株価は正直です

本稿では、中国の景気に左右される代表的日本企業の株価動向について紹介させていただく。

日本の輸出入の主要相手国が米中であることはご存じのことと思う。ここにきて、一部中国シフト企業の第2四半期業績が悪化、資生堂、ニデックは決算発表直後にストップ安となった。
2社の株価動向(5年チャート)、決算情報を以下に示す。

▽▽▽ 引用開始 ▽▽▽

・資生堂
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https://news.yahoo.co.jp/articles/eaeaac3eb4f01d76b8123aad06cde4206e4b75c4

そもそも化粧品市場は、行動制限の解除とマスク着用の緩和で、口元まわりのリップなど急激に改善されることが期待されていました。それにあわせて各社、新製品も積極的に投入しています。資生堂も2023年度から3年間で1000億円のマーケティング費用を追加投資する計画を発表しています。

計画が乱れた要因は、2023年8月、東京電力福島第1原子力発電所の処理水放出を巡り、中国政府が日本産水産物の全面禁輸に踏み切るなど反発を強めたことです。それにより中国でのライブコマースなどオンライン・プロモーションを見送らざるを得ない状況で、eコマースへの影響が出ています。それに加えて想定以上に韓国と中国・海南島の免税店が苦戦しており、7~9月期には売上高が前年比で25%も減少しています。

コロナ前は、インバウンドのスター銘柄だった資生堂が、リオープンでは蚊帳の外に追いやられており、株価はずるずると下がる一方です。


・ニデック
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https://shikiho.toyokeizai.net/news/0/710510

ニデックが大幅安で3月以来の新安値、直近四半期は最終減益
値動きで注目の銘柄をピックアップ
2023/10/24 10:05

モーター世界最大手のニデック

(6594)が大幅に反落して3月16日につけた年初来安値を約7カ月ぶりに更新。午前9時50分現在では前日比580円(8.7%)安の6120円で取引されており、東証プライム市場の値下がり率銘柄ランキングのトップとなっている。

23日に発表した今2024年3月期の第2四半期累計(2023年4~9月)連結決算(IFRS)は売上高1兆1606億6200万円(前年同期比2.6%増)、純利益1060億8100万円(同22.4%増)とともに同期として過去最高だった。

円安の追い風もあって車載用や発電所向け産業用モーターなどの販売が伸びた。ただ、直近の四半期(23年7~9月)に限った同利益は420億4000万円(前年同期比7.3%減)と減益だった。

通期予想は売上高2兆2000億円(前期比1.9%減)、当期利益1650億円(同3.7倍)など従来の見通しを据え置いており、上方修正を期待して買いついていた投資家の間には失望感が広がっている。同利益はアナリスト予想の平均(約1782億円)を7%あまり下回っている。

(取材協力:株式会社ストックボイス)

https://shikiho.toyokeizai.net/news/0/715096

このほか、キヤノンやニデック、安川電機なども中国動向が業績の足かせとなっており、住友化学も今期(24年3月期)の業績計画について従来の増益から一転、大幅な赤字見通しに下方修正。住友化では中国の需要減退などによるマージン悪化や大幅な市況改善は望み薄だとして構造改革に着手する。株価は決算発表後に一時約3年ぶりの安値を付けた。

△△△ 引用終了 △△△

少なくとも資生堂、ニデックはまだ下値を付けそうな気配である。


参考までに、中国ベッタリ企業の代表格と言われる伊藤忠のチャートはどうなっているか。

・伊藤忠
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5年チャートでみると完全な右肩上がり。商社株は、バフェット銘柄であることもあり、三菱商事、三井物産含めて、暫くは高値圏を維持しそうである。

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