「金さん銀さん」の時代

本稿で述べる「金さん銀さん」とは、かつて国内で有名人だったお年寄りのことではない。
商品相場における金、銀に代表される貴金属のことを指している。

背景事情について簡単にふれたい。
トランプ政見時代、コロナ下状況で、木材価格そして海運市況が高騰した。
トランプ政権末期、中国からの輸出規制が広範囲に強化された。代替製品は高価格となることとなった。
トランプ政権は、軍事的かつ経済的に膨張する中国に対し歯止めをかけ、世界経済全体をデフレからインフレに誘導した。
後を引き継いだバイデンはトランプほどではないが、大統領選挙を目前に控えている関係で中国に対し、より強い措置を選択せざるを得ない状況にある。


国内経済的には、インフレ経済に移行したため、企業においては支出は増えるが、それ以上に売上げが伸び、売り上げが伸びたことで好業績企業が続出、自社株買い・増配しやすい状況が生まれ、日経平均株価はバブル期の高値を更新、40000円を一時的に突破した。
同様に、物価上昇、好業績企業続出している関係で税収も伸びている。やっとアベノミクスを採用した効果が出てきた。やや円安なのが気がかりな程度。
庶民目線でみると、インフレ経済なので、消費者物価と賃金が増えることになる。収入が左程増えないと認識する人の場合、何らかの手段でインフレヘッジ(インフレによる目減り)対策をしなくてはならなくなる。

現時点で賃金、株価が上がり始めたことが確認されている。

次は何が上がるのか。

ここ数年の動きを整理しておきたい。

・ロシアのウクライナ侵攻によりエネルギー価格が高騰
・次期大統領の有力候補であるトランプは西側主要国に軍事予算拡大を迫っている(=アメリカは世界の警察官を辞める)
・ウクライナ侵攻に対するロシアへの経済制裁が実効が効かない一方、Brics諸国内でドル離れが加速
・アメリカと対立する国(中国、イラン)は、石油取引決済上のペトロダラーシステムの崩壊を企図

こうした状況で、ハマスのイスラエル攻撃、イスラエルとイランの対立の先鋭化をきっかけに、石油価格が一段高、貴金属価格が連日のように高騰している。

貴金属の中で最初に高騰したのが金。続いて銀。
金については、存在する金の延べ棒以上の買い注文により、株価(ETF)価格が実際の現物価格と乖離した状況となりつつある。仮想通貨の値動きに近づいた?銀のETF価格は乖離率が高い状況。(いつ暴落しても、、、という意味)
対照的にプラチナは金、銀と比較すると市況的に出遅れていると言われている。

金、銀、プラチナなら最低購入価格10万円以下で買える金融商品がいろいろある。
インフレが続けば、数年後に貴金属価格は倍になっても不思議ではない。そんな市況(と言っていい)
20年近く、勉強のつもりで金やプラチナの現物積み立てを続け、ほぼ毎日金、銀、プラチナ価格をメルマガで確認してきが、4月以降の金の値上がりにびっくりし、金、プラチナのETFを買い増しした。
銀については、ETFを飛びつき買いしたが、翌日暴落、あっさり撤退した。得することもあれば損することもある。

物価上昇に不満を持つなら、インフレヘッジ目的で貴金属を購入することである。
電気料金高騰に不満を持つなら、伸びしろありそうな電力株を購入することである。

リスクを取らない限り、得るものはない。そういう時代に入ったのである。

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