A


■名家の当主としての義務
イギリスの貴族の男子は、第一次・第二次大戦とも、出征し戦死した方が多数居たとされる。(出典:図説 英国貴族の城館、田中亮三)
日本の華族はどうだったか。特攻志願された皇族は、、、のはずである。国を護るということはそういうことなのではないのか。万世一系であることは否定しないし、男系男子宮家復活はすべきだが、イギリス貴族が実践したノブレス・オブリージュの精神を日本の皇族、上流階級に属している方々は見習うべきである。



■歴史的建造物の保存

イギリスにはナショナル・トラストという公益法人的組織により歴史的建造物、公園施設の維持・運営がなされている。日本にはこのような仕組みはない。イギリスの場合、このナショナル・トラストの活動を通じて、自国の文化・歴史の重要さを尊重・継承する若年層がいることはイギリスの強みであるように思う。


■移民受入

イギリスは移民政策上の失敗から、移民が主流派となる?多民族国家となりつつある。日本は後追いで移民受入を拡大しようとしている。移民受入の国家経済的メリットはないことは周知されるべきことである。

イギリスの失敗から学ばない日本の移民政策の甘さ
https://agora-web.jp/archives/2054029.html

移民受入れ政策は「正統な自国民」抹殺政策である
https://sokokuhanihon.seesaa.net/article/464532579.html

移民受入れの歴史 推進者たちの素性を知らなくていいのか?
https://sokokuhanihon.seesaa.net/article/464598795.html

移民受入れ拡大問題  対立意見を両論表記することで見えてくるもの
https://sokokuhanihon.seesaa.net/article/464598789.html

外国人労働者受け入れ拡大問題  正解は一つではない
https://sokokuhanihon.seesaa.net/article/464852010.html

移民受入による経済的メリットはまったくない?
https://jisedainonihon.exblog.jp/30965649/

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以上総合すると、移民問題が悪い方に作用しない限り、100年後、200年後もイギリスはイギリスであり続けると予想するのである。

以上

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