ガスヒートポンプ、エコキュート等、低周波音発生機器に関する法規制の強化について

どういう風に纏めるべきか、半年かかりましたがやっと文章化できました。
最終判断として、低周波音対策に係る省庁間の取組にバラツキがあることに着目し整理することにしました。


1.見直しいただきたい事項(要望)

(1) 「産業標準化法」、「電気用品安全法」上の措置として、ガスヒートポンプ、エコキュート等低周波音発生機器に関して、メーカーに低周波音の測定ならびに測定した低周波音値の情報公開を義務づけること

(2) 上記に伴い、ガスヒートポンプ、エコキュート等に関して、JIS規格上、低周波音測定方法を規定すること

(3) 「電気用品安全法」にて、ガスヒートポンプ、エコキュートとも低周波音が発生、実際に低周波音による被害(消費者、第三者)が発生していることを根拠に、「電気用品安全法」適用設備として取扱うこと

(4) 「電気用品安全法」にて、低周波音被害については、消費者だけでなく、第三者被害を含めて対応を規定すること(「製造物責任法」上の解釈と横並べ)

(5) 「電気用品安全法」等の措置として、型式認証およびメーカーカタログにて、ガスヒートポンプ、エコキュート等低周波音発生機器に関する、騒音に関する数値は実際に低周波音による被害(消費者、第三者)が発生していることを根拠に、定格値に加えて実機最大値を表示することを義務づけること

2.上記見直しが必要と考える理由

ガスヒートポンプ、エコキュートは、「騒音規正法」の規制対象外となっているが、(低周波音を含む)騒音被害が発生し、公害審査会等で件数ベースでも相当程度の騒音被害認められる。
総務省所管の公害審査会は、低周波音被害を扱う点で、被害者にとって最後の駆け込み寺みたいな役割を担っている。

次に、消費者庁においては、消費者だけでなく第三者被害に関する「製造物責任法」上の欠陥状態に係る解釈文書が存在、「消費者安全法」上の措置も規定されている。さらに、ガスヒートポンプの騒音値(カタログ値)について「景品表示法」上の疑いある製品モデルが確認されている。
国交省の取組みとして、建築設備計画基準、建築設備設計基準において、低周波音発生を想定した記述が存在している。

一方、経済産業省所管の「産業標準化法」は、国民生活の改善のみならずサービス・マネジメント分野への対応強化等、環境変化に対応すること、「電気用品安全法」においては、電気用品の安全性の確保につき民間事業者の自主的な活動を促進することにより、電気用品による危険及び障害の発生を防止することを目指すこととしている。

以上から、無視できない件数・規模で発生している(低周波音を含む)騒音被害に対して、製品規格・型式認証等を所管する省庁である経済産業省が、「産業標準化法」、「電気用品安全法」において、低周波音対策の無対策状態(法の適用除外状態)を継続することは、環境省、消費者庁、国交省における対応と比較すると、行政組織対応上の齟齬が発生していることになる。
すなわち、環境省での低周波音規制対応が手詰まりな中、総務省が公害審査会という問題解決の枠組みを被害者に提供、消費者庁が(低周波音を含む)騒音被害発生を認識し法規制強化を進め、国交省が建築設備計画基準・同設計基準にて低周波音発生を想定した基準を示している状況で、製品開発、製品表彰、普及開発を主導した、経済産業省の低周波音発生機器への対応が手つかず状態になっているため、経済産業省の行政機関としての不作為問題を指摘せざるを得ないのである。

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