統一地方選挙を間近に控え、現職が高齢者だった場合、後継者選びをどうしようか、後援会幹部は気を揉む。
企業丸抱えの自民党議員だろうが、組合丸抱えの立憲民主党だろうが事情は同じ。
地方議会で、比較的仕事したと言われた野党系地方議員の場合は、80歳近くなっても引退しようとしなかった。議員の立場で良い仕事をした人が最後の最後まで議席にしがみつかなくてはならない事情はどこにあるのか。
対照的に、現職時代から行政改革を首長に掛け合い主導しつつ首長選に出馬した元気一杯の地方議員もいる。この議員の場合は、60代で政界引退、子分の中から後継者を選んだ。
自民党公認で出馬するには、通常は二つの関門があるとされる。一つは政治塾に参加、もう一つは公募枠での公認が認められる必要がある。
ただし、そういう手続きとならないケースがあるそうだ。
ある保守系候補者が、最初、自民公認での出馬を検討、高齢の自民現職に対し禅譲?みたいな手段で自分が自民党公認となる可能性について、当人に直接聞いたところ、後援会組織含めた地盤引継ぎ料を示されたそうだ。
その額は、ちょっとした高級車が買える金額であった。
先日、たまたま代替わりした地方選挙出馬予定者の総決起集会に参加した。参加者はコロナ下にかかわらず4年前と変わらず。選対幹部、役員は、前議員の選挙を手伝った人たちだらけ。
この後継の候補者が前議員に対し地盤引継ぎ料を支払ったかどうかまで私は知らない。しかし、新人で初めての選挙に臨むに際し、確実に当選するには、前議員の後援会組織は活用できた方が有利なことは明らか。
このケースにおいて地盤引継ぎ料を支払うかどうかまでは私は関知しないが、地元の選挙事情を知り尽くし、選挙に手慣れた支持者が10人いることがどれだけ候補者にとってどれだけ頼りになる存在か、説明するまでもない。
選挙を手伝い続ける立場からみても、赤の他人よりも議員の息子さんの方が扱いやすい。
この点において世襲議員が悪いとは思わない。これは、裏方として選挙を支える視点からの見立てである。