国会議員が「公務でない仕事」を官僚に依頼する問題

本稿は、議員歳費をたっぷり貰っているはずである、与党国会議員に対する苦言。


安倍政権時代、働き方改革なるものが掲げられた。何がどう変わったのか、厚生労働省のHPを読んでも今一つピンとこない。悪い政策とも言えない。ただ、中央省庁にとっては恵みの雨だったようだ。厚生労働省職員の深夜勤務が常態化していることについては、「ブラック霞が関」(千正康裕)という本にて知った。


「働き方改革」の実現に向けて
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000148322.html


働き方改革の時期と前後するのかもしれないが、厚生労働省は一般からの問合せに対応することをしなくなった。非効率だと判断したためであろう。許認可事業者からの問合せには応じるが、一般からの問合せには応じない。仮に許認可に問題があった場合、仮に許認可申請する立場の事業者に瑕疵があった場合、住民からの問合せに応じないと宣言したに等しい。

厚生労働省コールセンター経由で、私は当該課に伝言をお願いしたが、後で当該課への連絡はなかったことを後日確認した。仕方ないので政務官事務所に問合せしたが、来客を理由に何度も電話を切られた。何度もである。仕方なく、大臣に直接陳情書を提出せざくなった。大臣宛てに陳情書提出のは、こういう扱われ方をされた結果である。厚生労働省において、働き方改革を推進するために一般人との対応窓口を制限すればするほど、厚生労働省は納税者からみて遠い存在となった。


本当にそれでいいのだろうか。


「ブラック霞が関」(千正康裕)によると、与党議員による公務と関係ない発注(業務実施依頼)が常態化しているそうである。

▽▽▽ 引用開始 ▽▽▽

公務と関係ない発注の禁止

国会議員と官僚の関係は重要な取引先と下請けのような関係だということを第5章で述べた。官僚たちが作っている法律案や予算案といった商品を世に出せるかどうかの決定権を持っているのは国会議員たちだからだ。当然、国会議員の方が強い立場になるが、それゆえにいろいろなお願いを聞かないといけない場面がある。

別に、無理な口利きを強要するとかそういうことではない。NHK NEWS WEBの「霞が関のリアル」という官僚の働き方を特集したシリーズでは、国会議員に頼まれて支持者のこどもの夏休みの宿題を官僚がやったという話が特集されていた。僕自身は、そこまでひどいことは経験したことはないが、国会議員が地元のイベントで挨拶するので挨拶文を作ってくれとか、講演するので資料を作って説明に来いとか、討論番組に出演するので想定問答を作ってくれ、とかそういった類の依頼は日常茶飯事だ。

そういった依頼は、国会連絡室という国会との窓口となっている部署を通じて正式なルートで苦し、僕も入省した時から仕事だと思って対応してきた。

中略

大臣や総理大臣などが省や政府を代表して出席するイベントでのスピーチ原稿を部下の官僚が核のは当然だが、国会議員のスピーチ原稿を核のは本来秘書の仕事だ。政策について説明を求められれば、担当の官僚が説明をするのは当然だが、議員としての活動のスピーチ原稿や講演資料などは議員のスタッフや政党の仕事だろう。衆参両院には調査室という議員が活用できるシンクタンクもある。
これも昭和から続く与党と政府の関係性の問題だろうが、そろそろ見直してはどうか。官僚の労働力は税金そのものといってもよいのだから。本来の公務に専念させるべきだし、与党だけが活用できるのも公平性に欠けるだろう。野党は、そもそも政府とスタンスや主張が異なるので、スピーチ原稿などを依頼してくることはまずない。

△△△ 引用終了 △△△


議員歳費等、庶民との比較で高額な歳費、諸手当、各種調査費用等を貰っておきながら、官僚に公務以外のことで業務依頼することは問題である。

厚生労働省が業務過多状態にあることには同情する。しかし、窓口をコールセンター化することは納得できない。

代替措置として、与党国会議員から官僚に対する、特に、「国会連絡室を経由した私的依頼」は禁止されるべきであろう。

以上

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