金融正常化 議論すべき範囲

昨今の経緯から、どうも「金融正常化」という用語の定義が曖昧なままに使われ、日銀総裁記者会見直後の株価暴落などから、政権中枢、日銀において、「金融正常化議論に含まれていない重要事項」が存在している可能性が高いことに気がついたので、以下に纏めてみた。

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・金融理論は、どれを採用するのか
ケース1:アベノミクス+既存の経済学+α(アベノミクスの改良版)
ケース2:アベノミクス+既存の経済学(=アベノミクスの維持)
ケース3:既存の経済学(=アベノミクスの否定)

・アベノミクス前のマネーサプライに関する評価
少なすぎた白川総裁時代の量的緩和の評価

・アベノミクスのマネーサプライの評価(前期、後期)
消費税増税前、消費税増税後

・異次元緩和の検証
視点1:白川総裁時代に遅れた量的緩和を後始末(白川総裁時代にすべきだった量的緩和を数年遅れで実施したと解した場合)
視点2:なかなか効果が表れないことに伴う追加緩和
視点3:異次元緩和の多様な選択肢の可能性

・金融政策として、どの時代も近隣窮乏化策を企図したことを正当化するか否か

・金融政策として、為替介入を選択肢として認識するか否か

・インフレターゲット設定
インフレターゲット設定の可否

・インフレターゲット達成した場合の評価手法
ターゲット設定事項と評価手法

・近隣窮乏化策を肯定した場合の、適正な為替水準をどうみるか(安倍政権時代、岸田政権時代)

・円安、株高下での、過剰流動化現象をどこまで許容するか?

・金融政策上、株式市場の時価総額をどうみるか(金利引上げによる暴落絶対に回避、あるいは、ある程度の暴落を許容)

・年金資産の半分程度株式運用し、年金資産が増大している関係で、金融政策として年金資産残高を常時監視、資産防衛上配慮する必要はないのか

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本稿のまとめとなるが、日銀が保有する株式の評価額、年金資産中の株式の評価額を大幅に減らしてまで金利引上げを主張する、日銀幹部がいるとしたならば、即刻解任すべきである。
そのために、前稿にて、金融政策決定会合における議決権行使の裏付けとなるレポート提出の義務化と情報公開、日銀審議員随時解任する制度導入を提案したのである。

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