その中で、久しぶりに、安全保障分野の名著に出会った。
書名は「安全保障戦略」は、著者は兼原信克。第二次安倍政権を支えた官僚として知られる。岡崎久彦氏の愛弟子、氏の本の愛読者なら読むべき一冊となる。

この本は学生向けの講義用として書かれているが、それにしては結構難解。400頁を超える大作である。どの頁にも著者の情熱が感じられることに感心している。
文章的には、意気込みが強すぎて、もう少しマイルドな書きぶりでいいのではないか、そう思える箇所が続出している。
しかし、それが何だというのだ!
案の上、私より前に読んだ人が、それが気にいらないらしく、文科省教科書調査官的感覚で、鉛筆で「?」を付けたり、感想を追記したりしている。
むしろ、私は、「存在すべきだった安全保障分野の決定版レベルの本が、今回出版化されたこと」を素直に喜びたい。
多少、思い入れが強すぎた箇所がどうだと言うのだ!
文句あるなら、「書き込みしたあなたが、出版化すべき事案」だったと言いたい。
歴史的名著に対し失礼であろう!
世の中は、批判しただけで仕事した気になっている言論人、批判しかできない言論人だらけである。政治家よりも言論人の方が先に淘汰されるべきであり、ツイッター等で煽動目的で吠える言論人を見ると、つい一言いたくなってしまう。
日本がいま必要な政官界の「大掃除」とは?
http://www.newsweekjapan.jp/kawato/2023/01/post-118_1.php
件の本で頁数で50頁くらいは書き込みされていた。図書館の司書も呆れていたが、私は、そのほとんどをドイツ製消しゴムで消し後日返却予定である。