西欧諸国はウクライナ支援で手一杯、イスラエルに構う余裕はなく、アメリカは、ウクライナ支援予算が議会で否決され、民主党バイデン政権はイスラエルに冷淡な対応をとり始めた。
親イスラエルのトランプが再選するまで、イスラエルは時間稼ぎを余儀なくされたようだ。
田中宇の分析は実に面白い。が、分析し過ぎな気がする。
イスラエル窮地の裏側
https://tanakanews.com/240407israel.htm
ここで、鉄板だったはずのイスラエルロビーの政治力が、どう考えても弱体化、影響力低下したと判断せざるを得ない。
かつてはどうだったか。
「移民大国アメリカ」(西山隆行)から引用させていただく。
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世論への影響
ユダヤ系ロビーは、メディア、シンクタンク、学会や教育会に対して影響を及ぼし、世論形成にも影響を与えている。
親イスラエル派は親アラブ派と比べて活発にメディアの報道に関わっており、主要メディアでは親イスラエル派の主張が発表される頻度が圧倒的に高い。メディアは専門性の高いニュースの分析をシンクタンクの研究者に頼ることが多いが、ユダヤ系は多くの有力シンクタンクでその影響力を増大させている。AIPACの元買い長であるラリー・ワインバーグらが作ったワシントン近東政策研究所にユダヤ系ロビーの意向が強く反映されているのは言うまでもないだろう。
その他にも、AEI、安全保障政策センター、外交政策研究所、ヘリテージ財団、ハドソン研究所、外交政策分析研究所、ブルッキングズ研究所などに人材や研究費を提供してユダヤ系ロビーは親イスラエルの研究拠点を築いてきた。
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どうして弱体化したのか。
原因ははっきりしない。が、イスラエル国内でネタニヤフのやり方が絶対的に支持されていないのと関係がありそうな気がする。
一致団結しなければならない政治状況で、国内的に分裂が進みつつあることが、西側諸国におけるイスラエルに対する冷淡な対応を引き起こしている可能性はないのか。
一方で、原油や金、銀等の価格が高騰し始めた。
原油価格が上昇して得をするのは、産油国。西側から経済制裁されているイラン、ロシアにとって戦争は恵みの雨。
一方、世界を動かす資金力を有するユダヤ金融資本にとって、自分たちが(長年価格支配してきた?)金や銀の価格高騰は、願ってもない話。
ソ連崩壊後、ユダヤ金融資本はいち早く日本を切り捨てを選択、中国の経済発展を支援。中国企業の株式上場等で儲けた後、もはや中国での金儲けの種がないとみるや、トランプに中国切りをやらせ、コロナ下にて世界経済をデフレからインフレに反転させることに成功した。(ようだ)
同時に、ドル金利上昇に伴い、アメリカ政府が発行する国債金利支払い力の限界、(ウクライナに軍事侵攻した)ロシア経済制裁失敗等、ペトロダラーシステム崩壊が進み、ドル弱体化が各国の共通認識となりつつある。
ドルの国際信用力低下が表面化、各国は躊躇わず金を購入、、、
イスラエルがネタニヤフ政権の元、好戦的方針を表明すればするほど、原油、金、銀等の先物価格が面白いように反応、金については最高値更新中である。
つまり、「イスラエルとイランが交戦状態になればなるほど、両国の支配層にとっては旨味がある商品市況」が続く。
これをどうみるか。
インフレ経済において、戦争が長引けば長引くほど、金儲けの種が尽きることは、、、残念ながら「永遠にない」のである。