すべての根源となる国民思想の重要性

安倍政権が長期政権だった背景として、憲法改正、安全保障、外交、歴史認識問題、経済、雇用といった重要な国家的課題に対し、歴代のどの政権よりも果敢かつ継続的に取組んだ結果、長期間に亘って高い内閣支持率が維持できたことが挙げられる。


長かった政権時代を振り返ると、政策面で普遍的政治思想と関連づけた施策を採用した政権だった。

安倍政権と比較すると、岸田政権は、代わりが見当たらない政治状況で、低い内閣支持率に直面している。岸田首相も内心穏やかではないはずである。

さて、政治家として安倍晋三と岸田文雄を比較すると、長期的視点での構想力、戦略眼、情報発信力、決断力等において、安倍晋三の方がはるかに格上の存在に見えてしまう。

岸田文雄は、ビジネススキル的には並みの政治家と変わりがない。たまたま広島出身の政治家だったため、支援してくれる企業の資金が豊富(広島は優秀な地場企業が多いことで知られている)だったことで派閥を維持できた可能性がある。

話は変わるが、戦前の軍人出身の政治家が、「国民思想は科学技術より大事だよ」という趣旨のことを述べている。


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https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%B1%B3%E5%86%85%E5%85%89%E6%94%BF

米内光政

武見太郎(後の日本医師会会長)が「開戦前、海軍上層部の見通しはどうだったんですか。まさか勝てると思ってたわけじゃないんでしょう」と聞くと、「軍人というものは、一旦命令が下れば戦うのです」と答え、「陸軍の支配下に伸びて行った日本の、偏狭な国粋主義思想は世界に通用するものではなかったけれども、日本には古来から日本独自の伝統思想風習がある。その上にアメリカ流の民主主義を無理にのっけようとすると、結局反動が来るのではないか。それを心配している。民族のものの考え方は、戦争に負けたからといって、そう一朝一夕に代わるものではない」と、GHQによる占領政策を批判する発言をしたという。それに対し「科学技術を振興して行けば、日本は立ち直って新しい国に生まれ変わることが出来ると思いますがね」と武見が反論すると、「国民思想は科学技術より大事だよ」と大声をだしたという[148]。米内の予想では「日本が本当に復興するまで二百年かかる」と述べたという[149]。

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うまく言えないが、米内光政が指摘する「日本が立ち直って新しい国に生まれ変わる」、すなわち経済大国となった日本が強国として復活するには、「戦後レジームを前提とした国民思想」(例:平和ボケ、護憲思想)のままで良いのであろうか。

少なくとも第一次安倍政権時代、安倍晋三が「戦後レジームからの脱却」を訴えたことを想起すると、国民各層共通の検討課題として、戦後レジーム脱却という検討課題の中に、国民思想の在り方を含める必要はなかったのか。

少なくとも、政治家としての安倍晋三は、結果として多方面で挑戦的かつ現状打破を目指した関係で、戦後のどの政治家よりも「戦後レジーム脱却後の国民思想の在り方」を模索していた一人と考えるのである。

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