なぜ不正請求事案が増えるのか。
それは、不正請求しようと考える輩にとって、補助金申請手続きがザル状態にあるからだ。
私事となるが、ガソリン税廃止の視点から経済産業省所管の補助金制度を中心に調べている。結論は出ていないが、素性いい加減な業者、補助金工事であろうが手抜き・住民迷惑な工事を平気で行う業者、その種の設備について工事設計ノウハウがないのに受注・補助金申請する業者がいることがわかった。
ところが、経済産業省所管のある補助金申請窓口に対し、「過去(補助金工事で)いい加減な工事をしたという理由で補助金申請を却下するのか」と聞いたところ、明確な回答がなかった。つまり、過去にいい加減なことをやろうが、当該補助金申請に係る書類が整っていれば、補助金を支給するシステムのようだ。
他省庁所管の補助金工事案件では、そもそも補助金で建物等設置するために技術検討が必要となるが、その技術者すらおらず、設計事務所、工事会社丸投げで補助金で施設を建設し、認可を得て事業開始する認可事業者がいる。この業種の認可は、自治体に下部委任されている。ある自治体は、この事業者に職員を天下りさせている。認可の見返りに天下りを認めさせたと言ってもいい。
最近、報道等で上述の業種の補助金等水増し請求報道があった。自治体職員を天下りさせ、その見返りに認可、認可した自治体が、補助金申請書類だけみて経営実態等確認しないようであるため、認可事業者にとっては不正請求やりたい放題ということなのだろう。それでいて、その自治体は住民の苦情はほとんど黙殺する。
そういう状態であるため、認可の見返りに他に何かある?と勘ぐっている。
おそらく、補助金等不正請求する経営者は、脱税もやっているはずだ。手口もなんとなくわかる。要員を極限まで切り詰め、設計事務所、工事会社にすべて丸投げ、施設計画・管理する専門の人が会社に在籍していない状態で、経理帳簿上はその専門の人が(雇用していないのに)雇用しているとして処理する。この架空の支出はどこに消えるのか。
自民党の裏金問題などより、もっとどす黒い世界がある、、、
話は変わるが、産廃事業者免許申請に関して、自治体認可窓口は、その企業の素性(反社か否か、暴力団との取引がないか、暴力団構成員がいないか)を興信所?レベルで調べ上げるとの話を自治体職員から聞いたことがある。
このやり方を参考とすると、水増し請求、不正請求、手抜き・迷惑工事等が相次ぐ業者に関して、セキュリティ・クリアランスの視点から、経営者の素性、税務調査、過去の補助金等による実績調査、住民等からの苦情の有無くらいは、補助金支給する事業について行われるべきと考える。
補助金支給に係る、不正・迷惑事案が数多存在している以上、民業だからコスト的に常に安価であるという幻想は捨て、それを抑止するためのセキュリティ・クリアランス的対応を含む抜本処置が講じられるべきだが、何も対策しないなら今後は補助金制度は分野を問わず半減させて構わないのではないか。