経歴紹介と併せて、在勤中の数々のエピソード紹介があった。教育者としての人物像は、自分が知る人物像とは少々異なり、人格者レベルにあった。
世の大学教官は、大学博士課程修了後から助手、准教授、教授という職務経歴となるのが一般的だが、その大学教官の場合は、大学院、民間企業に一旦就職、博士号取得、大学に再就職、大学で定年退官となった。
サラリーマン人生40年のうち、20年が民間企業、20年が大学というパターンは珍しい。
その大学教官の場合、講義の出欠確認のために出席票に感想を書いてもらう独自の出欠確認方法を採用、試験の追試は学生が理解するまで何度も繰り返したそうだ。
ちょっといないタイプである。就職指導も民間企業の実態を知っている立場である関係でそれなりだったようだ。
最終講義出席者は250人くらい。出席率は80%前後、学生たちはほぼ全員背広姿、教官が時折飛ばすジョークに学生たちが素直に反応した。
私は一つの会社しか経験していないが、同じ会社に居ても、若いうちに、複数の事業部門、出向等、違った立場、視点を経験するすることはその後の仕事人生にプラスに作用する。
政治家の場合も同様のことが言える。実社会での経験があるかないかで、ちょっとしたことなのだが、視野、見方、対応、進め方等、変わることがままある。
何が正解なのかやってみないとわからないことだらけである。
決して慕われることがない、常識が通じない、何かと問題視される議員に(普通の人と同様の次元での)人生経験がない人が目立っている気がするところである。