NISA投資生残り術 情報取扱い術とは

かれこれ株式投資歴は40年近くに達した。
若い頃は儲けるのが難しく、投資初心者の時代、車1台分の損失を出したが、コツを掴み何とか取り返した。

一応、それなりに生き残っている。

年明け、NISA投資による影響を受け、一時期、日経平均は4万円を突破したものの、4月以降株式相場が低迷、含み損を抱えた投資家が相当数存在おられるように思う。
時々、株式相場のテーマで出稿していた関係で、本稿では、新規参入のNISA投資家は増えていることを想定、マスコミ情報、出版物に書かれている情報の取扱い方について私見を述べることにする。

相場書なるものを本格的に読み始めて20年くらいになる。
出版社としては、同友館、パンローリング、著者は林輝太郎のものが多い。

比較的新しい本で「勝者へのルール」(林輝太郎)がある。

相場の世界では、極論かもしれないが、新聞記事、出版物を書く人に対し、懐疑的、ほとんど無視に近い態度を選択する人たちが存在する。

この本では、相場技法書を出版する、読者から先生と言われる株式関係図書の著者たちについて、具体的な肩書、経歴を示しつつ、その著者たちが株式投資で一時的に儲けたことはあっても、最終的に損失を出し、その損失額に懲りてトレーダーから投資ノウハウ本を出版する道に転出したとの記述がある。

従って、投資本を出版する先生と言われる人たちの大半はバーチャルであることがわかる。

次に、そのようなバーチャルな感覚で書かれる本にて発信される情報とはどのような性格のものなのか?
この本の著者はどうみているか。96~97頁から引用する。


▽▽▽ 引用開始 ▽▽▽   

情報は正しく伝わらない
ニュースは発表された瞬間に古くなる
ハナシはいつも眉つばもの
話に投資せず物に投資せよ

中略

中立な情報は存在しない
情報は常に発信者に有利

これが「情報社会の公理」なのだ。

△△△ 引用終了 △△△


少々衝撃的な書きぶりとなっている。

マネー雑誌の著者に関しては、108頁にて以下のような見解を示している。


▽▽▽ 引用開始 ▽▽▽

マネー雑誌の無責任さについては、最近ようやく批判されはじめるようになりました。
批判の内容としては、だいたい次のようなところでしょう。

1.まず編集者自身、お金のことをまったくわかっていない人が多いこと。
2.実際の記事を執筆するライターのほとんどが、お金に縁のない貧乏人であること。
3.おまけに登場するFP(ファイナンシアル・プランナー)の先生の多くが、口では偉そうなことを言っておきながら実は家も買えず、家賃一〇万円の2DKマンションに住んでいること
4.マネー雑誌の収入構造として、掲載広告による部分がかなりを占め、その広告主(ほとんどが金融機関)に対して批判的な記事は、初めから載せられないこと。
5.雑誌の企画そのものに、一貫性がないこと。

△△△ 引用終了 △△△


この本は、林輝太郎が出会った証券業界、証券投資出版関係者の情報を集約化したものである。ノウハウ本としての評価はいま一つだが、業界関係者の経歴、素性、こういう考え方の人たちなので用心すべき、、、つまり、この本は著者からみてファンへの最後の遺書みたいなものである。


では、相場技法について林輝太郎はどう述べたか?
いろいろ読み、私なりの経験から、林輝太郎はこう言いたいのではないか。

・技法的な戦法を意識して投資している人は少数派
・技法にこだわらない人が(いつも)儲かるとは思えない
・誰もが同じ技法を採用すると誰も儲からなくなる
・儲かるか儲からないかは、各自の技法の選択による


著者は、この本で「あなたも株のプロになれる」(立花義正)、プロが教える株式投資(板垣浩)を株式投資の成功者が書いた本として紹介している。

二人とも技法にこだわる投資家である。そして、この2冊は20年前の私の愛読書である。

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