私もそうすべきとは思う。
さて、「英国名門校の流儀 一流の人材をどう育てるか」(松原直美)にて、英国のパブリック・スクール名門校の軍事教練実態が紹介されている。
参考になりそうな箇所から引用させていただく。
▽▽▽ 引用開始 ▽▽▽
第5章 国を守る意識を教える
軍は身近な存在
(内容省略)
戦争の英雄を追悼する
私がハーロウ校に在籍した時期はちょうど第一次世界大戦百周年にあたる期間だったので、大戦の記憶を改めて人々の心に刻むべく記念行事がイギリス中で行われた。日本は第一次世界大戦とあまりかかわりがないが、イギリスにとってこの大戦は最初の総力戦であり、長引く戦争で民間人を含む約90万人の死者を出した。ハーロウ校でも大戦百周年を記念する礼拝がチャペルで開かれ、学校新聞にてこの大戦で犠牲になった卒業生の特集記事が組まれた。戦争の英雄に関する特別講演や戦没者追悼コンサートも開かれた。
毎年、終戦記念日には国旗を掲揚し夕方に有志によるセレモニーが行われ、ものものしい雰囲気が漂う。
中略
同校(ハーロウ校)には第一次世界大戦後に建設された戦争記念館という堂々たる建物がある。入り口には第一次世界大戦に出兵して戦場に散った卒業生を顕彰する祠が設けられている。この戦争では2917人の卒業生が出征し、642人が戦死、690人が負傷した。卒業生の多くは志願兵である。1900年頃の卒業生は毎年100人程度なので、出征した卒業生がいかに多いかがわかる。
中略
軍事教練は必修
軍事教練は10年生の途中から始まり、半年間は必修でそれ以降は選択者だけが行う。
軍事教練は週に1回約2時間。内容は隊列の編成、行進の練習など儀礼的な事柄から、野営した場合の食事の準備(飯盒炊さん)、カムフラージュなどサバイバル技術習得、斥候術、オリエンテーリング、ライフルの分解、弾丸の装填、射撃、怪我人の応急処置など実践的な演習まで幅広い。教練は学校敷地内のの原や茂み、観兵式場(舗装された広い場所)で行い、指導者も生徒も軍靴を履き迷彩服を着る。ハーロウ・ライフル隊の指導には男女数人の教員と陸軍、海軍、空軍所属の職業軍人があたる。
中略
軍事パレードも
日本では軍事関連の行事が学校内で行われるなど、防衛大学校のような学校を除くと考えられないが、校内ではハウス対抗耐久競争が毎年11月に行われる。軍事学校教官の立ち合いのもと1チーム約10人で3種目の総合展を競う競技である。
中略
毎年3月には敷地内の観兵式場にてハウス対抗軍事パレードがある。ハーロウ・ライフル隊に参加している各ハウスの代表生徒は深緑色のベレー帽をかぶり、深緑色のワイシャツ、セーター、ズボンを着用し、軍靴を履く。この対抗戦ではいろいろな隊列の組み方のスピードや美しさを軍人の審査員を招いて競う。地元の団体の軍事パレードに参加することもある。
イギリスにおける軍人は昔も今も尊敬される存在である。イギリスの独立を守り通し、二つの世界大戦を終結させた軍部の自負は強い。卒業生たちが国軍の一助になってきたというハーロウ校の伝統は、机上ではなく軍事教練という体を使った訓練を通して生徒たちの体内に脳裏に刷り込まれていく。
△△△ 引用終了 △△△
習近平は、台湾のみならず尖閣に対しても軍事侵攻、占領する方針だとすれば、迎え撃つ日本は、自衛隊や海保だけにすべてを委ねていいのであろうか。
国民一人一人の義務として、国防の義務を事前に明確化し、その中に軍事教練を位置づける必要はないのか。
私は、必ずしも保守愛国派と思っていないが、保守愛国派なら、軍事教練に係わる企画提言書を作成・提出する政治的タイミングにあるように思えてならない。
保守、愛国を口にする前に、中身のない精神論を語る前に、すべき提言、陳情があると言いたいのである。