財務省は補助金適正化法、認可する主務官庁は通達文書、省エネ機器設置の場合は経済産業省が補助金交付要領を定めている。
補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=330AC0000000179
しかしながら、法や行政文書の不備により、補助金支給前提の箱物認可事業施設建設、省エネ機器等補助金支給事業において次のような問題が発生している。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
・問題1 補助金受給者におけるしかるべき技術者の不在の問題
それなりの施設数を建設・運営している認可事業者に対して、発注部署における
技術者の配置、事業所における営繕担当者の配置は明文化されていないため、大手箱物認可事業者の中に発注部署における技術者、事業所における営繕担当者を配置しないケースが確認されている。
・問題2 設備審査実施が不明確な問題
建築物については箱物施設の場合建築確認申請の中でしかるべき審査行為が実施されるが、建築設備に係る遵守すべき法令、国の基準が明示されておらず、かつ箱物施設認可を所管する省庁が設備審査の実施について自治体向けの通達文書にて規定していないため、認可事業施設建築設備に係る住民被害、公衆安全上の不備が続出しているケースが確認されている。現実に、補助金受給事業者の中に、発注者として竣工時の現場立会い確認、住民被害発生への対応を施工会社に丸投げしているケースがある。
・問題3 建築設備機器設置補助金支給に係る、支給条件等不明確な問題
省エネ機器、バルクタンク補助金等経済産業省所管の補助金事業支給条件において、第三者である住民に対する何らかの被害(公害、公衆災害)、公衆安全上の不備等を想定した、補助金支給条件として明文化されていない
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
補助金適正化法の施行令について調べて見た。
「補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律施行令」には、各省各庁が定める事項が必要であると規定している。
つまり、認可を所管する省庁が、箱物認可事業者について、建築技術者が必要と書かないと建築技術者がいなくても認可施設を発注、補助金受給できることになる。
▽▽▽ 引用開始 ▽▽▽
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=330CO0000000255
昭和三十年政令第二百五十五号
補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律施行令
第三条 法第五条の申請書には、次に掲げる事項を記載しなければならない。
一 申請者の氏名又は名称及び住所
二 補助事業等の目的及び内容
三 補助事業等の経費の配分、経費の使用方法、補助事業等の完了の予定期日その他補助事業等の遂行に関する計画
四 交付を受けようとする補助金等の額及びその算出の基礎
五 その他各省各庁の長(日本中央競馬会、国立研究開発法人情報通信研究機構、独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構、独立行政法人農畜産業振興機構、独立行政法人国際協力機構、独立行政法人国際交流基金、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構、独立行政法人中小企業基盤整備機構、独立行政法人日本学術振興会、国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構、独立行政法人日本スポーツ振興センター、独立行政法人日本芸術文化振興会、独立行政法人福祉医療機構、独立行政法人環境再生保全機構、独立行政法人日本学生支援機構、国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所又は国立研究開発法人日本医療研究開発機構の補助金等に関しては、これらの理事長とし、独立行政法人大学改革支援・学位授与機構の補助金等に関しては、その機構長とする。第九条第二項及び第三項(第十四条第二項において準用する場合を含む。)、第十三条第四号及び第五号並びに第十四条第一項第二号を除き、以下同じ。)が定める事項
2 前項の申請書には、次に掲げる事項を記載した書類を添附しなければならない。
一 申請者の営む主な事業
二 申請者の資産及び負債に関する事項
三 補助事業等の経費のうち補助金等によつてまかなわれる部分以外の部分の負担者、負担額及び負担方法
四 補助事業等の効果
五 補助事業等に関して生ずる収入金に関する事項
六 その他各省各庁の長が定める事項
3 第一項の申請書若しくは前項の書類に記載すべき事項の一部又は同項の規定による添附書類は、各省各庁の長の定めるところにより、省略することができる。
△△△ 引用終了 △△△
財務省施行令を字句通り解釈すると、上記1~3の問題点は、各省マターと読めるが、
複数の省庁(厚生労働省、文科省、子ども家庭庁)が箱物認可事業施設認可に関与していること、
厚生労働省、文科省、子ども家庭庁がどちらかと言うと事務系官庁のため、国交省、環境省等所管の技術的事項の解釈を得意としていないこと
などを考慮すると、各省マターとするのではなく、財務省側で国交省、環境省等の協力の元、共通のガイドラインを(施行令上)示す方が妥当な処置と考える。