日銀審議委員講演⇒株価暴落というジンクス

高市大臣が低金利政策継続を支持しているが、日銀審議員は違ったスタンスのようだ。

高市氏「低金利続けるべき」、追加利上げをけん制=自民総裁選討論会
https://jp.reuters.com/economy/bank-of-japan/RXA5OYSA6ZO5LEXVIEBHUPWB6U-2024-09-14/

本稿では、数日前に日銀中川委員のタカ派発言(株式投資家からみれば失言)により、東京市場で円高が加速株価暴落したため、どういう発言が問題なのか、以下に分析を行うことにした。

▽▽▽ 引用開始 ▽▽▽

https://jp.reuters.com/economy/bank-of-japan/3X7AJIFBLVOLLGXROYJKOKJ4UE-2024-09-11/

実質金利は極めて低い、見通し実現なら緩和度合い調整=中川日銀委員
By 和田崇彦
2024年9月11日午前 11:44 GMT+92時間前更新

[秋田市 11日 ロイター] - 日銀の中川順子審議委員は11日、実質金利は現在きわめて低い水準にあるとした上で、先行き日銀の経済・物価見通しが実現していくとすれば、物価目標実現の観点から金融緩和の度合いを調整していくことになると述べた。ただ、政策調整の検討に当たっては、7月の追加利上げ後の市場動向を振り返りつつ、金融市場の変化が経済・物価見通しに及ぼす影響について「これまでと同様に丁寧に評価を行い、判断をしていく必要がある」と指摘した。
中川委員は秋田県金融経済懇談会であいさつした。
日本経済については、高水準の企業収益に支えられ「賃金と物価の好循環が展望できる状況にある」と発言。8月上旬に市場が大きく動揺したが「この間、わが国経済のファンダメンタルズに大きな変化はない」と話した。
物価については、上振れリスクに警戒感を示した。「輸入物価の上昇による消費者物価の上振れに注意する必要がある」と述べた。商品市況や一方的な円安の動きは落ち着いてきているが「これまでの輸入物価の上昇が消費者物価に時間差を伴って影響する可能性がある」と指摘。海外のインフレ長期化が輸入物価の上昇圧力にある可能性があるとしたほか、地政学リスクや市場動向の影響も注視が必要だと述べた。

△△△ 引用終了 △△△

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

5つの疑問点(失言レベル)

●疑問点1「実質金利は現在きわめて低い水準にあるとした」

⇒先の植田総裁の記者会見発言の直後の暴落を踏まえ、市場に動揺を与えない表現(例:先月の日銀政策決定会合以降、金利動向に大きな変化は見られない)に変えるべき。

●疑問点2「先行き日銀の経済・物価見通しが実現していくとすれば物価目標実現の観点から金融緩和の度合いを調整していくことになると述べた。」

⇒先の植田日銀総裁会見後の暴落により、経済物価見通しが変化の見通しが変化の有無についての分析・評価はどうなっているのか。株価が元に戻らない状況での経済物価見通しが変わらないという主張は株価暴落の事実を直視していない。

●疑問点3「ただ、政策調整の検討に当たっては、7月の追加利上げ後の市場動向を振り返りつつ、金融市場の変化が経済・物価見通しに及ぼす影響について「これまでと同様に丁寧に評価を行い、判断をしていく必要がある」と指摘した。」

⇒「株式市場動向等評価範囲を拡大するなど、これまで以上に、精緻な分析を行い、市場との対話を通じて丁寧に評価を進め、判断をしていく必要がある」と書き換えるべき。

●疑問点4「8月上旬に市場が大きく動揺したが」

⇒精緻でない日銀審議を経て、無邪気にタカ派路線を選択した結果、8月上旬に市場が大きく動揺することとなり、年金資産はじめ株式時価が大きく目減りしたと認識すべき。

●疑問点5「物価については、上振れリスクに警戒感を示した。「輸入物価の上昇による消費者物価の上振れに注意する必要がある」と述べた。」

⇒物価だけでなく、年金資産や東証時価総額の目減りにも配慮すべきである。

△△△ 引用終了 △△△

この講演の直後に金利引上げを急がないとするリーク報道が出されたが、時すでに遅しである。

言葉足らずのタカ派審議委員は随時リストラ対象とするのみである。

▽▽▽ 引用開始 ▽▽▽

https://jp.reuters.com/opinion/forex-forum/33V544FYONINXKTRL7QTWVXKTY-2024-09-13/

焦点:日銀、追加利上げは急がず 米景気・利下げなど注視

追加利上げについて、日銀内で急ぐ必要はないとの声が強まっている。7月の利上げ後、大幅に円高が進行し、輸入物価を通じた物価の上振れリスクが後退したためだ。市場が動揺する中、追加利上げへのハードルが上がっているとの声も聞かれ、19―20日の金融政策決定会合では政策金利を据え置く公算が大きい。

△△△ 引用終了 △△△

人気記事