正義の公務員たち

地域の困りごとで、止むに止まれぬ気持ちから、あちこちの官庁、自治体に問い合わせる機会が増えた。
多い時で、1日に3回ぐらいのペースで問い合わせる。都度、議事録を30分くらいで作成、関係者にメールで送付する。そういう状況なので、政治ブログの方はここ2カ月後回し状態となっている。この点については申し訳ないと思っている。


事前にネットで閲覧できる法律、行政文書等を読み、論点を絞り、問合せ目的を明らかにし、氏名、住所を名乗ったうえでの対応が続く。

最初は、問い合わせへの反応がまるでなかった。(面と向かって話したことがない)一般人が役所が悪いと言わんばかりの論調で話していることに対し、自治体職員が本音を言うケースはほとんどなかった。
そこで、自分の話しぶりが警戒されたと反省、住民として困っていることを伝える他は、淡々と余計なことを言わず問い合わせることに徹した。見解が得られないと判断したケースについては、ザックバランな意見交換を心がけた。


すると、不思議なことが起きた。
私が知りたいと思っている情報を、問合せ先の部署の人が別の(本命)部署に対し、私の代わりに問合せていただけるのである。内情までご教示いただいたことについては、涙が出るほどうれしかった。
以降、(私が頼りたいと思っている)その部署と対応する際は、「私が要請すれば、その部署が〇〇することまで確認がとれているので、とりあえず安心してください」との回答も得られた。


普通はそんなことはない。

情報提供したことについて、びっくりするほど真っ正直に感謝され驚いたこともあった。信号機トラブルに遭遇した際、場所と時間と起きた現象を正確に記憶し、当該警察署に連絡したこともあった。
情報提供に併せ、意見交換を求められたこともあった。


保守系言論人の中には、役人を徹底的に威圧するタイプの方がいる。反日官庁と保守系言論人にレッテル貼りされた省庁はそういう言論人から日常的にやり込められているように思う。ただ、そういう人に限って、肝心の行政文書の所在を知らない気がする。多種多様な職場、職種を経験したので、その辺の感覚は直感でわかる。

今回は、地域の困りごとをなんとか円満に解決すべく、「正義の有志」の気持ちが自治体職員に伝わり、自治体職員から「正義の人からの問合せ」と思われた結果かもしれない。

ただ、なんとか円満に解決することがとにかく難しい。

誤魔化そうとする企業、誤魔化そうとする自治体職員を説得することは一筋縄では行かない。

実は、この点については、韓非子の本を読んでいたことが役立った。
この場合の対応とは、「相手が主張する論理」をこちら側の意向を加味した「よりこちらに有利な普遍的な論理」にバージョンアップさせることで、自治体職員に対し誤魔化しがきかない局面にあることをと理解させることを試みている。

論理が新たな論理を編み出し、議論を経て新たな論理に進化する。議論の勝利者は、より普遍的な論理を編み出した側にある、、、韓非子に書かれている本質はこの点にあるように思う。

地域の困りごとなので、下手をすれば「対応先企業の職場の人」が懲戒処分を喰らう結果となるケースが想定される。
若い頃は、一発ブチカマシ、ブルドーザー並の勢いで最短で処理することを得意としたが、今は気持ちが変わり、地道に働く人たちの将来のことなども考え、焦らず力まず怒らず、良心的と思われる人に対しては逃げ道を用意しつつ、手順を踏んで対応することを心がけている。

歳をとるに従い、対応方針がガラリと変わりつつあることに、驚いているところである。

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