しかし、その強さの秘密はどこにあるのか?までは分析したものがほとんどない。
かつて、羽生名人の全盛時代のマスコミの分析も同様。
ただ、羽生名人の場合、多くの棋士が気がつかない新手を見出すことが他の棋士よりも得意だったようにみえる。パターン将棋の時代の覇者と私はみている。
「Z世代」藤井聡太八冠の存在感
https://www.sankei.com/article/20231106-4RQEIJFEE5OHLBIV7AHYWYU4YI/
ある本にて、藤井八冠の思考回路についての記述があり、書評メルマガにて概要が読めるので紹介させていただく。
▽▽▽ 引用開始 ▽▽▽
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1分間書評!『一日一冊:人生の智恵』7114冊目
★★★★☆「藤井聡太は、こう考える」杉本 昌隆
読書普及研究所 本のソムリエ
https://1book.biz/
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【内容と感想】
■「安全にやろう」といった発想がない
すべての将棋タイトルを取った藤井聡太八冠に
ついて、師匠である杉本昌隆(まさたか)八段
が語った内容です。
面白いのは、藤井聡太八冠を小学生一年生の
頃から見ている杉本師匠だけあって、藤井八冠の
エピソードが豊富なことでしょう。
例えば、藤井八冠がタイトル戦で
序盤から大駒を切って攻め合いを選択した
事例を紹介して、藤井八冠には
そもそも「安全にやろう」といった発想が
ないとしています。
杉本八段は、最善手を打ち続ければ
勝てるとわかっている手順でも、
自分には無理かもしれないと諦めることが
あると告白しています。
しかし、藤井八冠の場合には、
多くの手がAIが選ぶ手と一致するのです。
・彼(藤井聡太)はそもそも「安全にやろう」といった
発想をしないんだな、と再認識しました(p42)
■ただ将棋が好きなだけ
また、師匠自らを藤井八冠と比較して、
藤井八冠は普通の棋士と比べて何が違うのか、
説明してくれるのがわかりやすいのです。
例えば、藤井八冠は敗戦するとものすごく
悔しがります。しかし、すぐに切り替えて、
感想戦をいかにも楽しそうに、笑顔さえ見せて
行うことを紹介しています。
そうしたことから、藤井八冠は思ったより勝ち負けに
こだわっているのではなく、ただ将棋が
好きなだけなのだろうと分析しています。
負けて悔しがるのは、最善手を指せなかった
自分を責めているのでしょう。
そして杉本八段は自分がタイトル戦を
戦ったときには、「もし、勝ったら賞金で
何を買おう」などと考えて、結果して
負けてしまった事例を紹介しています。
それに対し、藤井八冠は、いつでも同じ
雰囲気で将棋に向き合う姿は、
藤井八冠には物欲さえないのかもしれないと
分析しているのです。
・藤井の場合、どうやら本当に名誉欲はおろか
物欲もありません(p87)
■運や神様に頼らない
圧倒的な強さを誇る藤井八冠は、
運や神様に頼らないという。
ある時、神社に赴いた藤井八冠は、
神様に自分の将棋のことではなく、
兄の大学受験合格について祈っていました。
その時、藤井八冠は「将棋のことは
神様にお願いしてもしょうがないので」と
語っており、将棋については、
運や神様に頼るのではなく、
自分自身の実力だけが決めると
考えているのです。
純粋に将棋が好きで、将棋に打ち込む
藤井八冠の姿に・・・
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https://1book.biz/2023/10/31/fujii-sota.html
「藤井聡太は、こう考える」杉本 昌隆、PHP研究所
【私の評価】★★★★☆(80点)
https://1book.biz/2023/10/31/fujii-sota.html
■目次
序章 純粋さの勝利─なぜ名人位を獲れたのか
第1章 構想力─最善手を最速で見抜く
第2章 集中力─好きなことに取り組む
第3章 平常心─プレッシャー、緊張を楽しむ
第4章 探究心─将棋そのものを理解したいと願う
第5章 才能とは、努力を続けられること
第6章 羽生善治九段から学んだこと
対談 温故知新─谷川浩司十七世名人×杉本昌隆
■著者紹介
杉本 昌隆(すぎもと まさたか)・・・1968年11月生まれ、
愛知県名古屋市出身。1980年6級で(故)板谷進九段門下。
1990年10月1日四段。2002年5月、第20回朝日オープン
将棋選手権準優勝。2019年2月22日八段。
第77期順位戦を9勝1敗とし、史上4位の年長記録となる
50歳でのB級2組昇級を果たす。2008年、「NHK将棋講座」の
講師を務める。本格派振り飛車党で、特に相振り飛車に
ついては棋界きっての研究家として知られている。
地元の東海研究会では幹事、また杉本昌隆将棋研究室を
主宰し、後進の育成にも力を注ぐ。藤井聡太の師匠として知られる。
☆☆ 最後までお読みいただき、ありがとうございました♪ ☆☆
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△△△ 引用終了 △△△
要するに、(あらゆる世俗的な欲望について無関心で)高次元かつ合理的に思考する習慣が、将棋界に君臨する原動力となっているということなのである。