更田原子力規制委員長 問題発言の件

本稿は更田原子力規制委員長問題発言についての私見。
まず、人物紹介から。


更田豊志
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9B%B4%E7%94%B0%E8%B1%8A%E5%BF%97

次に問題発言を参照したい。


▽▽▽ 引用開始 ▽▽▽

https://www.tokyo-np.co.jp/article/191307

「規制が負けることはない」と原子力規制委の更田氏 原発最大限活用の政府方針にも安全性追求の姿勢崩さず
2022年7月22日 20時18分
原子力規制委員会の更田豊志委員長

 電力需給の逼迫ひっぱくを受けて政府が原発の「最大限活用」を打ち出したことに、原子力規制委員会の更田ふけた豊志委員長は22日の記者会見で「推進側のニーズがいくら強くても、規制が負けることはありえない」と述べ、電力各社に安全性を高める対策を徹底させる姿勢は崩さないと強調した。
 更田氏は「東京電力福島第一原発事故の反省で最も強いのは推進と規制の分離だ」とした上で、政府方針について「推進側の状況がどうなろうと、われわれが決めたレベルの安全性を求める姿勢は変わらない」とはっきり言い切った。
 政府や電力会社に対し「ニーズが高いからとか、利益になるとか。安全はそういうものじゃないでしょう。一度事故が起きたらどうなるのか、日本中が身をもって思い知ったはずだ」と苦言。「電力需給について推進側が役割を果たそうとするのは理解するが、それに規制や事業者の安全への営みが影響を受けることは、決してあってはならない」とくぎを刺した。
 福島事故後に対策が強化された新規制基準に適合し再稼働済みの原発10基のうち、今冬に9基が稼働する見通し。岸田文雄首相は14日の記者会見で、既定路線の9基稼働をあえて「指示した」と述べ、原発活用をアピールした。(小野沢健太)

△△△ 引用終了 △△△


記事自体が、発言を切り貼りした可能性はあるが、「規制が負けることはない」という発言を問題視したい。
規制とは通常、事前に(当該認可前に)法制化された文書等を指す。この場合、新規制基準を指す。更田委員長は、新規制基準方式での仕事のやり方(事後に設定された基準に適合すれば再稼働許可するやり方)とする認可ルールを絶対視している。

一方、憲法39条では事後法を禁止している。

日本国憲法第39条
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E5%9B%BD%E6%86%B2%E6%B3%95%E7%AC%AC39%E6%9D%A1

二つ目の問題発言は、なんと感情論である。原子力分野の専門家らしくない発言である。

「ニーズが高いからとか、利益になるとか。安全はそういうものじゃないでしょう。一度事故が起きたらどうなるのか、日本中が身をもって思い知ったはずだ」という発言から、感情論で事後法的な新規制基準を正当化しようとしていることがわかる。

この種の発想に対し、憲法学者は新規制基準について、かなり前に反論している。


安念委員長が見解「原発を再稼働させるのは完全に適法。国が再稼働してはいけないと言う方が違法だ」
https://ameblo.jp/qyinshyaudfsdfhsdifhiers/entry-11487636233.html


経済産業省の電気料金審査専門委員会の安念潤司委員長は「原子力規制委員会が審査して、再稼働を認めるなんてことは全く理解できない。そういう審査権は法令のどこにもない」、「各社は直ちに再稼働していいというのが私の考え。にもかかわらず、何となく原発を止めていなければいけないのは、法治主義の大原則に正面から反する」と指摘している。

更田委員長発言は、人治主義のやり方に近い。

法を根拠としない行政機関の権限は縮小されるべきであり、そのために、国会質問、質問主意書は活用されるべきである。

再稼働派の愛国議員は、この種の問題発言を座視すべきではない。
更田委員長は、任期終了前に人事的に更迭されるべき根拠を自ら進んで示したからである。


原子力規制委の更田委員長、今秋退任へ 後任に山中委員 政府案
https://www.asahi.com/articles/ASQ316HWDQ31ULBJ00R.html


以上

人気記事